コバノミツバツツジ 宮島の植物と自然

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コバノミツバツツジ(広島県廿日市市宮島; 撮影: 坪田博美; April 3, 2023)
コバノミツバツツジの展葉(広島県廿日市市宮島町; 撮影: 坪田博美, April 26, 2004)

コバノミツバツツジ Rhododendron reticulatum D.Don ex G.Don

分類

ツツジ科 Ericaceae,ツツジ属 Rhododendron

解説

 高さ2-3 mになる落葉低木.日陰では4 mに達するものもある.葉は開花のころ展開し始め,枝の先端では葉が3つで組みになるのが普通.宮島での花期は3月下旬-5月下旬.花は赤紫色で,雄しべは長短それぞれ5本ずつの合計10本あり,雄しべの先端には葯(やく)(花粉の入った袋)が2つある.開花すると昆虫がよく訪れ,花粉が付着する.電子顕微鏡で観察すると,花粉は正四面体型(テトラポッド型)で,それぞれの花粉が糸状の構造でつながっている.このため,昆虫に一度付着すると,次々と花粉が連なって出てくるような仕組みになっている.属名のRhododendronはrhodon(バラ,バラの様な,元々はケルト語のrhodd「赤色」に由来)とdendron(木,樹木)からなり,「(バラの様な)赤色の木」という意味である.広島県では比較的日当たりの良いアカマツ林の林床などで多く見られるが,近年里山の放置に伴う森林植生の遷移の進行とともに減少傾向にある.宮島でも,松枯れの進行とともに生育立地が減少し,以前よりも個体数が減少する傾向にある.

「宮島の植物と自然」内のページ

「宮島の植物と自然」(広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所 2009)内で掲載されているページ.

  • 34-35 pp.

文献(引用)

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