イワヨモギ
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イワヨモギ Artemisia sacrorum Ledeb.
シノニム
- Artemisia gmelinii auct. non Weber ex Stechm.
- A. iwayomogi Kitam.(広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会 1997で採用)
- A. iwayomogi Kitam. f. laciniiformis (Nakai) Kitam.
- A. sacrorum Ledeb., Mem. Acad. Petersb. 5: 571, 1805.
- A. sacrorum Ledeb. subsp. laxiflora (Nakai) Kitag.
- A. sacrorum Ledeb. subsp. laxiflora (Nakai) Kitag. var. laciniiformis Nakai f. platyphylla Pamp.
その他
分類
種子植物門 Spermatophyta > 被子植物亜門 Angiospermae > 双子葉植物綱 Dicotyledoneae > キク科 Asteraceae(Compositae) > ヨモギ属 Artemisia
解説
- 多年性の大形草本.高さ1–2 m程度になる.
- 花は淡黄白色.
- 同属のヨモギとは,葉が羽状に深裂し,2回羽状複葉になる点や匂いが異なる点などで見分けられる.
- Artemisia sacrorum Ledeb. [Asteraceae]: Hardy herbs, up to 1–2 m in height. Native to Hokkaido, northern Japan; invasive to Honshu, southern Japan. Yellowish-white flowers open in middle of July to August. Recently this species heavily colonizes a particular habitat at slope planning in southern Japan.
- 多年生草本.坪田・向井(2010)により宮島から報告された.生育場所が法面であるため,島外から移入されたものと考えられる.広島県には,本来自生していないが,1992年に発見されて以降各地で見つかっている(広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会,1997).本種の種子は,法面緑化に用いられるため,国内帰化というよりは大陸産種子由来の可能性が高いと考えられる.同属のヨモギとは,葉が羽状に深裂し2回羽状複葉になること,匂いが異なることによって区別できる.
花期
- 7-8月.
- 宮島での花期は7月中旬-8月.
分布・産地・天然記念物
分布
- シベリアから中国大陸,朝鮮半島にかけ分布.日本では北海道に分布し,海岸から山地の岩礫地に生育.
- 近年,長野や新潟,近隣県では岡山,愛媛などでも確認されている.
- 広島県には本来自生していないが,広島県内でも1992年に発見されて以降各地で見つかっている(広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会 1997).現在では広島県内各地に逸出しているが,法面植栽が原因と考えられている.国内帰化というよりは,緑化に使われる大陸産種子由来の可能性が高い.
- 同様の例が徳島県と富山県でも見つかり,韓国か中国東北から移入された吹き付け用のヨモギ種子に混入していたものと思われる(中田ほか 1995).
- 坪田・向井(2010)によれば,これまで記録のなかった宮島でも生育が確認されたが,生育場所は非常に人工的な法面であった.
産地
天然記念物
標本
- 湯来町国原(ts-921010;冨沢由美子・関太郎 採集),福山市蛇円山(sf-4650),広島市矢口(ts-960725;小路ハマ子 採集),廿日市市宮島(HIRO-MY 24320, 24321, 29063)
- Materials from Miyajima Isl.: Minami-machi: S. Mukai & H. Tsubota s.n. in hb. HIRO-MY 24320 & 24321 (23 July 2008, HIRO-MY).
慣用名・英名・広島県方言
慣用名
英名
- Russian wormwood, Shrub wormwood
- wormwoodはヨモギ属Artemisia植物の総称
広島県方言
備考
- 環境庁コード: 54870
- 逸出
- イワインチンChrysanthemum rupestre Matsum. & Koidz.は別の植物.
- 種小名のiwayomogiは,和名に由来.gmeliniiはドイツの分類学者グメリンJohann Georg Gmelin(1709-1755)にちなむ.
文献(出典)
- 中田ほか(1995),広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会(1997),坪田・向井(2010),平原ほか(2011)
引用文献
- 中田政司・関 太郎・伊藤隆之・小川 誠・松岸徳之助・熊谷明彦・工藤 信. 1995. 最近道路法面に発見されるキクタニギクとイワギクについて. 植物地理・分類研究 43: 124-126.
- 坪田博美・向井誠二. 2010. 宮島のイワヨモギについて. 宮島自然植物実験所ニュースレター 15: 1, 16.
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