植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter416
提供: 広島大学デジタル博物館
ヒコビアミニレター No. 416(2013年6月21日)
2013年6月16日の第540回観察会は,広島市東区牛田山で行われた.天気は晴れ.参加者37名.アストラムライン牛田駅下に9時30分集合,牛田総合公園からハイキングコースを歩く.公園から尾根に取りつく遊歩道の途中に,クワ,トチノキ,シナノガキが植栽されていた.牛田山はかつてほとんどがアカマツ林であったが,松枯れのため現在ではわずかしか見られない.アカマツ林は時がたてばシイやカシなどの常緑広葉樹林に遷移していくが,アカマツがまだ若いうちに枯れているので,これに代わるべきコナラやアラカシなどが十分成長していない所が多い.日当たりのよい低木林では,ネジキ,コバノミツバツツジ,ナツハゼ,ザイフリボク(未熟果)などが見られた.アラカシ林では,ナナミノキ,クロバイ,シリブカガシなどが見られ,テイカカズラの花が芳香を放っていた.牛田山山頂から700 mほど西の尾根沿いはコジイやタブノキなどがよく育ったアラカシ林で,花崗岩地の尾根にしては土壌が発達している.場所によって遷移の度合いがまちまちであるのがわかる.牛田山の山頂で昼食をとる.山頂からは中国電力の管理道を通って浅い谷を横切り,ヤマイヌワラビやイワガネゼンマイなどのシダ類,タチツボスミレ,ミヤマナルコユリなどを見ながら不動院へ下山した.気温30°Cを超える暑い日であったが,一同無事に下山した.
(K. Matsui 記)
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