水生昆虫とは

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水生昆虫とは

水生昆虫と聞いてまず何を思い浮かべるでしょうか?タガメ?ミズカマキリ?ゲンゴロウ?これらは誰もが知っている代表的な水生昆虫と言えるでしょう.

そもそも「水生昆虫」とはどんな生き物のことを言うのでしょう?水生昆虫とは,「生まれて死ぬまで,またはある時期(幼虫の間だけ)を水中または水面で生活する昆虫」の総称です.

この中には以下のような仲間が含まれています(主要なグループ)

  • 一生水中もしくは水面で過ごす仲間
    • 不完全変態 カメムシ目
    • 完全変態 コウチュウ目(ゲンゴロウ科など)
  • 幼虫期は水中で生活し成虫になると羽化して陸上生活を送るもの
    • 不完全変態 カゲロウ目,カワゲラ目,トンボ目
    • 完全変態(水中で蛹になる) トビケラ目,ハエ目,チョウ目(メイガ科)
    • 完全変態(土中で蛹になる) アミメカゲロウ目,コウチュウ目(ホタル科など)

ただし,カゲロウ目は昆虫で唯一「亜成虫(あせいちゅう)」という特殊な段階をもちます.

タガメ,ミズカマキリはこのうちのカメムシ目の仲間,ゲンゴロウは一生水中で過ごすコウチュウ目の仲間です.

また,皆さんの良く知っている「ゲンジボタル(コウチュウ目)」も幼虫の時期を水の中で過ごす水生昆虫の一員なのです.

しかし,私たち日本人にとっては「ホタルの幼虫は水の中」というのが当たり前のように思えますが,世界中に生息する他のホタルの仲間は,そのほとんどが陸上生活を送っており,水中で過ごすホタルの幼虫は,きわめて珍しい存在のようです.

これらの水生昆虫は,川・湖・池から小さな水たまりまで,水のあるところにはどこにでもすんでいます.特にハエ目ユスリカ科の仲間には,非常に酸性の強い池や温泉など,他の生き物がすめない場所に生息するものもいます.

川虫とは

「川虫(かわむし)」とは,主に「川」にすんでいる水生昆虫です.渓流釣りをする人には「ピンチョロ」「クロカワムシ」などと言った方がなじみあるかもしれませんね.

川のそれぞれの場所では,流れの速さや川底の状態(砂地なのか石底なのか水草が生えているかどうかなど)によって,体型(とくにカゲロウの仲間)や行動,巣の作り方(トビケラの仲間)などがその場所に適した昆虫たちがすんでいます.

例えば体が平べったく,水の流れの影響を受けにくい体つきをした,ヒラタカゲロウの仲間は流れの速い場所の代表選手です.

一方,流れのゆるやかな場所では,落葉や砂粒をうまく使って,いろんな形の巣を作るトビケラの仲間などが住んでいます.

また,川虫は生活の仕方が違えば食べる餌も異なります.川底の石表面に生える小さな植物の仲間(藻類),川底にたまった落葉,他の昆虫を食べるものなど様々です.

また,虫を食べる昆虫も魚などに食べられるので,陸上で見られる「草→シマウマ→ライオン」という「食う・食われる」の関係(食物連鎖,食物網)が見られます.川の中はまさに弱肉強食の世界です.

こうしてみると川は,水が流れているだけの単なる「水路」ではなく, 色々な生きものたちが関わりあって生きている場所なのです.

川虫の仲間の解説

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