植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter403

提供: 広島大学デジタル博物館
ナビゲーションに移動検索に移動

ヒコビアミニレター No. 403 (2012年7月4日)

2012年6月17日の第526回植物観察会は神石郡神石高原町の帝釈峡で行われた.スコラ高原駐車場に10時30分集合.参加者51名.天気予報では雨天ではないかと危ぶまれたが,当日は好天であった.帝釈峡は神石高原に刻み込まれた渓谷である.駐車場から北方に向かう遊歩道を進み,渓谷に下りるコースをとる.高原面の植生はアカマツやコナラの二次林,ヒノキ植林,耕作地や路傍の雑草群落であり,どこにでも見られるようなものであるが,イタチササゲやヒレアザミ(赤花と白花)が見られるなど珍しい植物にも出会った.エドヒガン,ヤマウコギ,ミヤマウグイスカグラ,ウグイスカグラ,アサダ,ミツバウツギ,ハナイカダなどを観察する.予想通り,ヒサカキは1本も見なかった.峡谷に下る地点の休憩所で昼食.休憩所周辺にヒゴスミレが沢山見られた.峡谷を下る道筋の植生は高原面とは一変して渓谷林となり,ケヤキやイヌシデ,オニイタヤ,チドリノキ,ケグワ,ミツデカエデ,コクサギ,ヨコグラノキ,サワシバ,ウリノキ,キビノナワシロイチゴ,カノツメソウ,ヤマジオウ,スハマソウ,オニシバリなど植物相は豊富である.露岩地ではチョウセンヒメツゲやイワツクバネウツギ,イワシデなどが僅かに見られる.谷底に達したところに養魚場があり,そこから上流に向かう.マタタビ,オオツヅラフジ,ヤマトレンギョウ,ミヤマイラクサ,ジンジソウ,アズマスゲ,コタニワタリ,ウワバミソウなどを観察し,川沿いでカワセミとカワガラスに出会うなど,自然を満喫しながら雄橋まで行き,そこから元来た道を引き返した.

(G. Toyohara 記)

デジタル自然史博物館 / 広島大学 / 宮島自然植物実験所 / 植物観察会のトップ / 過去のヒコビアミニレター / 古いNews | 植物 にもどる