マルバノキ
提供: 広島大学デジタル博物館
(ベニマンサクから転送)
ナビゲーションに移動検索に移動広島大学 > 広島大学デジタルミュージアム > デジタル自然史博物館 > 植物メインページ > 郷土の植物 > 維管束植物 > マルバノキ | 広島県の植物図鑑 / 和名順
マルバノキ(ベニマンサク) Disanthus cercidifolius Maxim.
シノニム
その他
分類
維管束植物門 Tracheophyta > 種子植物亜門 Spermatophytina > 被子植物上綱 Angiospermae > モクレン綱 Magnoliopsida > ユキノシタ上目 Saxifraganae > ユキノシタ目 Saxifragales > マンサク科 Hamamelidaceae > マルバノキ属 Disanthus
旧分類
種子植物門 Spermatophyta > 被子植物亜門 Angiospermae > 双子葉植物綱 Dicotyledoneae > マンサク科 Hamamelidaceae > マルバノキ属 Disanthus
解説
- マンサク科 Hamamelidaceae マルバノキ属 Disanthus Maxim. の高さ2-4 m程度になる落葉低木.
- 植物体は全体がほぼ無毛.
- 葉は全縁で,ハート形(円心形).掌状脈をもつ.
- 托葉は早く落ちる.
- 萼の基部に苞葉が2枚あり,軟毛が密生する.
- 秋に紅葉し,同じ時期に開花する.
- 花は紅色,両生花で,直径1 cmほどの2つの花が背中合わせにつく.花はドクダミ臭がする.花弁は5枚.花柱は太短で2裂する.
- 種子は,冬期に寒さにあってはじめて発芽する.
- 中国大陸中部に変種のvar. longipes T.H.Changが分布する.
- 最終氷期の残存種relict species(遺存種とも呼ばれ,かつては広い範囲に分布していたが,現在では限られた地域でしか見られない種)と考えられる.
- 昭和7年(1932),警固屋在住の平川一秋氏(広島山岳会会員)により大野村帆柱峠(現在大野町自然観察の森の駐車場付近)で採集され,広島大学教育学部の佐藤月ニ先生によりマルバノキと確認.それまで、 本州中部,近畿の一部と高知県にしか知られていなかったので,広島県の飛び離れた分布は画期的な発見であった.
- 環境省RL(2007)では指定されていないが,広島県RDB(2003)では準絶滅危惧に指定.園芸店ではよく売られている.
- 属名のDisanthusはギリシャ語のdi(dis) 「二重の」,anthos「花」から.
- 種小名はハナズオウ属Cercisの葉に似たという意味.
- 昭和12年(1937)に広島県の天然記念物「ベニマンサク群落(ベニマンサク軍叢)」に指定.
花期
- 花期は10-11月.
分布・産地・天然記念物
分布
- 中部以西の本州(富山,長野,岐阜,愛知,三重,滋賀,岡山,広島),四国(高知)の日当たりのよい岩地や,日当たりのよい山地の谷間や湖畔に生育する.
- 広島県では,大野町の自然観察の森や渡瀬ダム湖の周辺(佐伯町の一部を含む)に分布し,個体数は多く,生育も良好である.渓谷に沿ったやや湿った森林の林縁部に多い.
産地
天然記念物
- 県天「ベニマンサク群叢」(大野町・佐伯町)
標本
- 大野町自然観察の森(yy-5181),佐伯町渡瀬ダム湖(ts-911025)
慣用名・英名・広島県方言
慣用名
英名
広島県方言
備考
- 広島県RDBカテゴリ: 準絶滅危惧(NT)
- 環境庁コード: 22530
- 県RDB
文献(出典)
- 佐藤(1932),広島県(1933),牧野(1934),井波(1981),土井(1983),広島県(1995),広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会(1997)
広島大学 > 広島大学デジタルミュージアム > デジタル自然史博物館 > 植物メインページ > 郷土の植物 > 維管束植物 > マルバノキ | 広島県の植物図鑑 / 和名順