ホンドタヌキ
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ホンドタヌキ Nyctereutes procyonoides viverrinus
分類
動物界 Animalia > 脊索動物門 Chordata > 脊椎動物亜門 Vertebrata > 哺乳綱 Mammalia > ネコ目(食肉目) Carnivora > イヌ科 Canidae > タヌキ Nyctereutes procyonoides > ホンドタヌキ Nyctereutes procyonoides viverrinus
解説
- 本州・四国・九州に分布する,タヌキ Nyctereutes procyonoides の日本産亜種.
- 広島県では,本土側全域の他,宮島や倉橋島,蒲刈島,大崎上島・下島,佐木島,向島,田島などの島にも棲んでいる.
- 単独または数頭の家族群で暮らし,縄張りの中には共同の「ため糞(ふん)」場がいくつかあり,においによる個体間の情報交換の場や,家族集団の縄張りを示す目印となっているらしい.
- 本来は夜行性で,巣穴らしい巣穴をもたず,昼間は木の根元の洞(うろ)や岩陰で寝ていて,夜になると動き出す.
- 繁殖は,2月に交尾,妊娠60日前後,出産は4~6月で子は2~6頭.1年で成熟する.
- 寿命は野生で6~7年,飼育下で約13年.
- ずんぐりとした体形で大きな尾と目の周りに黒い模様をもつ.アナグマには体色,体形ともよく似ている.方言でアナグマと混同されて「むじな」と呼ばれていた.
- 本種は足が細く真っ直ぐ立つが,アナグマは手首足首を折り曲げて歩く.本種の耳は頭頂にあり,アナグマは顔の横に小さくついている.本種はイヌ科なので足指は4本で,アナグマはイタチ科なので足指は5本ある.
- 1960年代くらいまでは,えり巻きなどの毛皮にするための狩猟獣であったが,近年は利用価値が下がりあまり捕らえられない.そのため増加傾向にあり,人里近くで作物や残飯目当てに出没して目撃され,話題になることが増えている.
- Mammal Species of the World, 3rd edition (MSW3)では,タヌキ Nyctereutes procyonoides は5亜種としており,北海道に分布するエゾタヌキ Nyctereutes procyonoides albus を本亜種のシノニムとして扱っている.
天然記念物・RDB
- 狩猟獣
慣用名・英名・広島県方言
慣用名
- タヌキ
- ニホンタヌキ
英名
- raccoon dog
広島県方言
- まみ
- まみだぬき
- むじな(アナグマと混同)
備考
参考文献
- 阿部永, 石井信夫, 伊藤徹魯, 金子之史, 前田喜四雄, 三浦慎悟, 米田政明. 2008. 日本の哺乳類, 改定2版. 206 pp. 東海大学出版会, 秦野.
- 広島哺乳類談話会(編). 2000. 広島県の哺乳類. 169 pp. 中国新聞社, 広島.
インターネットリソース
- Mammal Species of the World, 3rd edition (MSW3) https://www.departments.bucknell.edu/biology/resources/msw3/
- 日本のレッドデータ検索システム http://jpnrdb.com/index.html
更新履歴
- 2017.06.28 ページ作成.
- 2018.02.21 参考文献・インターネットリソースの追加.
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