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(ページの作成: = ヒコビアミニレター No. 344 (2008年8月5日) = 2008年6月22日の第468回植物観察会は広島市安佐南区の太田川左岸において小雨~曇行の…)
 
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= ヒコビアミニレター No. 344 (2008年8月5日) =
 
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2008年6月22日の第468回植物観察会は広島市安佐南区の太田川左岸において小雨~曇行の中行われた.アストラムラインの「西原駅」に10時に集合.朝まで雨が降っていたが30名の参加があった.西原駅から太田川に市街地を歩いているとハンゲショウがあった.本種は低湿地に生育する草本で,生育環境が激減していることから,広島県の準絶滅危惧種になっている.途中の古川は旧太田川の本流で,ここでは低水敷にもヤナギ類が多数生育している.この付近は太田川放水路ができるまでは,水害の多かった地域で,古い人家は1 mほど高い土台上に建てられている.草刈の行われている高水敷にはネジバナの花が目立つ.草刈が不十分な場所ではシナダレスズメガヤが多い.この植物は道路法面の緑化のために導入されたアメリカ原産の植物で,河川中流部では砂の堆積がおこり,川原の植物の生育環境を破壊するとされている.河川敷にはイヌゴマ,カワラサイコなどの在来種も見られるが,セイヨウヒキヨモギ,ムシトリナデシコ,イヌコモチナデシコ,アレチハナガサ,ヤナギハナガサ,マツヨイグサの仲間などの外来植物が多い.低水敷にはヤナギ類が多数生育しているが,この時期に判るのはアカメヤナギくらいである.シナサワグルミも大きく生育し,花穂をつけていた.また,シダ植物のクサソテツが見られた.本種は広島県ではそれほど多くない種である.あとで調べたところ,近年,太田川流域の安佐北区で農家が本種の生産(コゴミ)を行っているとのこと.農協を通じて本種の苗が配られているようである.従って,今回確認されたクサソテツは洪水時に逸出した可能性が高い.高瀬堰付近にはウマノスズクサがあった.ここから市街地にもどりJR可部線の「梅林駅」にて解散した.
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2008年7月20日の第469回植物観察会は東広島市豊栄町安宿(あすか)の天神嶽(757.5 m)で行われた.安宿地区公民館(旧安宿小学校跡地)に10:00集合.参加者44名.担当豊原,現地案内井長.豊原によるシラカシとウラジロガシの県内での分布と植生の説明,井長による安宿の地名と山の名前,修験道との関係について解説の後,公民館を出発.前日の雨で蒸し暑い中,林道から山道に入る.途中,植生調査を行う.コシアブラやアオハダ,タムシバが多い森林.オオミズゴケの生育する湿地もあり,ホザキノミミカキグサやモウセンゴケ,ミカヅキグサ,イヌノハナヒゲなどが観察できた.秋の七草が生育しそうな環境が残っており,キキョウの花も開花.アカマツ林内の明るい場所でアリノトウグサが開花.山腹で昼食の後,頂上へ向かう.オニマタタビ(キウイフルーツ)が山道沿いに植栽されていた.険しい道を登り,展望の良い頂上に到着.山頂の岩場でゲンカイツツジを何本か確認.世羅台地を一望した後,同じ山道を下る.石垣でミミナグサが見られた.公民館に到着の後,植生調査の中で使われる被度・群度の説明.解散し,帰途につく.
  
 
<div style="text-align:right">(G. Toyohara 記)</div>
 
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2012年7月9日 (月) 12:51時点における版

ヒコビアミニレター No. 344 (2008年8月5日)

2008年7月20日の第469回植物観察会は東広島市豊栄町安宿(あすか)の天神嶽(757.5 m)で行われた.安宿地区公民館(旧安宿小学校跡地)に10:00集合.参加者44名.担当豊原,現地案内井長.豊原によるシラカシとウラジロガシの県内での分布と植生の説明,井長による安宿の地名と山の名前,修験道との関係について解説の後,公民館を出発.前日の雨で蒸し暑い中,林道から山道に入る.途中,植生調査を行う.コシアブラやアオハダ,タムシバが多い森林.オオミズゴケの生育する湿地もあり,ホザキノミミカキグサやモウセンゴケ,ミカヅキグサ,イヌノハナヒゲなどが観察できた.秋の七草が生育しそうな環境が残っており,キキョウの花も開花.アカマツ林内の明るい場所でアリノトウグサが開花.山腹で昼食の後,頂上へ向かう.オニマタタビ(キウイフルーツ)が山道沿いに植栽されていた.険しい道を登り,展望の良い頂上に到着.山頂の岩場でゲンカイツツジを何本か確認.世羅台地を一望した後,同じ山道を下る.石垣でミミナグサが見られた.公民館に到着の後,植生調査の中で使われる被度・群度の説明.解散し,帰途につく.

(G. Toyohara 記)

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