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=ヒコビアミニレターNo. 496(2019年4月15日)=
 
=ヒコビアミニレターNo. 496(2019年4月15日)=
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[[ファイル:20190407017_ゲンカイツツジ_広島市南区似島a.jpg|200px|thumb|right|ゲンカイツツジ(花)(広島県広島市南区似島町 似島; 撮影: 内田慎治, Apr. 13, 2019)]]
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[[ファイル:20190407021_ゲンカイツツジ_広島市南区似島a.jpg|200px|thumb|right|ゲンカイツツジ(広島県広島市南区似島町 似島; 撮影: 内田慎治, Apr. 13, 2019)]]
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 2019年4月7日の第620回植物観察会は,広島市南区似島の下高山で行われた.当初,尾道市摩訶衍山を予定していたが,ちょうど寺の祭日と重なり,車道が閉鎖されるとのことで,やむなく変更した.似島下高山では,1978年3月26日にヒコビア植物採集会が行われ,[[ゲンカイツツジ]]の生育を確認したが,まだ開花していなかった.広島港9:30出港,20分で学園前に着く.参加者52名.好天ではあったが,黄砂のため見晴しは悪かった.海岸の道路を通って大黄へ向かう.路傍から海岸に[[セイヨウカラシナ]]が多く,黄色の花盛り.本種は帰化植物であるが,栽培種の[[カラシナ]]と区別できない.[[イヌムギ]]・[[ヒゲナガスズメノチャヒキ]]・[[ネズミムギ|イタリアンライグラス(ネズミムギ)]]・[[メリケンカルカヤ]]などのイネ科の帰化種に混じって,在来種の[[メガルカヤ]]があった.本種は,近年,少なくなり,山地の崖地や海岸に稀に見られる.[[イモカタバミ]]と[[オオキバナカタバミ]]が美しく咲いていたが,[[ハナカタバミ]]と[[ムラサキカタバミ]]は見かけなかった.大黄で右折して,下高山への車道を登る.あまり手入れのよくない果樹園には[[クサイチゴ]]が群生して,白い花が一面に咲いて美しい.車道から分かれて常緑樹林の残る谷あいの道を登る.[[カクレミノ]]の大木が多く,樹液が出ている.韓国では,この樹液を家具などの塗装に使うそうである.林下には[[イノデ]]が多く,[[ベニシダ]]・[[オニカナワラビ]]・[[ヤブラン]]などがあり,[[コクラン]]が群生しているところがあった.1978年の記録にも[[コクラン]]があり,同じ場所であろうか.再び果樹園に出る.[[ユリズイセン|アルストロメリア]]・[[アガパンサス]]([[ナツズイセン]]と紙に書いたのは誤り)・[[スイセン]]などがあり,量が多いので商業的に栽培していた名残であろう.海抜50 mで,「下高山登山口」と書いた標柱があり,ここから急な登りになる.路傍には帰化植物はなくなり,[[コナラ]]・[[アカマツ]](少ない)・[[オオバヤシャブシ]]・[[ヒメヤシャブシ]]・[[ザイフリボク]](花)・[[ソヨゴ]]・[[ネズ]]・[[ネジキ]]・[[ヒサカキ]]・[[シャシャンボ]]などの乾燥した森林となり,[[コバノミツバツツジ]]が開花している.本種と[[ゲンカイツツジ]]の花はよく似ているので,気を付けたが,なかなか[[ゲンカイツツジ]]は現れない.高度差100 mほどを直登し,稜線に出る.しかし,[[ゲンカイツツジ]]はない.海抜176 mのピークを過ぎたあたりで,[[ゲンカイツツジ]]のつぼみを見つけた.まだ,開花していないのではないかと不安がよぎる.尾根を下高山の方へ進むと,満開の[[ゲンカイツツジ]]が次々と現れて,みんな大喜びで写真を撮った.大部分の人は下高山の頂上202 mへ登ったが,一部の人は手前で引き返した.急坂を下って家下に向かい,14時30分に似島港を出港した.
 
 2019年4月7日の第620回植物観察会は,広島市南区似島の下高山で行われた.当初,尾道市摩訶衍山を予定していたが,ちょうど寺の祭日と重なり,車道が閉鎖されるとのことで,やむなく変更した.似島下高山では,1978年3月26日にヒコビア植物採集会が行われ,[[ゲンカイツツジ]]の生育を確認したが,まだ開花していなかった.広島港9:30出港,20分で学園前に着く.参加者52名.好天ではあったが,黄砂のため見晴しは悪かった.海岸の道路を通って大黄へ向かう.路傍から海岸に[[セイヨウカラシナ]]が多く,黄色の花盛り.本種は帰化植物であるが,栽培種の[[カラシナ]]と区別できない.[[イヌムギ]]・[[ヒゲナガスズメノチャヒキ]]・[[ネズミムギ|イタリアンライグラス(ネズミムギ)]]・[[メリケンカルカヤ]]などのイネ科の帰化種に混じって,在来種の[[メガルカヤ]]があった.本種は,近年,少なくなり,山地の崖地や海岸に稀に見られる.[[イモカタバミ]]と[[オオキバナカタバミ]]が美しく咲いていたが,[[ハナカタバミ]]と[[ムラサキカタバミ]]は見かけなかった.大黄で右折して,下高山への車道を登る.あまり手入れのよくない果樹園には[[クサイチゴ]]が群生して,白い花が一面に咲いて美しい.車道から分かれて常緑樹林の残る谷あいの道を登る.[[カクレミノ]]の大木が多く,樹液が出ている.韓国では,この樹液を家具などの塗装に使うそうである.林下には[[イノデ]]が多く,[[ベニシダ]]・[[オニカナワラビ]]・[[ヤブラン]]などがあり,[[コクラン]]が群生しているところがあった.1978年の記録にも[[コクラン]]があり,同じ場所であろうか.再び果樹園に出る.[[ユリズイセン|アルストロメリア]]・[[アガパンサス]]([[ナツズイセン]]と紙に書いたのは誤り)・[[スイセン]]などがあり,量が多いので商業的に栽培していた名残であろう.海抜50 mで,「下高山登山口」と書いた標柱があり,ここから急な登りになる.路傍には帰化植物はなくなり,[[コナラ]]・[[アカマツ]](少ない)・[[オオバヤシャブシ]]・[[ヒメヤシャブシ]]・[[ザイフリボク]](花)・[[ソヨゴ]]・[[ネズ]]・[[ネジキ]]・[[ヒサカキ]]・[[シャシャンボ]]などの乾燥した森林となり,[[コバノミツバツツジ]]が開花している.本種と[[ゲンカイツツジ]]の花はよく似ているので,気を付けたが,なかなか[[ゲンカイツツジ]]は現れない.高度差100 mほどを直登し,稜線に出る.しかし,[[ゲンカイツツジ]]はない.海抜176 mのピークを過ぎたあたりで,[[ゲンカイツツジ]]のつぼみを見つけた.まだ,開花していないのではないかと不安がよぎる.尾根を下高山の方へ進むと,満開の[[ゲンカイツツジ]]が次々と現れて,みんな大喜びで写真を撮った.大部分の人は下高山の頂上202 mへ登ったが,一部の人は手前で引き返した.急坂を下って家下に向かい,14時30分に似島港を出港した.
 
<div style="text-align:right">(T. Seki 記)</div>
 
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<u>'''[[20190509ゲンカイツツジ覚え書き/関太郎|ゲンカイツツジ覚え書き/関太郎]]'''</u>
 
<u>'''[[20190509ゲンカイツツジ覚え書き/関太郎|ゲンカイツツジ覚え書き/関太郎]]'''</u>
[[ファイル:20190407017_ゲンカイツツジ_広島市南区似島a.jpg|200px|thumb|right|ゲンカイツツジ(花)(広島県広島市南区似島町 似島; 撮影: 内田慎治, Apr. 13, 2019)]]
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[[ファイル:20190407021_ゲンカイツツジ_広島市南区似島a.jpg|200px|thumb|right|ゲンカイツツジ(広島県広島市南区似島町 似島; 撮影: 内田慎治, Apr. 13, 2019)]]
      
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