植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter432
ヒコビアミニレター No. 432(2014年9月9日)
第556回ヒコビア植物観察会は,2014年8月24日に広島県山県郡北広島町豊平 丁(ようろ)川で行われた.小雨模様,時々本降りという天候であったが,49名もの参加者があり,地元から落合幸治氏(北広島町産業課)ほか3名の参加があった.旧酒森小学校の校庭に10時30分集合,そこから丁川に沿って歩く.このコースでは,1995年6月18日にヒコビア観察会が行われ,ハンショウヅルの花が印象に残っている.この渓谷の原植生は,ウラジロガシ-コカンスゲ群集と推察され,ところどころウラジロガシがあるが,現在はスギ植林地になっている.林縁にはクサコアカソやコアカソ,アオカラムシなどイラクサ科の植物が多い.この谷には葉の裏が白くないアオカラムシがほとんどである.渓流に下りると,キシツツジやナメラダイモンジソウ,フサナキリスゲ(つぼみ),ナルコスゲ,ヤシャゼンマイなどがある.車道に沿って,ヤシャゼンマイとゼンマイの雑種オクタマゼンマイが希にあった.高木層はウラジロガシやスギ,ヒノキ(植林),コナラ,ミズナラ(多くない),クリ,ソヨゴなど,亜高木層から低木層はダンコウバイやミズキ,リョウブ,マンサク,ツリバナ,カマツカ,イソノキ,ヤマアジサイなど,草本層はコカンスゲやアキチョウジ,キクバヤマボクチ,オオヒメワラビ,ジュウモンジシダ,リョウメンシダ,ミヤマシケシダなど,ヤマルリソウとそれによく似たアキノハイルリソウが結構多い.中国電力社有林の入り口で昼食.がんばってトンネルまで行く.2013年6月8日(竜頭山案内人の会観察会)に見つけたキヨスミウツボを捜したが,見つからなかった.トンネルを出た付近の断崖で,ホンシャクナゲの生育を確認して帰途についた.帰り路でケスハマソウを見つけたが,これは以前に上村恭子さんが確認していた.丁川は植物相の豊富な谷であることを再確認した.
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