植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter303

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ヒコビアミニレター No. 303 (2005年3月4日)

2005年2月20日の第428回植物観察会は呉市広町の螺山(つぶやま)で行われた.JR呉線広駅に10時集合.参加者40名.地質は南帯の古生層で,大崎上島,蒲刈島などと共通の粘板岩であり,山麓部は花崗岩である.北側斜面は尾根筋近くまでがコナラ,アベマキ,ムクノキなどの落葉広葉樹が優占する二次林であり,亜高木層以下にはカゴノキ,クロキ,アラカシ,ナナメノキなどの常緑広葉樹が落葉樹と混生する.ソヨゴ,アセビ,イヌツゲ,リョウブを探したが1本も見られなかったので,尾根筋の二次林はアカマツ-アラカシ群集ネズ亜群集に属し,潜在自然植生はコジイ林と推定された.斜面中腹から下部にかけて広く見られる二次林はコナラ-アベマキ群集に属し,潜在自然植生はムクノキ林と推定された.アカマツ-アラカシ群集のマツ林の多くはマツ枯れ後コナラの優占する二次林に変化しているが,その二次林はコナラ-アラカシ群集(仮称)とすべきものであり,潜在自然植生はコジイ林である.古生層,玄武岩,安山岩など特定の地質にみられる落葉広葉二次林と花崗岩や流紋岩地の落葉広葉二次林とは種組成が異なるが,花崗岩地であっても谷筋にはコナラ-アベマキ群集が見られるので,石灰岩地や蛇紋岩地と異なり,土壌の化学性よりも物理性の方が植生の成立と関係深いことを示唆している.

(G. Toyohara 記)

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