植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter405
提供: 広島大学デジタル博物館
ヒコビアミニレター No. 405 (2012年8月19日)
2012年8月19日の観察会は,安芸郡府中町水分峡で行われた.参加者は31名.天気は晴れ.広島駅に近いため現地集合とし,足のない方は9時00分にJR天神川駅に集合してタクシーに分乗した.水分峡は広島近隣の花崗岩からなる明るい峡谷として古くから知られていた.平成7年に水分峡森林公園として整備されている.この会では1978(昭和53)年4月に観察会を行っている.歩道沿いにビロードモウズイカやアラカシ,カクレミノ,シリブカガシ,ツブラジイ,ヤブツバキなどを見ながら上流に向かう.川辺は子ども達の水遊び場として整備されている.当時は施設らしいものがなかったので,この変化に驚く.草摺の滝あたりにかろうじて昔の面影を見る.サワオトギリやミミカキグサ,コイヌノハナヒゲなどを見る.ササ類はシカによる食害が目に付いた.憩いの森で昼食.以前に比べると遠景の山に岩や岩肌が見られなくなっている.緑が大きく育ち隠れてしまったようである.帰りは遊歩道から管理道路を経て,駐車場にもどった.前回(1978年)渓谷では普通に見られたオオミズゴケがほとんどなくなっている.また,かつてはアカマツが優占していたが,現在ではほとんど見られなくなっている.この35年間の変化というべきであろう.広島近郊の二次林の現状を知るにはよい場所であるが,少し暑かった.
(Y. Yoshino 記)
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