植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter457

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ヒコビアミニレター No. 457(2016年5月30日)

2016年5月28-29日の第581回植物観察会は京都府京都市左京区京都府立植物園と京都市東山区の清水山(242.5 m)で行われた.5月28日は,京都府立植物園正門前に11時集合.天気は晴れ.参加者9名.

イチイガシやカゴノキ

5月29日は,京都駅に9時集合.天気は晴れのちくもり,午後小雨.参加者8名.京都大学の大崩くんも参加.清水山は清水寺の東側に位置し,京都一周トレイル東山コースの一部になっている.清水山を含む高台寺山国有林は世界文化遺産の緩衝地帯となっている.この一帯は明治期までアカマツを主体とする森林であったが,現在はシイ林が拡大している.また,ナラ枯れも発生しており,今回はシイ林の現状を観察することを目的とした.京都駅から路線バスに乗車し,五条坂で下車する.バス停から茶碗坂を登って清水寺に向かう.途中,石垣にヨモギやドクダミ,ヘクソカズラ,ヒメクラマゴケ,外来のウラジロチチコグサやオオアレチノギク,ヒメソバ,ヒルザキツキミソウ,ヤノボンテンカなどが見られる.観光客が非常に多く,登山口がわかりにくかったが,10時半ころ看板をみつけ登り始める.すぐにツブラジイの多い林になる.シロバイやナナミノキ,ヒサカキ,ヤブニッケイ,

12時頃清水山山頂に到着.昼食を食べて,集合写真撮影.途中予定より早く雨が降り始めたので短いコースに変更し,清水寺の付近に出る谷を下る.スギが植林されており,タラヨウが多い.途中,アラカシやツブラジイ,ヤブニッケイ,サカキ,モッコク,イズセンリョウ,オトコヨウゾメなどを見る.13時半ころ清水寺の仁王門前で解散.各々帰途についた.


前日からの雨が心配されたが,天気は晴れ.参加者35名.久井岩海の説明板前の駐車場に10時集合.久井岩海は国の天然記念物であり,その保存計画策定のため前年度より三原市教育委員会が生物相の調査を行っている.調査には広島大学も協力している.コースと岩海の成因について説明.観察会で1985年に開催地としたことがあり,関先生から当時の説明があった.岩海入口で植栽されたサトザクラの普賢象が満開.葉化した雌しべを観察する.ぜにがめごうろまでの道中に,コバノミツバツツジ(花)やアカマツソヨゴアセビトウカエデキランソウ(花),ミツバアケビイヌツゲウメモドキヒサカキクリコマユミダンコウバイなどが見られる.途中,ツボスミレニオイタチツボスミレが開花.ウワミズザクラの芽生えが多く見られる.ぜにがめごうろの左手の広場の湿った場所に小型の白花のスミレをみつけ,シロスミレアリアケスミレか皆で検討.花弁のうち2枚の上弁が立ち上がっていることと葉身の長さが葉柄より長いこと,シロスミレにしては標高が低いことからアリアケスミレの小型のものと考えられる.その後もサルトリイバラ(花)やナガバモミジイチゴ(花),シュンランナワシログミウグイスカグラヤマナラシホオノキアリノトウグサミツバツチグリ(花),ヒメカンスゲイワガラミなどを観察.イヌガヤの雄花を観察.ぜにがめごうろの一番奥で昼食後,写真撮影.なかごうろに抜けて,なかごうろ沿いの道を下る.コウヤボウキコシアブラアオハダコナラニガイチゴケカマツカタムシバアブラチャンカヤクロキヤブコウジセンボンヤリなどを見る.大きなネズがあり,池田さんと内田さんが計測.胸高直径35 cm,樹高約18 mであった.フユノハナワラビがあり,松村さんが解説.14時ころ解散.様々な植物の花を見ることができた.

(H. Tsubota, Y. Inoue & M. Nakahara-Tsubota 記)

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