東広島キャンパスの遺跡/鴻の巣遺跡/縄文時代の遺構と遺物
提供: 広島大学デジタル博物館
ナビゲーションに移動検索に移動広島大学 > 広島大学デジタル博物館 > 文化財博物館 > 東広島キャンパスの遺跡 > 鴻の巣遺跡 > 縄文時代の遺構と遺物
縄文時代の遺構と遺物
縄文時代の遺構・遺物は、調査区西南部および調査区中央部を中心として調査区のほぼ全域で発見されました。調査区西南部では、集石炉1基、炉跡2基、土坑5基が発見され、集落の中心部の一つと考えられます。調査区中央部では土坑11基が発見されましたが、いずれも埋没谷内に位置しており、弥生時代の土坑も混在しているものと考えられます。調査区西南部および中央部の遺構は縄文時代早期(約8000年前)に位置付けられます。 調査区東部では、土坑3基が見つかっています。これらの土坑の時期ははっきりしませんが、隣接地の予備調査では縄文時代後期(約3500年前)の遺構(土坑)や遺物が出土していることから、同じ時期と思われます。
集石炉(縄文時代)
調査区中央部で発見された集石炉で、拳大から人頭大の礫を利用して方形に組んだ石組炉の一種です。まず、炉を築く部分に大きな穴を掘ってその中央に炉の床となる大型の平らな石を置きます。次にその周囲に一回り小型で厚みのある角礫を積んで炉の壁を築いています。最後に土で埋め戻して完成です。炉の規模は1辺約50cmです。見つかった時には南側は壁がありませんでしたが、灰などを掻き出すために当初から造らなかったのかもしれません。九州地方や関東地方などで発見例が多く、縄文時代早期(約8000年前)を中心に利用された型式です。 この他に縄文時代の遺構としては、調査西南部で、炉跡2基、土坑5基、調査区中央部で土坑11基、調査区東部で土坑3基が発見されていますが、調査区中央部の土坑は弥生時代のものが含まれている可能性があります。