ヒコビアミニレターNo.350(2009年1月25日) |
2009年1月25日の第475回植物観察会は呉市大崎下島の久比から桂峰(365m)において行われた。バスは広島駅を8時に出発。仁方から安芸灘大橋,蒲刈大橋,豊島大橋,豊浜大橋を順に渡り,10時前に大崎下島の久比に着く。35名の参加があった。この島では1989年2月に観察会を行っているが,1泊2日の行程であった。架橋のおかげで随分便利になった。
この付近の地質は芸予層といわれる堆積岩類で,これまでは古生層とか中・古生層と言われていた地層である。集落を南に向けて歩く。校庭のすみにブラジル原産のジャカランダ(ノウゼンカズラ科)が植えられていた。葉は一見するとシダ植物のように見える。
島は大長ミカンに代表される柑橘類の一大生産地で,耕作地や斜面に多くのミカン畑が見られた。値のはるデコポンには1つ1つに黒いネットが掛けられていた。道端や石垣,空き地などでヤブチョロギ,カロライナアオイゴケ,アメリカフウロ,コゴメギク,トゲミノキツネノボタン,ノボロギクなどの外来植物を見る。谷沿いにはカクレミノ,シロダモ,ネズミモチ,ヤブツバキ,イズセンリョウ,シラカシなどの常緑樹が見られ,コナラノグルミ,アベマキなども確認できた。ミカン畑の中の急な坂を登り,海抜230m付近から山に入る。境界にはイノシシよけの金網が張られており,脚立を使って乗り越える。イヌビワ,ムベ,ヤマモモ,リョウブ,クロキ,モチノキ,カゴノキ,アラカシなどを見る。尾根筋には比較的よく発達した落葉樹と常緑樹の混交林が見られた。多くの個体が萌芽状であり,過去に伐採されたことが判る。330m付近でサツマスゲらしきものを見る。山頂で昼食。その後,山頂北側斜面で植生調査を行ったが,林床部に植物が少ないのが印象的であった。15時に集合場所に戻り,現地にて解散した。
(Y. Yoshino記)
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