マルバノキ

提供: 広島大学デジタル博物館
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マルバノキ Disanthus cercidifolius Maxim.

マンサク科 Hamamelidaceae

マルバノキ属 Disanthus Maxim.


解説

マンサク科Hamamelidaceaeマルバノキ属Disanthus Maxim.の高さ2-4 m程度になる落葉低木.植物体は全体がほぼ無毛.葉は全縁で,ハート形(円心形).掌状脈をもつ.托葉は早く落ちる.萼の基部に苞葉が2枚あり,軟毛が密生する.秋に紅葉し,同じ時期に開花する.花期は10-11月.花は紅色,両生花で,直径1 cmほどの2つの花が背中合わせにつく.花はドクダミ臭がする.花弁は5枚.花柱は太短で2裂する.

中部以西の本州(富山,長野,岐阜,愛知,三重,滋賀,岡山,広島),四国(高知)の日当たりのよい岩地や,日当たりのよい山地の谷間や湖畔に生育する.中国大陸中部に変種のvar. longipes T.H.Changが分布する.最終氷期の残存種relict species(遺存種とも呼ばれ,かつては広い範囲に分布していたが,現在では限られた地域でしか見られない種)と考えられる.種子は,冬期に寒さにあってはじめて発芽する.

昭和7年,警固屋在住の平川一秋氏により発見.広島大学教育学部の佐藤月ニ先生によりマルバノキと確認.昭和12年に広島県の天然記念物「ベニマンサク群落(ベニマンサク軍叢)」に指定.

環境省RL(2007)では指定されていないが,広島県RDB(2003)では準絶滅危惧に指定.園芸店ではよく売られている.

属名のDisanthusはギリシャ語のdi(dis) 「二重の」,anthos「花」から.種小名はCercisハナズオウ属の葉に似たという意味.


慣用名

  • ベニマンサク

備考

  • 広島県RDBカテゴリ: 準絶滅危惧(NT)
  • 環境庁コード: 22530
  • 県RDB


文献(出典)

  • 広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会(編). 1997. 広島県植物誌. Pp. 832. 中国新聞社, 広島.