広島県の主要遺跡/帝釈寄倉岩陰遺跡

提供: 広島大学デジタル博物館
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帝釈寄倉岩陰遺跡(比婆郡東城町)

帝釈寄倉岩陰遺跡は上帝釈地域の中核的な遺跡のひとつで、1963年から4回に及ぶ発掘調査が実施されています。13枚の自然堆積層が確認されており、縄文時代早期末以降の縄文時代のほぼ全期間にわたって生活が営まれていたことがわかっています。遺跡の面積は帝釈峡遺跡群の中でも最大規模で、出土遺物の量から見ても縄文時代のほぼ全期間にわたって拠点的な集落であったことがわかります。

発見された遺構の中でとくに注目されるのは、縄文時代後期末とされている埋葬人骨群です。岩壁南寄りの2ヶ所に人骨が集積された状態で発見されました。全部で46体分の人骨が確認されていますが、北側の集中部は未調査区(保存区)へ広がっていることから、全体では50体以上の人骨が埋葬されているものと思われます。人骨は意図的に集められた状況を示しており、改葬あるいは二次葬と考えられます。規模の点から見て周辺の集落を含めた合同の埋葬かもしれません。なお、人骨に伴って石剣の柄頭が出土しています。