じつは菌類と植物が共生生活することによって独特の形と色彩をもった共生体なのです.生物の分類では,動物でもなく植物でもない,菌類の仲間として取り扱われています.しかし,これまで植物の仲間とされてきたために植物として便宜的に扱われています.地衣のからだをつくっている菌類としては,子嚢菌類と担子菌類が関係しますが,大部分(98%以上)の場合は子嚢菌類です.藻類はほとんどが単細胞の緑藻で,一部は糸状のシアノバクテリア(あるいは藍藻とも呼ばれる)です.緑藻と共生している場合は,地衣のからだはぬれると緑っぽい色合いを呈し,シアノバクテリアの場合はくすんだ藍色を呈します.共生する緑藻のことをフォトビオントと,菌のことをマイコビオントと呼ばれます.