2007年8月19日の第458回植物観察会は庄原市西城町の比婆山で行なわれた。滞在中の関西菌類談話会メンバーの飛び入りもあり、参加者は53名。予定から30分遅れで六ノ原の県民の森駐車場(800m)を出発、東尾根沿いに御陵へ向う。たたら製鉄跡の広場からハリギリの花がよく見える。登山道は高齢のヒノキ人工林の中、樹木が少ないが草本や低木が多い。コバノフユイチゴの赤い実、カノツメソウの白い花が目立つ。林床を這うクロタキカズラ、低木のウリノキが若い実を着けていた。草本ではサンインヒキオコシ、オトギリソウ、キンミズヒキ、ガンクビソウが咲き、キバナアキギリはまだ。若いヒノキ林を過ぎ、標高1000mを超えるとミズナラ二次林。ムシカリ、ヤブデマリ、フウリンウメモドキの実が赤くなっていた。約1200mからブナ林、水場もあって一息入れる。トチバニンジンの実が色づき始め、ヤマジノホトトギスは残花、オオカニコウモリは咲き始め、ジンバイソウが満開であった。頂上の御陵(1260m)から越原峠への尾根道は草原時代の名残があり、カワラナデシコ、マルバハギ、ホクチアザミ等の花、コマユミ、ウスノキ、ツノハシバミの実が見られた。峠からの下りはヒノキ林、林床にはヒメモチの若い実、オオモミジガサの残花標高980mから林道となり、ヤマブドウ、サルナシ、ハクウンボク、ニガキ、ナナカマド、ウリハダカエデ、クマシデ、キブシ等、完熟直前の果実が多数見られた。(H.Taoda 記)
|