苔の園
見どころ:『農景百選』に選ばれた『苔の園』は,幽玄の景をつくる自然素材としてコケの魅力にとりつかれ,苔庭づくりとコケの栽培方法の開拓に情熱を傾けられた故大石鉄郎氏が美根子婦人とともに,石川県小松市の粟津温泉近くにある日用(ひよう)町で石川蘚類研究所を設けて造園されたものにはじまる.1987年に一般公開された.杉木立の下に,小丘を置き,ウマスギゴケをはじめオオシッポゴケ,カモジゴケ,ホソバオキナゴケ,ヒノキゴケなどが植栽されている.杉木立の木漏れ日と谷あいの比較的高い空湿度という,コケの生育に最適の環境下でコケ類はよく育っている.隣接する神社境内の杉木立の下では,コケ庭の材料となるコケが栽培,育成されている.大石氏のあと,現在は,日用町の住民によって維持されている.1987年に「苔の園」として一般公開した.また,杉並木と民家が自然と調和した景観,伝統的な空間を産み出しているとして,1992年に全国農村景観百選に選ばれている.季節(6月中旬)にはホタルと苔の鑑賞 「照苔の夕べ」が催され,たくさんのひとびとが訪れている. |
場所:石川県小松市日用町52-1 TEL. (0761) 65-1162 |
交通:小松インターから車で25分,加賀インターから30分,粟津温泉から車で4分 |
入園料:500円 |
ウマスギゴケ濃緑,オオシッポゴケの暗緑色,ヤマトフデゴケの黄緑色,とりどりの緑のオーケストラが醸し出す幽玄の世界
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スギ(日用杉)木立の下にひろがる苔庭.
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斜面をおおうウマスゴギケ. | 園内はこけだらけ. |
スギの根元にひろがるホソバオキナゴケ | |
ホソバオキナゴケ | 苔の園に隣接する人家の庭も自然にできた苔庭となっている. |
家の路地の盛り土をすっぽり覆ったウマスギゴケ | |
スギの根元のホソバオキナゴケ | 地面には10種以上のコケがにぎやかに雑居する |