植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter323
提供: 広島大学デジタル博物館
ナビゲーションに移動検索に移動ヒコビアミニレター No. 323 (2006年10月31日)
2006年10月22日の第448回植物観察会は,先月台風のため中止した奥三段峡において行われた.深入山いこいの村の駐車場に10時集合後,奥三段峡の入口まで車で移動.参加者は51名.もみじには少し早い時期であったが,ハウチワカエデが他の樹木に先駆けて紅く色づいていた.イロハモミジはまだ緑を保っているが,少し赤黒く色づいていた.もみじとは植物の葉が秋に色づく現象を指し,黄葉,紅葉および褐葉の3種類ある.いずれも老化現象の現れであるが,そのうち紅葉だけは植物の生活に役立っているようである.葉緑素は低温で紫外線により分解しやすくなる.イロハモミジの葉が赤黒く見えるのは,葉緑素を少し分解してアントシアン(紅い色素)を合成して紫外線を防ぐフィルタ-の役をするようであり,そのことにより2週間位,光合成期間を長引かせているようである.少しでも長く葉に働いてもらいたいと言うことらしい.よく見ると日当たりの良い枝の葉が赤黒くなっている.紅くなってしまった時点では,葉緑素が殆ど残っていないので植物に役立つ働きはなく,もみじ狩りで私たちを楽しませてくれている.
(G. Toyohara 記)
旧サイトは,743件のアクセスがありました.
デジタル自然史博物館 / 広島大学 / 宮島自然植物実験所 / 植物観察会のトップ / 過去のヒコビアミニレター / 古いNews | 植物 にもどる