ソテツ
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ソテツ Cycas revoluta Thunb.
シノニム
分類
維管束植物門 Tracheophyta > 種子植物亜門 Spermatophytina > 裸子植物上綱 Gymnospermae > ソテツ綱 Cycadopsida > ソテツ亜綱 Cycadidae > ソテツ目 Cycadales > ソテツ科 Cycadaceae > ソテツ属 Cycas
旧分類
種子植物門 Spermatophyta > 裸子植物亜門 Gymnospermae > ソテツ科 Cycadaceae > ソテツ属 Cycas
解説
- 常緑亜高木.
- 雌雄異株.
- 幹は太く,あまり分枝しない.根元から新たな幹が生じ株立ちになることが多い.樹皮には葉跡が残る.
- 葉は羽状複葉で,0.5-数 m.先幹の先に輪生してまとまる.若い葉は毛があるが,成葉になると毛は脱落する.小葉は互生し,片側25片以上あり,先端は鋭く尖る.葉柄部分ではトゲになる.
- 根には藍藻類(シアノバクテリア)が共生した根粒があり,窒素固定能がある.
- 種子は成熟すると種皮外層(外種皮)が白色を帯びたオレンジ色から朱色になる.さらに成熟して乾燥すると種皮外層が裂け,その内側にイチョウのギンナンを大きくしたような種子が現れる.
花期
- 広島県内では開花するが,種子は成熟しない.
分布・産地・天然記念物
- 日本列島の南部の暖地に自生
- 広島県内では沿岸部,島嶼部に植栽される.
- 宮島の砂浜に枝が漂着して一時的に生育していた(関ほか 1975).
- 高知県庁前の駐車場に大きな株があり,よく種子をつける.
天然記念物
- 県天「鹿川のソテツ」(能美町,県内最大,幹囲6.2 m)
- 県天「川尻のソテツ」(川尻町)
- 県天「安国寺のソテツ」(福山市)
- 廿日市市天「ソテツ」
- 呉市天「広青年教育センターのソテツ」
- 大崎町天「ソテツ」
- 因島市天「明徳寺のソテツ」
標本
慣用名・英名・広島県方言
慣用名
- 蘇鉄
英名
- sago cycad
- sago palm
- king sago palm
広島県方言
備考
- 環境庁コード: 08720
- 植栽・逸出
- 園芸や観賞用に植栽する.
- 種子は台湾などの海外へ輸出される.
- 有毒であるが,九州や沖縄では救荒植物として利用された.
- ソテツに精子があることを池野成一郎博士(当時,農科大学(農学部)助教授)が発見した.JPRの明治29年11月20日刊行の植物学雑誌第119号に掲載.(長田; 加藤)
文献(出典)
- 広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会(編). 1997. 広島県植物誌. pp. 832. 中国新聞社, 広島.
- 堀川・鈴木 1963
- 関ほか 1975
- 鈴木 1972
- 鈴木 1985b
- 長田敏行. ソテツの精子の発見. http://bsj.or.jp/JPR/icho.html
- 加藤雅啓. 精子発見とその意義. In 大場秀章(編), 日本植物研究の歴史, 小石川植物園300年の歩み. http://www.um.u-tokyo.ac.jp/publish_db/1996Koishikawa300/03/0300.html
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