「植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter401」の版間の差分
(同じ利用者による、間の1版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
= ヒコビアミニレター No. 401 (2012年5月28日) = | = ヒコビアミニレター No. 401 (2012年5月28日) = | ||
− | 2012年5月20日の第524回植物観察会は山県郡北広島町本地の冠山(通称は可部冠山 735.7 m)で行われた.参加者59名.伊勢坊谷の「可部峠の御神水」の駐車場(標高450 m)から出発,林縁に[[ヤブデマリ]]と[[コガクウツギ]]が咲き始め,[[ヒメヤマツツジ]]は残花,[[コイカリソウ]],[[チャルメルソウ]]は終り,[[キクムグラ]],[[カキドオシ]]が咲いている.林道沿いには[[ホオノキ]],[[タムシバ]],[[マルバアオダモ]]が若葉,路傍に[[モミ]]の芽生えが多い.少し登ると,渓谷周辺に若い果実を着けた[[コウヤミズキ]]が多く,[[エゴノキ]]と[[タンナサワフタギ]]に小さいつぼみ.斜面下部は[[ヒノキ]],[[スギ]]の植林,尾根は[[アカマツ]],[[リョウブ]],[[コナラ]],[[クリ]],[[ネジキ]],[[ウラジロノキ]]などの二次林,標高600 m位になると[[ウラジロガシ]]が多くなり,林床の[[オオイワカガミ]]が若葉を広げ,花が終わった[[ウスギヨウラク]],[[イヌブナ]]の小径木.小さな湿地に[[オオミズゴケ]]の群落と[[アゼナルコスゲ]],水中の腐植から赤橙色の[[カムリタケ]]が林立.[[ハチク]]の小群落を過ぎると,旧石州街道の長助茶屋跡.町史蹟の説明版に明治維新後の一揆で竹やぶを切りつくして竹槍を作ったとある.あたり一面の若い[[ | + | 2012年5月20日の第524回植物観察会は山県郡北広島町本地の冠山(通称は可部冠山 735.7 m)で行われた.参加者59名.伊勢坊谷の「可部峠の御神水」の駐車場(標高450 m)から出発,林縁に[[ヤブデマリ]]と[[コガクウツギ]]が咲き始め,[[ヒメヤマツツジ]]は残花,[[コイカリソウ]],[[チャルメルソウ]]は終り,[[キクムグラ]],[[カキドオシ]]が咲いている.林道沿いには[[ホオノキ]],[[タムシバ]],[[マルバアオダモ]]が若葉,路傍に[[モミ]]の芽生えが多い.少し登ると,渓谷周辺に若い果実を着けた[[コウヤミズキ]]が多く,[[エゴノキ]]と[[タンナサワフタギ]]に小さいつぼみ.斜面下部は[[ヒノキ]],[[スギ]]の植林,尾根は[[アカマツ]],[[リョウブ]],[[コナラ]],[[クリ]],[[ネジキ]],[[ウラジロノキ]]などの二次林,標高600 m位になると[[ウラジロガシ]]が多くなり,林床の[[オオイワカガミ]]が若葉を広げ,花が終わった[[ウスギヨウラク]],[[イヌブナ]]の小径木.小さな湿地に[[オオミズゴケ]]の群落と[[アゼナルコ|アゼナルコスゲ]],水中の腐植から赤橙色の[[カムリタケ]]が林立.[[ハチク]]の小群落を過ぎると,旧石州街道の長助茶屋跡.町史蹟の説明版に明治維新後の一揆で竹やぶを切りつくして竹槍を作ったとある.あたり一面の若い[[イワヒメワラビ]]に「食べられるか」,「毛だらけでまずそう」との問答.可部峠まではヒノキ林内の緩やかな道,峠からは二次林内の急な尾根道を15分で山頂.岩の上から可部の町がよく見える.周囲には[[コナラ]]に混じって[[ミズナラ]],[[ダンコウバイ]],[[ヤマボウシ]],[[カマツカ]],[[シキミ]],[[シロモジ]],[[ガマズミ]],[[コバノガマズミ]],[[チュウゴクザサ]]が生育している.下りは約1時間.集落の入り口に大きな1本の[[カラマツ]],[[ヤマフジ]]の花は終わり,[[ノダフジ]]が盛りであった. |
<div style="text-align:right">(H. Taoda 記)</div> | <div style="text-align:right">(H. Taoda 記)</div> | ||
---- | ---- |
2014年7月23日 (水) 17:48時点における最新版
ヒコビアミニレター No. 401 (2012年5月28日)
2012年5月20日の第524回植物観察会は山県郡北広島町本地の冠山(通称は可部冠山 735.7 m)で行われた.参加者59名.伊勢坊谷の「可部峠の御神水」の駐車場(標高450 m)から出発,林縁にヤブデマリとコガクウツギが咲き始め,ヒメヤマツツジは残花,コイカリソウ,チャルメルソウは終り,キクムグラ,カキドオシが咲いている.林道沿いにはホオノキ,タムシバ,マルバアオダモが若葉,路傍にモミの芽生えが多い.少し登ると,渓谷周辺に若い果実を着けたコウヤミズキが多く,エゴノキとタンナサワフタギに小さいつぼみ.斜面下部はヒノキ,スギの植林,尾根はアカマツ,リョウブ,コナラ,クリ,ネジキ,ウラジロノキなどの二次林,標高600 m位になるとウラジロガシが多くなり,林床のオオイワカガミが若葉を広げ,花が終わったウスギヨウラク,イヌブナの小径木.小さな湿地にオオミズゴケの群落とアゼナルコスゲ,水中の腐植から赤橙色のカムリタケが林立.ハチクの小群落を過ぎると,旧石州街道の長助茶屋跡.町史蹟の説明版に明治維新後の一揆で竹やぶを切りつくして竹槍を作ったとある.あたり一面の若いイワヒメワラビに「食べられるか」,「毛だらけでまずそう」との問答.可部峠まではヒノキ林内の緩やかな道,峠からは二次林内の急な尾根道を15分で山頂.岩の上から可部の町がよく見える.周囲にはコナラに混じってミズナラ,ダンコウバイ,ヤマボウシ,カマツカ,シキミ,シロモジ,ガマズミ,コバノガマズミ,チュウゴクザサが生育している.下りは約1時間.集落の入り口に大きな1本のカラマツ,ヤマフジの花は終わり,ノダフジが盛りであった.
デジタル自然史博物館 / 広島大学 / 宮島自然植物実験所 / 植物観察会のトップ / 過去のヒコビアミニレター / 古いNews | 植物 にもどる