植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter449
ヒコビアミニレター No. 449(2015年11月30日)
2015年11月15日の第573回植物観察会は広島市東区松笠山(374.6 m)で行われた.JR戸坂駅に9時40分集合.参加者32名.駅から線路を横切って東方に向かう登山道がある.最初に目についたのはカナムグラであったが名前が出てこない.朝からずっと気になっていたが,帰り道で出会った時にはなぜかすぐに名前が出てきてホッとする.根際直径42 cmのシャシャンボの大木がある.琴比羅神社に登る石段の脇には胸高直径82 cmのコジイがあり,ナナメノキ,カクレミノ,クロキ,シリブカガシ,サカキ,シキミ,ヤブツバキ,モッコク,アラカシ,シロダモ,ネズミモチ,ヤブニッケイ,タブノキ,クチナシ,ヒサカキ,マンリョウ,アリドオシ,イヌビワ,テイカカズラ,ビナンカズラ,キヅタ,ツルグミなど照葉樹林の植物が豊富に見られたほか,スギの大木や,コシアブラ,タカノツメ,エゴノキ,アベマキ,コナラ,クヌギ,ミヤマガマズミなどの落葉広葉樹,ネズ,コシダ,ウラジロ,ネザサ,コバノミツバツツジ,ヒメヤマツツジ,シャシャンボ,ネジキなどアカマツ二次林の植物なども見られた.琴比羅の滝は滝に打たれて修行する僧の姿を想起させるものであり,広島市では知名度の高い三滝と似た風情がある.水量も思ったより豊富で,ここが市街地に近い場所にあることを忘れさせる.海抜高250 mのところまで登ると松笠観音堂があり,なぜかここのシキミは春でもないのに満開であった.広島市天然記念物松笠観音の巨樹群があり,アベマキ,ヒノキ,モッコク,タブノキ,エノキなどの大木が見られる.観音堂にトウオガタマが植えてあり,始めてみるものであった.ここから笠松山に向かう登山道は尾根筋を通る.海抜高300 mを過ぎると,ソヨゴ,アセビ,イヌツゲ,リョウブが出現し,倉橋島などの島嶼部と似た植生配列になっているのは興味あるところである.300 m以上の所ではコシアブラ,タカノツメ,ウラジロノキ,ウリカエデ,エゴノキなどの落葉広葉樹も多く見られる.
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