植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter377
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ヒコビアミニレター No. 377 (2010年10月5日)
2010年9月26日の2日目の植物観察会は島根県飯南町佐見の琴引山(1013.4 m)で行われた.参加者14名.天気は曇り,雨が心配されたが過ごしやすい一日であった.2日目の案内は久保・上村.8:40出発,前日の宿泊先である琴引ビレッジ前で三瓶山を背に記念撮影.関先生・吉野さんらが所要で帰広.琴引山は弥山とも呼ばれ,出雲国風土記の「飯石郡の山」の条に記載されている信仰の山.山頂部には岩屋があり,出雲大社の主祭神である大国主命が琴を弾いた伝承が残されている.現在,山の北西側は琴引スキー場,南東側は前日訪れた県民の森として整備されている.今回はスキー場(550 m)から登り始める.スキー場は一面がススキ草原,オトギリソウ,ゲイホクアザミ(以前はヒメアザミと呼ばれた),アメリカセンダングサ,オオエノコログサ(アワとエノコログサの雑種),カワラケツメイ,ヒメムカシヨモギ,ブタナなどの草原植物や帰化植物が多く見られた.程なくしてスギ・ヒノキの植林地に入る.山頂部まで植林は続き,谷筋を登る.コナラ,クロモジ,コシアブラ,ツノハシバミ,トチノキなど二次林の要素が強い.途中,十畳岩と呼ばれる沢が開けた場所で休憩.このあたりではアケボノソウ(花),ミズキ,ミズタビラコ,ボタンネコノメソウなど湿潤な環境を好む植物が多い.675 m付近でミズナラを発見.林床にはアキチョウジ(花),キバナアキギリ(花),クロイチゴ(果),コアジサイ,サンインヒキオコシ(花),ミヤマカタバミなどがあり,ハイイヌガヤやチャボガヤなどの日本海側要素の植物を見ることができた.山頂付近は自然に近い状態で残されており,イワガラミ,オオカニコウモリ(花)やヤマシャクヤクなどのブナ帯の植物は散見されたが,ブナは確認できなかった.山頂は360度見渡すことができ,大万木山や三瓶山などを確認することができた.昼食後,一路来た道を引き返し,1:30下山.
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