マルバノキ

提供: 広島大学デジタル博物館
ベニマンサクから転送)
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マルバノキ(ベニマンサク)(広島県廿日市市大野 権現山; 撮影: 垰田 宏, Oct. 19, 2008)
マルバノキ(ベニマンサク)の冬芽(東広島植物園; 撮影: 池田誠慈, Feb. 22, 2017)

マルバノキ(ベニマンサク) Disanthus cercidifolius Maxim.

シノニム

その他

分類

維管束植物門 Tracheophyta > 種子植物亜門 Spermatophytina > 被子植物上綱 Angiospermae > モクレン綱 Magnoliopsida > ユキノシタ上目 Saxifraganae > ユキノシタ目 Saxifragales > マンサク科 Hamamelidaceae > マルバノキ属 Disanthus

旧分類

種子植物門 Spermatophyta > 被子植物亜門 Angiospermae > 双子葉植物綱 Dicotyledoneae > マンサク科 Hamamelidaceae > マルバノキ属 Disanthus

解説

  • マンサク科 Hamamelidaceae マルバノキ属 Disanthus Maxim. の高さ2-4 m程度になる落葉低木.
  • 植物体は全体がほぼ無毛.
  • 葉は全縁で,ハート形(円心形).掌状脈をもつ.
  • 托葉は早く落ちる.
  • 萼の基部に苞葉が2枚あり,軟毛が密生する.
  • 秋に紅葉し,同じ時期に開花する.
  • 花は紅色,両生花で,直径1 cmほどの2つの花が背中合わせにつく.花はドクダミ臭がする.花弁は5枚.花柱は太短で2裂する.
  • 種子は,冬期に寒さにあってはじめて発芽する.
  • 中国大陸中部に変種のvar. longipes T.H.Changが分布する.
  • 最終氷期の残存種relict species(遺存種とも呼ばれ,かつては広い範囲に分布していたが,現在では限られた地域でしか見られない種)と考えられる.
  • 昭和7年(1932),警固屋在住の平川一秋氏(広島山岳会会員)により大野村帆柱峠(現在大野町自然観察の森の駐車場付近)で採集され,広島大学教育学部の佐藤月ニ先生によりマルバノキと確認.それまで、 本州中部,近畿の一部と高知県にしか知られていなかったので,広島県の飛び離れた分布は画期的な発見であった.
  • 環境省RL(2007)では指定されていないが,広島県RDB(2003)では準絶滅危惧に指定.園芸店ではよく売られている.
  • 属名のDisanthusはギリシャ語のdi(dis) 「二重の」,anthos「花」から.
  • 種小名はハナズオウ属Cercisの葉に似たという意味.
  • 昭和12年(1937)に広島県の天然記念物「ベニマンサク群落(ベニマンサク軍叢)」に指定.

花期

  • 花期は10-11月.

分布・産地・天然記念物

分布

  • 中部以西の本州(富山,長野,岐阜,愛知,三重,滋賀,岡山,広島),四国(高知)の日当たりのよい岩地や,日当たりのよい山地の谷間や湖畔に生育する.
  • 広島県では,大野町の自然観察の森や渡瀬ダム湖の周辺(佐伯町の一部を含む)に分布し,個体数は多く,生育も良好である.渓谷に沿ったやや湿った森林の林縁部に多い.

産地

天然記念物

  • 県天「ベニマンサク群叢」(大野町・佐伯町)

標本

  • 大野町自然観察の森(yy-5181),佐伯町渡瀬ダム湖(ts-911025)

慣用名・英名・広島県方言

慣用名

英名

広島県方言

備考

  • 広島県RDBカテゴリ: 準絶滅危惧(NT)
  • 環境庁コード: 22530
  • 県RDB

文献(出典)


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