カエデの仲間 宮島の植物と自然
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カエデの仲間
宮島とカエデ類
宮島のお土産のひとつ「もみじまんじゅう」は,イロハモミジなどのカエデ類の葉の形をかたどったもので,宮島のシンボルになっています.また,カエデ類の総称(そうしょう)であるモミジは広島県の県木・県花になっています.
宮島で観察できるカエデ類には,イロハモミジ Acer palmatum Thunb., オオモミジ Acer amoenum Carrière var. amoenum,ウリハダカエデ Acer rufinerve Siebold & Zucc.,トウカエデ Acer buergerianum Miq. などがあります.しかし実際には自生しているものは少なく,紅葉谷公園(もみじだにこうえん)や大元公園(おおもとこうえん)のカエデ類はほとんどが植裁(しょくさい)されたものです.例えば,紅葉谷ではオオモミジの変種にあたるヤマモミジ Acer amoenum var. matsumurae (Koidz.) K.Ogata が多く確認できますが,ヤマモミジは本来日本海側に分布する植物です.また,イロハモミジも一年中赤い品種があったり,隣り合う個体であっても,紅葉の時期が大きく異なったりします.紅葉谷公園で見られるトウカエデは台湾から中国が原産です.このことからも宮島のカエデ類の多くが植裁されたものであることが分かります.
紅葉ともみじ
紅葉は「もみじ」とも読むように,イロハモミジやヤマモミジ,トウカエデなどカエデ類の多くは赤くなりますが,黄色くなるカエデ類も存在します.同じ種でも生育状況や生育環境,時期によって色が変化します.例えば,ウリハダカエデなどでは日当たりが良い場所では赤くなりますが,日陰では黄色が強くなります.また,個体や品種の差もあります.例えば,イロハモミジの中には,一年中赤い品種もあります.
カエデ類
日本には多くのカエデ類があります.カエデ類の特徴は,葉が対生(たいせい)すること,果実に翼(よく)があることです.種によって葉の大きさや切れ込みの数や深さ,鋸歯(きょし)の状態,果実の大きさや翼の角度が異なっています.秋は紅葉だけでなく果実が観察できる時期なので,実際に手にとって観察してみましょう.
種名 | 冊子中のページ数 |
---|---|
ウリハダカエデ | 116-117 pp. |
「宮島の植物と自然」内のページ
「宮島の植物と自然」(広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所 2009)内で掲載されているページ.
- 114-117 pp.
文献(引用)
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