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ヒコビアミニレター No. 339 (2008年2月27日)
2008年2月17日の第464回植物観察会は呉市安浦町女子畑茂助山(434m)周辺で行なわれた。野路東小学校に10:00集合、参加者42名、曇り空に雪が舞う寒さであった。山麓までの自動車道では植物の冬越しを観察する。ナズナ、スイバ、ノアザミ、オオアレチノギク、ノゲシなどがロゼット葉を地面に密着させている。ナズナ、タネツケバナが咲きはじめ、一度咲いたシロバナタンポポ、、ホトケノザの花が閉じ、ヤクシソウの残り花があった。山麓の椎森大歳神社で常緑樹を見る、名のとおりツブラジイが多く、シリブカガシ、ツクバネガシ、モミ、モッコク、ソヨゴ、アセビが見られる。標高180mあたりから、マツ枯れ被害を受けたアカマツ林に入る。ウラジロやコシダにおおわれた土壌は薄くて保水が低く、廃道のあちこちでぬかるみとなっている。ヤブツバキ、ネズミモチ、ヒサカキ、カクレミノ、カナメモチなど樹高の低い樹に混じり、果実を付けたノグルミが目立つ、ヤマモモも多いが植栽起源かもしれない。ギンリョウソウモドキ、クロバイがあったそうである。黒瀬町へ抜ける峠から茂助山山頂へは道がないため東側の小山(392m)に登り、瀬戸内海を眺めながら昼食。送電線の巡視道をたどって、南西に下る。歩きやすい道だが、植生は単調。山麓の畑の周囲はイノシシよけの柵が張り巡らされている。車道沿いにウラジロガシ、シリブカガシ、カナメモチ、クロキが樹林を作り、林床にはテイカカズラとイタビカズラが目立つ。法面にミズスギが胞子嚢穂を出していた。(H. Taoda 記)