植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter506
ヒコビアミニレターNo. 506(2020年01月08日)
2019年12月15日の第630回観察会は,広島市西区太田川放水路右岸から三滝寺で行われた.天気は晴れ.参加者は38名.10時にJR西広島駅前に集合.新己斐橋から太田川放水路の高水敷におり,はじめに吉野が1925年と1999年の地形図を配布し,太田川放水路について説明した.放水路は1967年に完成したが,関先生は完成前に山手川で動物生態学の実習を受けられたとのことであった.高水敷は道路が整備されており,水辺にはヨシが生育している.その間にハマサジやフクドが観察された.また,少し小高い地点にはオギがあった.ヨシ,オギ,ススキの花の違いや生育環境の違いを観察した.堤防上に見られる河川管理用のキロポストに初めて気が付いた方が多かった.オガルガヤ,メリケンカルカヤ,ヒメツルソバ(花),シオクグ,チガヤ,アレチハナガサ,セイヨウミヤコグサなどを見る.河口から山手橋までは国土交通省が管理し,それより上流は広島市が管理している.広島市が管理している範囲は公園化が進んでおり,植物相は貧弱である.三滝橋付近の高水敷で昼食後,三滝寺に向かう.途中の誓願寺には規模は小さいが,乳下りイチョウが見られる.三滝寺付近から谷が深くなり,ミゾシダ,ホシダ,ベニシダ,ゲジゲジシダなどシダ植物が多くなる.寺の参道沿いにイヌビワ,ヤツデ,ツガ,カクレミノ,ヤブコウジや外来のカタヒバなどを見る.キチジョウソウや果実が黄色いセンリョウが珍しい.境内にはシロヤマブキやツクシシャクナゲ(?)などが植えられていた.鎮守堂がある一角に幽明の滝がある.滝付近の岩場には昭和30年代にはオオイワカガミが多数生育していたとのことであるが(関先生の話),現在は全く見られなくなっている.15時頃に,三滝寺で解散した.
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