植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter358

ヒコビアミニレター No. 358 (2009年8月27日)

2009年8月23日の第483回植物観察会は広島県山県郡北広島町臥龍山(1223 m)で行われた.高原の自然館前の駐車場に10時集合,参加者は36名.曇り空のためオオマツヨイグサの花が開いたまま,近くにメマツヨイグサの集団もある.満開のマツムシソウは育成されたものらしい.ミズタマソウ,ビッチュウフウロの花も.自然館の柳崎さんに簡単な紹介をしていただいた後に出発.登山口までは草原と湿地,葉が中途半端に三裂するカンボク,カラコギカエデ,ズミの「空似の三他人」が多く,一部のカンボクの実はすでに真っ赤になっていた.リョウブは花ざかり.ノリウツギは終わり,イソノキの実は赤・黒混ざり,オノエヤナギ,ハンノキが樹林を形成している.草地のコオニユリ,エゾミソハギは遠くからも目立つ.コバノギボウシの花は終わっていた.オオハンゴンソウの鮮やかな黄花にハンカイソウの残り花が混じる.牧野富太郎句碑前で,しばし雑談.登山口の駐車場には多数の車があり,臥龍山の人気が伺える.登り始めはミズナラ,クリが優占し,標高1000 m辺りから,ほとんどブナになる.路傍にヒメシロネ,アキチョウジの花,低木層には多雪地に適応したチャボガヤ,ハイイヌガヤ,エゾユズリハの三種の実,他にフウリンウメモドキ,クロタキカズラ,ミヤマホウソが色づく.標高1100 mの雪霊水付近では数十人の登山者が宴会状態,山頂は座る場所も無いとのことなので,休憩で時間調整.この辺り,キバナアキギリ,ツリフネソウ,ミゾソバ,ミヤマタニソバ,イヌトウバナ,ヒメアザミが花,サワグルミが果穂を下げている.先客がいなくなった山頂に10分余りで着,岩にからむツタウルシを避けて昼食.ここでは,岩の上からブナ,コバノトネリコ,ミズナラ,オオイタヤメイゲツの葉・実を手にすることができ,サワフタギ,ヤマブドウ,ツルウメモドキ,クロモジ,ホオノキ,オオカメノキ,ツノハシバミなどの低木・つる植物の他,オオバコ,エゾノギシギシ,クサイの侵入が見られる.下りは西側の尾根を回る,山頂に近い尾根にもかかわらず,林床にリョウメンシダが群生,サワグルミの若木が目立つ.下山後の湿原めぐりは,時間不足と予定地が草刈されていたことにより短縮した.

(H. Taoda 記)

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