イヌザンショウ 宮島の植物と自然
提供: 広島大学デジタル博物館
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イヌザンショウ Zanthoxylum schinifolium Siebold & Zucc.
分類
ミカン科 Rutaceae,サンショウ属 Zanthoxylum
解説
高さ1-3 mになる落葉低木.枝に刺があり互生.葉も互生で,奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう),宮島の個体は小葉(しょうよう)がやや少なく11-17枚程度ある.葉軸の上面に稜(りょう)があり,下面に小さな刺があることが多い.小葉は無毛で,縁には細かい鋸歯(きょし)があり,腺体(せんたい)がある.葉を裏面から見ると油点(ゆてん)が見える.花期は8月上旬-9月下旬.雌雄異株で,枝先に緑白色の小さい花を多数つける.11月に果実が成熟する.果実は3個の分果(ぶんか)からなり,果皮(かひ)の表面には多数の油点がある.完熟するとやや楕円状の球形の黒色でつやのある種子があらわれる.本州,四国,九州,朝鮮半島,中国に分布する.宮島では道端や崩壊地,伐採跡地などの攪乱(かくらん)のあった場所で見られることが多い.種子の寿命が長く,次の攪乱まで待つと考えられる.シカは葉の一部だけ食べることがあるが,サンショウの場合のように枯死するほどではない.葉で見られる油点はミカン科に共通.和名はサンショウに比べて香りが劣ることから.サンショウは刺が対生であることで区別ができる.
「宮島の植物と自然」内のページ
「宮島の植物と自然」(広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所 2009)内で掲載されているページ.
- 100-101 pp.
文献(引用)
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