植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter392

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ヒコビアミニレター No. 392 (2011年9月27日)

2011年9月24-25日の第515回植物観察会は,愛媛県との合同植物観察会として,愛媛県今治市織田ケ浜,蛇池湿地および高知県境の寒風山で行われた.天気は晴.広島からの参加者は12名.愛媛は日帰りを入れ9名.広島駅をバスで8時に出発.昼食後,今治インターの出口で愛媛の人達と合流.今治市織田ケ浜に向い海浜植生とハマビシを観察する.本種は1~越年草で,海岸の砂地に生育する.地元の研究会の方によると毎年すこしずつ生育場所を変えるとのことである.広島県でもかつては海岸の砂地に見られたが,現在では見られなくなった.また,ウンランも探したが確認できなかった.浜ではハマゴウが満開で,関先生からコウボウシバの根を使う筆の説明を伺った.その後蛇池湿原に行き,サギソウ,ゴマクサ,ナガボノシロワレモコウ,マアザミなどの花を見る.カガシラ,アンペライも見られた.本日の宿所である西条市の「石鎚ふれあいの里」に向う途中で,ヒロハコンロンカ(アカネ科)を見る.宿屋の手前2 kmでバスを降り,地元のガイドの案内で昔の生活道路を歩く.道は山の中腹にあり,途中に極楽寺がある.斜面の急傾斜地はかつての畑で,現在はスギやヒノキが植林されている.ウラジロウツギ,サバノオ,クリハラン,シロヤマシダ,アマクサシダ,カギカズラ,イズセンリョウ,シシラン,シラカシ,ノリウツギなどを見ながら,川沿いの広い道路に出,エノキ,ケヤキ,オニグルミなどを見ながら宿につく.宿では食後,山本貴仁氏(石鎚ふれあいの里代表)から,地域の自然や生活,焼畑などについて話を聞いた.25日は8時前に出発,1時間で国道194号線の寒風山トンネルを通り,高知県側の登山口(海抜1,140 m)につく.ツガ,イヌブナ,ブナ,ナンゴクミネカエデなどを見ながら登る.桑瀬峠(1,451 m)に近くなるとウラジロモミやヤマヤナギが目に付くようになり,ササ原となって展望が開けてくる.スズタケ,アサマリンドウ,トサノミカリソウ,ベニドウダン,アカモノ,マンネンスギなどを見る.峠からは尾根筋のササ原と岩峰を交互に登る.このような景観は広島では見られないもので,大変興味深い.岩場やその付近でツクシシャクナゲ,オオヤマレンゲ,ダイモンジソウの1種,シオガマギク,マイヅルソウ,タカネオトギリ,ナンゴククガイソウ,イワキンバイ,イシヅチミズキ,アケボノツツジ,レイジンソウ,ミヤマトウヒレンなどを見る.ブナやウラジロモミに混じってダケカンバも見られる.本種は西日本では紀伊半島の大峯山系と四国の脊梁部にのみ見られる植物である.支尾根の岩場でチャボツメレンゲを見る.13時頃に山頂につく.天気がよく遠く剣山系まで見ることができた.帰路,別の岩峰で愛媛の松井氏はタカネマツムシソウを観察.16時前にバスに戻る.広島駅には20時前に到着した.

(Y. Yoshino 記)

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