植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter420
提供: 広島大学デジタル博物館
ナビゲーションに移動検索に移動ヒコビアミニレター No. 420(2013年11月5日)
2013年10月20日の第544回植物観察会は呉市二河峡から鉢巻山で行われ,参加者は27名であった.1985年2月24日にも二河峡から鍋土峠のコースで観察会を実施したが,鉢巻山には登っていない.橋のたもとにカギカズラがあり,コジイの胸高直径約1 m,樹高20 m以上もの巨樹がある.釣橋を渡り,湿った斜面にはイズセンリョウ,シャガ,イワガネゼンマイなどシダ類が多く,めずらしいクリハランもある.車道まで登り,鍋土峠へ向かう.アオモジが点々とあり,中には樹高10 m程の大木がある.Horikawa (1972) の分布図で明らかなように,自生のアオモジは鹿児島県与論島を南限とし,屋久島・種子島から九州西部を北上して福岡県西部が北限である.広島県で自生状態のものは,花材として持ち込まれたものである.鉢巻山は,その名のとおりぐるぐると鉢巻のように道がある.アカマツ二次林であるが,松枯れでリョウブやオオバヤシャブシ(植林)が目立つ.海抜350 m付近に沿岸部には少ないママコナがあった.頂上近くにキジノオシダとウラジロガシの小さい木があり,原植生は宮島の弥山原始林のようであったろう.呉付近に点在するスズササ属は見当たらなかった.今回から植物名の紙片を院生に付けてもらった.
(T. Seki 記)
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