ヒコビアミニレターNo.352(2009年4月3日) 晴 |
2009年3月29日の第477回植物観察会は福山市加茂町誌四川ダムから大谷池において行われた。参加者は62名。このダムは堤高58.9mの重力式コンクリートダムで,広島県が建設し2004年に完成した。ダムの規模が小さかったため,工事前に生物相の調査は行われなかったようである。会の始めに本会のメンバーである呉市の太刀掛優氏が日本植物分類学会賞を受賞されたことが紹介された。 ダム付近ではシロイヌナズナ,オオイヌノフグリ,ホトケノザ,オランダミミナグサ,セイヨウタンポポ,クサイチゴなどの花を見る。谷沿いの道になるとヤマブキ,キランソウ,ナガバタチツボスミレなどの花が目に付く。ヤブサンザシとアオキの花が多いのが印象的であった。道沿いにはユキワリイチゲが2株見られた。なお道路からはずれた谷沿いにはユキワリイチゲが多数生育していた。 明るい道沿いにはアオイスミレ(ケマルバスミレは誤りでした)やヒメオドリコソウの花,フユザンショウの赤い果実,ハタザオなどが見られた。 午後は大谷池沿いの道際でノグルミの果実やナラガシワ,タラノキなどを見る。ダンコウバイ,ミヤマウグイスカグラ,キブシ,シュンラン,フキ,アセビなどの花が見られた。また,崖の上にハコネシダの群生が見られた。県内では少ないシダ植物である。同じ道を引き返したが,ユキワリイチゲの自生地付近でエビガラシダ,ヒメウラジロ,コガネシダなどのシダ植物を確認することができた。(Y. Yoshino記) |