2008年4月20日の第466回植物観察会は広島市佐伯区東郷山(977.4m)で行なわれた。湯来町の「親とこどものふれあいの森公園」駐車場に9:00 集合し参加者は47名、標高差が大きいため、ゆっくり歩くことが説明された。春たけなわの水田地帯に入るとカキドオシ、ホトケノザの色鮮やかな大群落とキランソウ、ムラサキサギゴケ等の紫系の花、ナズナ、タネツケバナの白花に、イヌナズナ、フウロケマン、セイヨウタンポポの黄色い花が目立つ。林道に入ると、渓畔のコウヤミズキの花がほぼ終わり、ナガバモミジイチゴが咲き出したところ、アオキの花はつぼみで、赤い果実が葉に隠れている。ヒノキ林床のヒガンマムシグサが見頃、林道沿いにはショウジョウバカマ、ナガバタチツボスミレ、ニシキゴロモの花、オオミズゴケ、オオシラガゴケが目立ち、岩上にはヤマグルマの若木も多い。ウリハダカエデは若葉と花。ヒノキの花が手の届く高さにあり、雄花は花粉が飛んだ直後、雌花には珠孔液が見える。標高530mからの山道はスギ林とアカマツ二次林の間の谷間、路傍にショウジョウバカマが多く、コセイタカスギゴケの群落も見られた。急坂の尾根を登り、送電線の巡視路を歩くとタムシバの花が終わり頃、シハイスミレとタチツボスミレが日なたと林床に住み分け、シキミとクロモジは満開、山頂近くではアセビがちょうど、コバノミツバツツジとカナクギノキはつぼみ。山頂の北側斜面には立派なブナ林があり花芽が大きく膨らんでいる、花の量では豊作らしい。午後は往路を引き返し、山麓部で緩やかな尾根を横切る、ここには背の高いアカマツ林があり、コバノミツバツツジが良く似合う。イヌシデの花、ムラサキケマン、ミツバツチグリなど往路では見なかった花に出会う。 (H. Taoda 記)
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