植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter512
ヒコビアミニレター No. 512(2020年5月26日)
2020年5月17日に予定されていた第635回植物観察会は,4月に引き続き新型コロナウイルスの影響で中止した.今回は,福山市山野町の猿鳴峡(えんめいきょう)での開催を計画していた.猿鳴峡は福山市の北にあり,山野峡(竜頭滝)とともに「山野峡県立自然公園」に指定されている.猿鳴峡は小田川が準平原面である吉備高原[標高500~600 m]を侵食した,深さ150~300 mの幼年期のV字谷である.一帯の地質は複雑で,二畳紀の粘板岩・石灰岩・緑色岩,三畳紀の礫岩・砂岩・泥岩,白亜紀の高田流紋岩などで構成されている.植物相や植生は石灰岩地域が興味深いが,急峻な岩峰で容易に近づけない. 昨年(2019年)10月23日に猿鳴峡の中心部,ベンチの置いてある所で,簡単な植生の記録をしたので紹介したい.車道と渓谷の間で,細長い5×30 mのスタンドを設定,方位W,傾斜20~60°,海抜290 m.モミの巨樹があり,狭いが自然度の高い植生,地質は石灰岩ではないが不明.
樹高 | 胸高直径 | 植被率 | 優占種 | |
高木層I. | 30 m, | 80 cm, | 100%, | モミ |
---|---|---|---|---|
亜高木層II. | 5 m, | 3 cm, | 50%, | アラカシ |
低木層III. | 1 m, | 1 cm, | 50%, | ハナイカダ |
草本層IV. | 20 cm, | 30%, | ミヤマヨメナ |
I. モミ5.2,イヌシデ・ヤマザクラ[以上1.2],シノブ+・2(モミ着生)
II. アラカシ1.2,ヤブムラサキ・オオバアサガラ・イロハモミジ(植栽?)[以上1.1]
III. ハナイカダ1.2,エゴノキ・ヤブツバキ・モミ・マルバアオダモ・ウリカエデ[以上+・2],ハンショウヅル+
IV. ミヤマヨメナ1.2,イナカギク・フジ・マルバマンネングサ・テイカカズラ・オオバイカイカリソウ・ミゾシダ・コアカソ・キジョラン・トウゲシバ・オオバノイノモトソウ・ウメガサソウ・モミ(芽生え)・ミヤマシキミ[以上+・2]
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