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2019年4月7日の第620回植物観察会は,広島市南区似島の下高山で行われた.当初,尾道市摩訶衍山を予定していたが,ちょうど寺の祭日と重なり,車道が閉鎖されるとのことで,やむなく変更した.似島下高山では,1978年3月26日にヒコビア植物採集会が行われ,[[ゲンカイツツジ]]の生育を確認したが,まだ開花していなかった.広島港9:30出港,20分で学園前に着く.参加者52名.好天ではあったが,黄砂のため見晴しは悪かった.海岸の道路を通って大黄へ向かう.路傍から海岸に[[セイヨウカラシナ]]が多く,黄色の花盛り.本種は帰化植物であるが,栽培種の[[カラシナ]]と区別できない.[[イヌムギ]]・[[ヒゲナガスズメノチャヒキ]]・[[ネズミムギ|イタリアンライグラス(ネズミムギ)]]・[[メリケンカルカヤ]]などのイネ科の帰化種に混じって,在来種の[[メガルカヤ]]があった.本種は,近年,少なくなり,山地の崖地や海岸に稀に見られる.[[イモカタバミ]]と[[オオキバナカタバミ]]が美しく咲いていたが,[[ハナカタバミ]]と[[ムラサキカタバミ]]は見かけなかった.大黄で右折して,下高山への車道を登る.あまり手入れのよくない果樹園には[[クサイチゴ]]が群生して,白い花が一面に咲いて美しい.車道から分かれて常緑樹林の残る谷あいの道を登る.[[カクレミノ]]の大木が多く,樹液が出ている.韓国では,この樹液を家具などの塗装に使うそうである.林下には[[イノデ]]が多く,[[ベニシダ]]・[[オニカナワラビ]]・[[ヤブラン]]などがあり,[[コクラン]]が群生しているところがあった.1978年の記録にも[[コクラン]]があり,同じ場所であろうか.再び果樹園に出る.[[ユリズイセン|アルストロメリア]]・[[アガパンサス]]([[ナツズイセン]]と紙に書いたのは誤り)・[[スイセン]]などがあり,量が多いので商業的に栽培していた名残であろう.海抜50 mで,「下高山登山口」と書いた標柱があり,ここから急な登りになる.路傍には帰化植物はなくなり,[[コナラ]]・[[アカマツ]](少ない)・[[オオバヤシャブシ]]・[[ヒメヤシャブシ]]・[[ザイフリボク]](花)・[[ソヨゴ]]・[[ネズ]]・[[ネジキ]]・[[ヒサカキ]]・[[シャシャンボ]]などの乾燥した森林となり,[[コバノミツバツツジ]]が開花している.本種と[[ゲンカイツツジ]]の花はよく似ているので,気を付けたが,なかなか[[ゲンカイツツジ]]は現れない.高度差100 mほどを直登し,稜線に出る.しかし,[[ゲンカイツツジ]]はない.海抜176 mのピークを過ぎたあたりで,[[ゲンカイツツジ]]のつぼみを見つけた.まだ,開花していないのではないかと不安がよぎる.尾根を下高山の方へ進むと,満開の[[ゲンカイツツジ]]が次々と現れて,みんな大喜びで写真を撮った.大部分の人は下高山の頂上202 mへ登ったが,一部の人は手前で引き返した.急坂を下って家下に向かい,14時30分に似島港を出港した. | 2019年4月7日の第620回植物観察会は,広島市南区似島の下高山で行われた.当初,尾道市摩訶衍山を予定していたが,ちょうど寺の祭日と重なり,車道が閉鎖されるとのことで,やむなく変更した.似島下高山では,1978年3月26日にヒコビア植物採集会が行われ,[[ゲンカイツツジ]]の生育を確認したが,まだ開花していなかった.広島港9:30出港,20分で学園前に着く.参加者52名.好天ではあったが,黄砂のため見晴しは悪かった.海岸の道路を通って大黄へ向かう.路傍から海岸に[[セイヨウカラシナ]]が多く,黄色の花盛り.本種は帰化植物であるが,栽培種の[[カラシナ]]と区別できない.[[イヌムギ]]・[[ヒゲナガスズメノチャヒキ]]・[[ネズミムギ|イタリアンライグラス(ネズミムギ)]]・[[メリケンカルカヤ]]などのイネ科の帰化種に混じって,在来種の[[メガルカヤ]]があった.本種は,近年,少なくなり,山地の崖地や海岸に稀に見られる.[[イモカタバミ]]と[[オオキバナカタバミ]]が美しく咲いていたが,[[ハナカタバミ]]と[[ムラサキカタバミ]]は見かけなかった.大黄で右折して,下高山への車道を登る.あまり手入れのよくない果樹園には[[クサイチゴ]]が群生して,白い花が一面に咲いて美しい.車道から分かれて常緑樹林の残る谷あいの道を登る.[[カクレミノ]]の大木が多く,樹液が出ている.韓国では,この樹液を家具などの塗装に使うそうである.林下には[[イノデ]]が多く,[[ベニシダ]]・[[オニカナワラビ]]・[[ヤブラン]]などがあり,[[コクラン]]が群生しているところがあった.1978年の記録にも[[コクラン]]があり,同じ場所であろうか.再び果樹園に出る.[[ユリズイセン|アルストロメリア]]・[[アガパンサス]]([[ナツズイセン]]と紙に書いたのは誤り)・[[スイセン]]などがあり,量が多いので商業的に栽培していた名残であろう.海抜50 mで,「下高山登山口」と書いた標柱があり,ここから急な登りになる.路傍には帰化植物はなくなり,[[コナラ]]・[[アカマツ]](少ない)・[[オオバヤシャブシ]]・[[ヒメヤシャブシ]]・[[ザイフリボク]](花)・[[ソヨゴ]]・[[ネズ]]・[[ネジキ]]・[[ヒサカキ]]・[[シャシャンボ]]などの乾燥した森林となり,[[コバノミツバツツジ]]が開花している.本種と[[ゲンカイツツジ]]の花はよく似ているので,気を付けたが,なかなか[[ゲンカイツツジ]]は現れない.高度差100 mほどを直登し,稜線に出る.しかし,[[ゲンカイツツジ]]はない.海抜176 mのピークを過ぎたあたりで,[[ゲンカイツツジ]]のつぼみを見つけた.まだ,開花していないのではないかと不安がよぎる.尾根を下高山の方へ進むと,満開の[[ゲンカイツツジ]]が次々と現れて,みんな大喜びで写真を撮った.大部分の人は下高山の頂上202 mへ登ったが,一部の人は手前で引き返した.急坂を下って家下に向かい,14時30分に似島港を出港した. | ||
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2021年2月27日 (土) 10:12時点における最新版
ヒコビアミニレター No. 496(2019年4月15日)
2019年4月7日の第620回植物観察会は,広島市南区似島の下高山で行われた.当初,尾道市摩訶衍山を予定していたが,ちょうど寺の祭日と重なり,車道が閉鎖されるとのことで,やむなく変更した.似島下高山では,1978年3月26日にヒコビア植物採集会が行われ,ゲンカイツツジの生育を確認したが,まだ開花していなかった.広島港9:30出港,20分で学園前に着く.参加者52名.好天ではあったが,黄砂のため見晴しは悪かった.海岸の道路を通って大黄へ向かう.路傍から海岸にセイヨウカラシナが多く,黄色の花盛り.本種は帰化植物であるが,栽培種のカラシナと区別できない.イヌムギ・ヒゲナガスズメノチャヒキ・イタリアンライグラス(ネズミムギ)・メリケンカルカヤなどのイネ科の帰化種に混じって,在来種のメガルカヤがあった.本種は,近年,少なくなり,山地の崖地や海岸に稀に見られる.イモカタバミとオオキバナカタバミが美しく咲いていたが,ハナカタバミとムラサキカタバミは見かけなかった.大黄で右折して,下高山への車道を登る.あまり手入れのよくない果樹園にはクサイチゴが群生して,白い花が一面に咲いて美しい.車道から分かれて常緑樹林の残る谷あいの道を登る.カクレミノの大木が多く,樹液が出ている.韓国では,この樹液を家具などの塗装に使うそうである.林下にはイノデが多く,ベニシダ・オニカナワラビ・ヤブランなどがあり,コクランが群生しているところがあった.1978年の記録にもコクランがあり,同じ場所であろうか.再び果樹園に出る.アルストロメリア・アガパンサス(ナツズイセンと紙に書いたのは誤り)・スイセンなどがあり,量が多いので商業的に栽培していた名残であろう.海抜50 mで,「下高山登山口」と書いた標柱があり,ここから急な登りになる.路傍には帰化植物はなくなり,コナラ・アカマツ(少ない)・オオバヤシャブシ・ヒメヤシャブシ・ザイフリボク(花)・ソヨゴ・ネズ・ネジキ・ヒサカキ・シャシャンボなどの乾燥した森林となり,コバノミツバツツジが開花している.本種とゲンカイツツジの花はよく似ているので,気を付けたが,なかなかゲンカイツツジは現れない.高度差100 mほどを直登し,稜線に出る.しかし,ゲンカイツツジはない.海抜176 mのピークを過ぎたあたりで,ゲンカイツツジのつぼみを見つけた.まだ,開花していないのではないかと不安がよぎる.尾根を下高山の方へ進むと,満開のゲンカイツツジが次々と現れて,みんな大喜びで写真を撮った.大部分の人は下高山の頂上202 mへ登ったが,一部の人は手前で引き返した.急坂を下って家下に向かい,14時30分に似島港を出港した.
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