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= ヒコビアミニレター No. 389 (2011年6月19日) =
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= ヒコビアミニレター No. 389 (2011年7月17日) =
  
2011年6月19日の第511回植物観察会は,三原市佐木島で行われた.参加者は35名.三原の港から乗船.佐木島の佐木(鷺)港につく.町中にある小浦八幡宮のウバメガシ巨樹を見,その後比呂神社のクスノキの巨樹を見た.島の山林は長年の利用により貧弱な森林となっている中で,この2つのお宮に巨樹があるのに驚く.その後島を西側に横断し,長浜海岸の海浜植物を見る.ツルナ(花),ハマナデシコ(花),コウボウシバ(果実),ハマヒルガオ(花),ハマエンドウ(花),ハマボウフウ(花),ハマゴウ,ホソバハマアカザ,マツナなどを見る.広島県では沿岸部の多くが埋め立てられたので,このような多数の海浜植物が見られるのは珍しい.ナガバギシギシ(花),コマツヨイ(花),ツルタデ(ツルイタドリ),アメリカネナシカズラ,ムラサキセンブリ(花)などの外来植物も見られた.昼食後大平山に登る.登山道は整備されている.エノキ,ムクノキ,ウツギなどを見る.中腹にはニセアカシアやオオバヤシャブシが見られる.戦後,島の緑化に使ったものであろう.尾根筋ではヤマツツジの花が多かった.山頂からは向田に向けて降りる.あちこちにモリシマアカシアが見られた.亀山神社はアラカシ,アベマキ,クスノキが優占している.付近の人家でウチワサボテンの大きな個体を見た.また,向田の港付近でシオクグを採集した.
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2011年7月17日の第512回植物観察会は,安芸高田市高宮町の大狩山(591 m)で行われた.参加者は45名,砂防公園駐車場から日なたの作業道を歩く.エゴノキ,タラノキ,アカメガシワなど先駆性木本に,外来の草本が多い.チュウゴクザサの群落中にナツアサドリの株立ちがあった.このあたりは,ミヤギノハギ(?)などが植栽されているので,自生かどうか分かり難い.ネジバナ,チダケサシ,オカトラノオ,コウゾ,ノギランなどが開花,クロモジ,ミヤマガマズミ,コツクバネウツギ,ナツハゼに未熟の果実がある.林内に入ると,ナツツバキの落花が目立つ.北向きの斜面はヒノキ植林で,林床にヒノキゴケ,カガミゴケなどのコケが多い.関先生が水中の岩にクマノゴケがありそうと探し,すぐに見つかった.花のないハナタツナミ,クモキリソウ,シュンラン,オオバノトンボソウ,ヒトツボクロ,シュンラン,ニシキゴロモ,タニギキョウなどの競争に弱い種類が見られ,ハエドクソウ,ヤマジノホトトギスが花をつけている.標高500 m付近で,イヌブナ,ハネミノイヌエンジュ,シラカシ,イヌガヤ,コムラサキ,ノグルミなどの木本があり.標高560 mで尾根へ出るとアカマツ林となる.アベマキ,マルバアオダモ,クロモジ,ホオノキ,リョウブ,ザイフリボク,ウラジロノキ,オオウラジロノキ,ネジキが多い.山頂部の日なたを避けて昼食.下山路は尾根沿いで,草本が少なく,林床にはカンサイスノキ,ヤマツツジ,コバノミツバツツジ,コウヤボウキ,イチヤクソウがある.アカマツの枯れた大木があり,戦時中に松脂を採取した痕が残っている.かつては立派なアカマツ林であったらしい.
<div style="text-align:right">(Y. Yoshino記)</div>
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<div style="text-align:right">(H. Taoda記)</div>
  
 
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2011年8月21日 (日) 09:37時点における最新版

ヒコビアミニレター No. 389 (2011年7月17日)

2011年7月17日の第512回植物観察会は,安芸高田市高宮町の大狩山(591 m)で行われた.参加者は45名,砂防公園駐車場から日なたの作業道を歩く.エゴノキ,タラノキ,アカメガシワなど先駆性木本に,外来の草本が多い.チュウゴクザサの群落中にナツアサドリの株立ちがあった.このあたりは,ミヤギノハギ(?)などが植栽されているので,自生かどうか分かり難い.ネジバナ,チダケサシ,オカトラノオ,コウゾ,ノギランなどが開花,クロモジ,ミヤマガマズミ,コツクバネウツギ,ナツハゼに未熟の果実がある.林内に入ると,ナツツバキの落花が目立つ.北向きの斜面はヒノキ植林で,林床にヒノキゴケ,カガミゴケなどのコケが多い.関先生が水中の岩にクマノゴケがありそうと探し,すぐに見つかった.花のないハナタツナミ,クモキリソウ,シュンラン,オオバノトンボソウ,ヒトツボクロ,シュンラン,ニシキゴロモ,タニギキョウなどの競争に弱い種類が見られ,ハエドクソウ,ヤマジノホトトギスが花をつけている.標高500 m付近で,イヌブナ,ハネミノイヌエンジュ,シラカシ,イヌガヤ,コムラサキ,ノグルミなどの木本があり.標高560 mで尾根へ出るとアカマツ林となる.アベマキ,マルバアオダモ,クロモジ,ホオノキ,リョウブ,ザイフリボク,ウラジロノキ,オオウラジロノキ,ネジキが多い.山頂部の日なたを避けて昼食.下山路は尾根沿いで,草本が少なく,林床にはカンサイスノキ,ヤマツツジ,コバノミツバツツジ,コウヤボウキ,イチヤクソウがある.アカマツの枯れた大木があり,戦時中に松脂を採取した痕が残っている.かつては立派なアカマツ林であったらしい.

(H. Taoda記)

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