深鉢形土器

提供: 広島大学デジタル博物館
ナビゲーションに移動検索に移動

広島大学 > 広島大学デジタル博物館 > 文化財博物館 > 埋蔵文化財豆辞典

深鉢形土器(ふかばちがたどき)

  • 鉢形土器は底部から口縁部まで直線的に変化する形態で、壺形土器や甕形(かめがた)土器のように頸部(口縁部と胴部の間の大きくくびれた部分)を有

さないものを指している。

  • 鉢形土器のうち器高が高く(深さが深い)、バケツ状の形態を呈するものを深鉢形(ふかばちがた)土器といい、皿状の器高の低い(深さが浅い)ものを浅鉢形(あさばち)土器と呼ぶ。
  • 縄文土器はまず深鉢形土器として出現し、深鉢形土器から浅鉢形土器が分化し、縄文土器の基本的な器形となった。深鉢形土器は煮炊きや貯蔵などに、浅鉢形土器は貯蔵や盛り付けなどに用いられた。煮炊きに用いられた深鉢形土器は粗製であり、浅鉢形土器は入念なつくりをするものが多い。
  • 縄文土器は、地域や時期によって、深鉢形土器、浅鉢形土器のほかにも、壺形土器、注口土器(ちゅうこうどき、やかんのような形をした土器)などが認められる。