「東広島植物園/2021ホームカミングデー」の版間の差分

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[[広島大学の自然]] > [[東広島植物園]] > [[東広島植物園/2021ホームカミングデー|2021年度ホームカミングデー]]
 
[[広島大学の自然]] > [[東広島植物園]] > [[東広島植物園/2021ホームカミングデー|2021年度ホームカミングデー]]
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__NOTOC__
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=2021年度ホームカミングデー=
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2021.11.06 東広島植物園の施設公開を行いました.
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ファイル:20211106東広島植物園ホームカミングデー01_池田撮影_IMG_64753s.JPG|250px|thumb|right|2021年度ホームカミングデーの様子(東広島植物園; 撮影: 池田誠慈, Nov. 6, 2021)
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ファイル:20211106樹木クイズ_塩路撮影.JPG|250px|thumb|right|樹木クイズ(東広島植物園; 撮影: 塩路恒生, Nov. 6, 2021)
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ファイル:20211106工作体験コーナー_塩路撮影.JPG|250px|thumb|right|工作体験コーナー(東広島植物園; 撮影: 塩路恒生, Nov. 6, 2021)
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ファイル:20211106花苗配布_塩路撮影.JPG|250px|thumb|right|花苗配布(東広島植物園; 撮影: 塩路恒生, Nov. 6, 2021)
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ファイル:20211106コケ解説_塩路撮影.JPG|250px|thumb|right|コケ解説(東広島植物園; 撮影: 塩路恒生, Nov. 6, 2021)
  
=2021年度ホームカミングデー=
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==樹木クイズ解説==
 
==樹木クイズ解説==
回答の樹木の解説を載せています.
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*回答の樹木の解説を載せています.
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*問題に使用した植物は広島大学内にあるものを使っています.
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ファイル: 20211106東広島植物園ホームカミングデー02_池田撮影_IMG_64752s.JPG|250px|thumb|right|樹木クイズコーナーは3つコースがありました.
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===入門編===
 
===入門編===
====①====
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木の実ではないものも含まれています.
====②====
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====①[[カキノキ|カキ]]====
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*標準和名はカキノキ
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*果実は多肉の液果となっています.
====⑤====
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*西条柿は東広島市西条町寺家が原産地の渋柿です.完全渋柿に属し,軟熟するまで完全に渋が抜けず,果肉に褐斑ができません.
====⑥====
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====⑦====
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====⑧====
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ファイル: 20211106カキノキの果実_東広島鏡山_中村撮影_PB060345s.JPG|200px|thumb|right|カキノキの果実(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
====⑨====
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====⑩====
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====②[[キウイフルーツ 広島大学東広島キャンパス|キウイ]]====
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*マタタビ科のつる性木本.オニマタタビという呼び方もあります.
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ファイル: 20211106キウイフルーツ_東広島鏡山_中村撮影_PB060347s.JPG|200px|thumb|right|キウイフルーツ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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====③トウモロコシ====
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*イネの仲間で,穎果は多数つき,肉質.
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*唐唐黍が名前の意味で,唐黍,モロコシキビは蜀黍のことで,これに唐を加えてトウモロコシとなりました.
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*トウモロコシキビの略が名前の由来です.
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ファイル: 20211106トウモロコシ_東広島鏡山_中村撮影_PB060349s.JPG|200px|thumb|right|トウモロコシ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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====④サツマイモ====
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*一般に塊根が食べられていますが,葉や茎も食されることもあります.
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*果実は蒴果で,暖地ではまれに見ることができます.
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ファイル: 20211106サツマイモ_東広島鏡山_中村撮影_PB060350s.JPG|200px|thumb|right|サツマイモ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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====⑤[[イチジク 植物園・生態実験園|イチジク]]====
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*無花果という名前は花のうから来ています.
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*花のうの内部には無数の花があります.
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*雄花と雌花の区別はあるものの,日本には雄花はない.
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*本来であれば受粉には小さなハチ(イチジクコバチ)が必要ですが,日本のものはほとんど受粉を必要としない単為結果性品種です.
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ファイル: 20211106イチジク_東広島鏡山_中村撮影_PB060351s.JPG|200px|thumb|right|イチジク(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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====⑥[[カリン 広島大学東広島キャンパス|カリン]]====
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*果実は木質のため,生食できません.
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*陰干ししたものは咳止め薬になり,のど飴などにも使われることがあります.
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ファイル: 20211106カリン_東広島鏡山_中村撮影_PB060353s.JPG|200px|thumb|right|カリンの果実(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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====⑦[[ザクロ 広島大学東広島キャンパス|ザクロ]]====
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*果実は球形.
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*果皮が割れ,淡紅色の種子が現れます.外種皮は酸っぱいが食べることができます.
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*名前の由来は石榴の音に基づいたものです.
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ファイル: 20211106ザクロ_東広島鏡山_中村撮影_PB060354s.JPG|200px|thumb|right|ザクロの実(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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====⑧[[フェイジョア 広島大学東広島キャンパス|フェイジョア]]====
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*別名パイナップルグァバ.
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ファイル: 20211106フェイジョア_東広島鏡山_中村撮影_PB060356s.JPG|200px|thumb|right|フェイジョア(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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====⑨[[ヤマノイモ]]====
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*蒴果は平たく丸い羽根を持っています.種子は幕質翼を持ちます.
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*葉腋にムカゴができます.
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*ジネンジョウとも呼ばれますが,それは自然生のイモの意味から来ています.
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ファイル: 20211106ヤマノイモのむかご_東広島鏡山_中村撮影_PB060358s.JPG|200px|thumb|right|ヤマノイモのむかご(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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====⑩[[ケンポナシ]]====
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*核果は球形.
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*冬の初めに花序の枝が肉質に太くなり,甘い.
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*広島県では天然記念物に指定されているものもありますが,自生ではありません.
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ファイル: 20211106ケンポナシ果実_東広島鏡山_中村撮影_PB060361s.JPG|200px|thumb|right|ケンポナシの果実.黒っぽい球形の部分が果実.茶色の部分は枝.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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===発展編===
 
===発展編===
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ファイル: 20211106東広島植物園ホームカミングデー05_池田撮影_IMG_64751s.JPG|250px|thumb|right|発展コース
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====①[[ヤブツバキ 広島大学東広島キャンパス|ヤブツバキ]]====
 
====①[[ヤブツバキ 広島大学東広島キャンパス|ヤブツバキ]]====
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*よくツバキと呼ばれる植物.
 
*よくツバキと呼ばれる植物.
*種子からは椿油がとれ,その材は建材にも用いられることがある.
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*蒴果をつけ,その中から2から3つの種子が出てきます.
*その果実は[[ツバキシギゾウムシ 広島大学東広島キャンパス|ツバキシギゾウムシ]]という口吻が長い昆虫が利用することもある.
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*種子からは椿油がとれ,その材は建材にも用いられることもあります.
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*その果実は[[ツバキシギゾウムシ 広島大学東広島キャンパス|ツバキシギゾウムシ]]という口吻が長い昆虫が利用することもあります.
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ファイル: 20211106ヤブツバキの実_東広島鏡山_中村撮影_PB060371s.JPG|200px|thumb|right|ヤブツバキの実(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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ファイル:20070318ヤブツバキ_広島市福王寺山.jpg|200px|thumb|right|ヤブツバキの花(広島県広島市安佐北区可部町 福王寺山; 撮影: 垰田 宏, Mar. 18, 2007)
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====②[[アメリカヤマボウシ_広島大学東広島キャンパス|アメリカヤマボウシ]]====
 
====②[[アメリカヤマボウシ_広島大学東広島キャンパス|アメリカヤマボウシ]]====
 
*ハナミズキと呼ばれる樹木.
 
*ハナミズキと呼ばれる樹木.
*同じミズキ科の仲間である[[ヤマボウシ 広島大学東広島キャンパス|ヤマボウシ]]に似ており,アメリカ原産なことが名前の由来.
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*赤色の核果を複数つけます
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*同じミズキ科の仲間である[[ヤマボウシ 広島大学東広島キャンパス|ヤマボウシ]]に似ており,アメリカ原産なことが名前の由来です.
 
**[[アメリカヤマボウシとヤマボウシの見分け方]]
 
**[[アメリカヤマボウシとヤマボウシの見分け方]]
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ファイル: 20211106アメリカヤマボウシ_果実_東広島鏡山_中村撮影_PB060366s.JPG|200px|thumb|right|アメリカヤマボウシの果実(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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ファイル:20190419アメリカヤマボウシ花と苞_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_43077s.JPG|250px|thumb|right|アメリカヤマボウシ(ハナミズキ)の花と苞(白い部分)(広島大学総合博物館; 撮影: 池田誠慈, Apr. 19, 2019)
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====③[[コブシ_広島大学東広島キャンパス|コブシ]]====
 
====③[[コブシ_広島大学東広島キャンパス|コブシ]]====
*果実は袋果.その袋果が開裂すると赤色の種子が出てくる.実は噛むと,辛みがある.
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*果実は袋果.その袋果が開裂すると赤色の種子が出てきます.実は噛むと,辛みがあります.
*名前の由来は拳から.和名である「コブシ」が学名になった(Magnolia kobus).
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*名前の由来は拳から.和名である「コブシ」が学名になりました(Magnolia kobus).
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ファイル: 20211106コブシの実_東広島鏡山_中村撮影_PB060372s.JPG|200px|thumb|right|コブシの実(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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ファイル:20200731コブシ袋果_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_60104s.JPG|250px|thumb|right|コブシの袋果(たいか)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Jul. 31, 2020)
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====④[[クロガネモチ_広島大学東広島キャンパス|クロガネモチ]]====
 
====④[[クロガネモチ_広島大学東広島キャンパス|クロガネモチ]]====
*小さい核果をつける.
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*小さい核果をつけます.
*和名のクロガネモチは黒みがかった枝や葉の様子に基づいて名づけられた.また,葉は乾くと黒色になる.
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*和名のクロガネモチは黒みがかった枝や葉の様子に基づいて名づけられました.また,葉は乾くと黒色になります.
*公園などでよく見かける.
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*公園などでよく見かけることができます.
*鳥類に食べられて散布されることがある.
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*[[鳥散布|鳥類に食べられて散布]]されています.
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ファイル: 20211106クロガネモチ_東広島鏡山_中村撮影_PB060374s.JPG|200px|thumb|right|クロガネモチの果実(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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====⑤[[トチノキ_広島大学東広島キャンパス|トチノキ]]====
 
====⑤[[トチノキ_広島大学東広島キャンパス|トチノキ]]====
*果実は3裂する.
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*果実は3裂します.
*種子は食べることができ,すりつぶして栃餅にすることがある.
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*種子は食べることができ,すりつぶして栃餅にすることがあります.
*よく街路樹として見かけることができる.
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*よく街路樹として見かけることができます.
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ファイル: 20211106トチノキの実_東広島鏡山_中村撮影_PB060378s.JPG|200px|thumb|right|トチノキの実(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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====⑥[[サルトリイバラ|サルトリイバラ]]====
 
====⑥[[サルトリイバラ|サルトリイバラ]]====
*紅色の丸い実をつける.種子は黄褐色.
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*紅色の丸い実をつけます.種子は黄褐色.
*名前はトゲがあって猿が引っかかるということから猿捕りいばら(サルトリイバラ)ということから.
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*名前はトゲがあって猿が引っかかるということから猿捕りいばら(サルトリイバラ)というのが由来です.
*西日本では柏餅を包む葉に使われる.また,根茎は民間薬になるといわれている.
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*西日本では柏餅を包む葉に使われています.また,根茎は民間薬になるといわれています.
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ファイル: 20211106サルトリイバラの果実_東広島鏡山_中村撮影_PB060376s.JPG|200px|thumb|right|サルトリイバラの果実(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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====⑦[[イロハモミジ_広島大学東広島キャンパス|イロハモミジ]]====
 
====⑦[[イロハモミジ_広島大学東広島キャンパス|イロハモミジ]]====
*翼果をつける.(風によって散布される.)
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*翼果をつけます.(風によって散布されます.)
*カエデという呼び方は蛙手から来ている.
+
*カエデという呼び方は蛙手から来ています.
*モミジと呼ぶのは紅葉が他のものより優れていることから.
+
*モミジと呼ぶのは紅葉が他のものより優れていることからです.
*7裂する葉をイ,ロ,ハ,ニ...と7つ数えたからイロハモミジの名がついた.
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*7裂する葉をイ,ロ,ハ,ニ...と7つ数えたからイロハモミジの名がつきました.
*元々カエデ科に属していたが分類体系が[[被子植物の分類体系#新エングラー体系|新エングラー体系]]から[[被子植物の分類体系#APG体系(APG分類体系, APG植物分類体系)|APG体系]]に変わって,ムクロジ科になった.
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*元々カエデ科に属していたが分類体系が[[被子植物の分類体系#新エングラー体系|新エングラー体系]]から[[被子植物の分類体系#APG体系(APG分類体系, APG植物分類体系)|APG体系]]に変わって,ムクロジ科になりました.
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<gallery mode="nolines" widths="250" heights="250">
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ファイル: 20211106イロハモミジ翼果_東広島鏡山_中村撮影_PB060369s.JPG|200px|thumb|right|イロハモミジの翼果(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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====⑧[[モミジバフウ_広島大学東広島キャンパス|モミジバフウ]]====
 
====⑧[[モミジバフウ_広島大学東広島キャンパス|モミジバフウ]]====
*集合果をつける.
+
*集合果をつけます.
*漢字では紅葉葉楓と書き,葉はカエデの仲間によく似ているが,葉の付き方や果実の形態がカエデの仲間と異なる.(本種はフウ科で,カエデの仲間はムクロジ科)
+
*漢字では紅葉葉楓と書き,葉はカエデの仲間によく似ているが,葉の付き方や果実の形態がカエデの仲間と異なっています.(本種はフウ科で,カエデの仲間はムクロジ科)
*特徴として枝にコルク質の翼がつくことがある.
+
*特徴として枝にコルク質の翼がつくことがあります.
*街路樹としてよく見かける.
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*街路樹としてよく見かけます.
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ファイル: 20211106モミジバフウ_東広島鏡山_中村撮影_PB060363s.JPG|200px|thumb|right|モミジバフウの集合果(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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ファイル:20201027モミジバフウ落ち葉_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_60616s.JPG|250px|thumb|right|モミジバフウの落ち葉(工学部; 撮影: 池田誠慈, Oct. 27, 2020)
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====⑨[[ツノハシバミ_広島大学東広島キャンパス|ツノハシバミ]]====
 
====⑨[[ツノハシバミ_広島大学東広島キャンパス|ツノハシバミ]]====
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*食用とされることもある.
 
*食用とされることもある.
 
*ヘーゼルナッツの仲間(同じ属でハシバミ属).
 
*ヘーゼルナッツの仲間(同じ属でハシバミ属).
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ファイル: 20211106ツノハシバミ_東広島鏡山_中村撮影_PB060380s.JPG|200px|thumb|right|ツノハシバミの実(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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====⑩[[ドイツトウヒ_広島大学東広島キャンパス|ドイツトウヒ]]====
 
====⑩[[ドイツトウヒ_広島大学東広島キャンパス|ドイツトウヒ]]====
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*球果をつけます.
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*トウヒの仲間で最大の球果.
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*トウヒという名前は唐風のヒノキに見立てたことから来ています.
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*東広島キャンパスでは学生宿舎付近に植栽されています.
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ファイル: 20211106ドイツトウヒ_東広島鏡山_中村撮影_PB060382s.JPG|200px|thumb|right|ドイツトウヒの松ぼっくり(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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===挑戦編===
 
===挑戦編===
====①アベマキ====
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ファイル: 20211106東広島植物園ホームカミングデー06_池田撮影_IMG_64748s.JPG|250px|thumb|right|挑戦コース.どんぐりの葉っぱと堅果で種類を当てるものでした.
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堅果とはどんぐりのことで殻斗とはどんぐりの帽子の部分のことです.
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====①[[アベマキ_広島大学東広島キャンパス|アベマキ]]====
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*球形の堅果をつける.堅果のみではクヌギと見分けることは困難.
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*殻斗は大型でおわん型,線形の長い鱗片が密生してます.
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*クヌギと見分けるには葉の裏の毛の有無や,樹皮が参考になります.
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*アベマキの「アベ」は岡山県の方言である「アバタ」から来ており,樹皮のコルク層発達による凹凸からつけられました.
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*広島県ではアベマキが自生しています.
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ファイル: 20211106アベマキ堅果_東広島鏡山_中村撮影_PB060388s.JPG|200px|thumb|right|アベマキのドングリ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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====②[[クヌギ 広島大学東広島キャンパス|クヌギ]]====
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*球形の堅果をつけます.
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*殻斗は大型でおわん型,線形の長い鱗片が密生しています.
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*アベマキの葉よりやや細いです.
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*名前の由来は国木から.
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*広島県に自生はないと思われます.
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<gallery mode="nolines" widths="250" heights="250">
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ファイル: 20211106クヌギ堅果_東広島鏡山_中村撮影_PB060402s.JPG|200px|thumb|right|クヌギのドングリ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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====③[[コナラ_広島大学東広島キャンパス|コナラ]]====
 +
*楕円形もしくは円柱状の楕円形の堅果をつけます.
 +
*殻斗は皿状で,縁は薄ですい.
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*葉の特徴は先端寄りで最大の幅になることです.
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<gallery mode="nolines" widths="250" heights="250">
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ファイル: 20211106コナラ堅果_東広島鏡山_中村撮影_PB060413s.JPG|200px|thumb|right|コナラのドングリ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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</gallery>
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====④[[クリ]]====
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*堅果は1から3つ集まって,トゲのある総苞に包まれています.
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*名前の由来は黒実,クロミから来ています.
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*葉はクヌギに似ているが鋸歯の先端が緑色という点で区別するころができます.
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<gallery mode="nolines" widths="250" heights="250">
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ファイル: 20211106クリ_東広島鏡山_中村撮影_PB060414s.JPG|200px|thumb|right|クリ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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</gallery>
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====⑤[[ウバメガシ 広島大学東広島キャンパス|ウバメガシ]]====
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*楕円形または紡錘状楕円形で先端がとがった堅果をつけます.
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*果実は食べることができます.
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*殻斗(どんぐりの帽子の部分)はおわん型で縁は薄く,瓦状の鱗片が重なった形をしています.
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*とても材が堅いため備長炭の材に用いられます.
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<gallery mode="nolines" widths="250" heights="250">
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ファイル: 20211106ウバメガシ堅果_東広島鏡山_中村撮影_PB060399s.JPG|200px|thumb|right|ウバメガシのドングリ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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</gallery>
 +
 
 +
====⑥[[マテバシイ]]====
 +
*堅果は堅く,長楕円形もしくは楕円形.
 +
*翌年の秋に熟します.
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*殻斗(どんぐりの帽子の部分)は皿状で鱗片は瓦状に並びます.
 +
*種子は食べることができるが味は良くありません.
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*マテバシイという名前の「マテ」は九州の方言で意味は不明.
 +
<gallery mode="nolines" widths="250" heights="250">
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ファイル: 20211106マテバシイ堅果_東広島鏡山_中村撮影_PB060408s.JPG|200px|thumb|right|マテバシイのドングリ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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====⑦[[スダジイ 広島大学東広島キャンパス|スダジイ]]====
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*円錐状卵形の堅果をつけます.
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*表面に横線上に並んだ小さな突起がある総苞が堅果を包んでます.
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*白色の子葉をもった種子は食用になります.
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*スダジイの「スダ」の由来は不明.
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*よく似た種に[[ツブラジイ|ツブラジイ(コジイ]])があるが,ツブラジイの方が葉が薄いです.
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ファイル: 20211106スダジイ堅果_東広島鏡山_中村撮影_PB060407s.JPG|200px|thumb|right|スダジイのドングリ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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====⑧[[ナラガシワ]]====
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*楕円形の堅果をつけます.
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*殻斗はおわん型で,縁は厚く,外側に小鱗片が接着しています.
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ファイル: 20211106ナラガシワ堅果_東広島鏡山_中村撮影_PB060393s.JPG|200px|thumb|right|ナラガシワのドングリ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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====⑨[[シラカシ 広島大学東広島キャンパス|シラカシ]]====
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*堅果は広楕円形.
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*殻斗は浅いおわん型で,外側は横輪模様になっています.
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*名前の由来は白かしで,材が白いことから来ています.
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*広島大学理学部のシンボルツリー.
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ファイル: 20211106シラカシ堅果_東広島鏡山_中村撮影_PB060385s.JPG|200px|thumb|right|シラカシのドングリ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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====②クヌギ====
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====⑩[[アラカシ 広島大学東広島キャンパス|アラカシ]]====
====③コナラ====
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*球状楕円形の堅果をつけます.
====④クリ====
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*殻斗はおわん型で,外側は横輪模様になっています.
====⑤ウバメガシ====
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*広島県の山でよく見かけます.
====⑥マテバシイ====
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*材の利用は様々にわたり,木炭に適しています.
====⑦スダジイ====
+
*枝や葉が粗いことからアラカシとなったと,推測されます.
====⑧ナラガシワ====
+
*カシの由来は堅木で樫と読ませることから.
====⑨シラカシ====
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**[[アラカシとシラカシの見分け方]]
====⑩アラカシ====
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ファイル: 20211106アラカシ堅果_東広島鏡山_中村撮影_PB060396s.JPG|200px|thumb|right|アラカシのドングリ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 中村 創, Nov. 06, 2021)
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===木の実についてもっと知る===
 
===木の実についてもっと知る===
 
*[[木の実ページ|木の実について]]
 
*[[木の実ページ|木の実について]]
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===クイズのあとは===
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ファイル: 20211106東広島植物園ホームカミングデー07_池田撮影_IMG_64755s.JPG|250px|thumb|right|クイズ挑戦者には花苗のプレゼントがありました.
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ファイル: 20211106東広島植物園ホームカミングデー08_池田撮影_IMG_64757s.JPG|250px|thumb|right|総合博物館の学生スタッフ,HUMs(フムズ)も応援に駆けつけてくれました.
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==当日の様子==
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ファイル: 20211106東広島植物園ホームカミングデー04_池田撮影_IMG_64754s.JPG|250px|thumb|right|樹木クイズには多くの参加がありました.
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ファイル: 20211106東広島植物園ホームカミングデー09_池田撮影_PB066478s.JPG|250px|thumb|right|お正月飾りのしめ縄作りのコーナーもありました.
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ファイル: 20211106東広島植物園ホームカミングデー10_池田撮影_PB066479s.JPG|250px|thumb|right|ぶんぶんごまを自作して遊びました.
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==大温室公開==
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今回のホームカミングデーには広島大学総合博物館公認学生ボランティア,「キャンパス・スチューデント・レンジャー(CSR)」が活躍してくれました.
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===CSRの展示===
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ファイル: 20211106東広島植物園ホームカミングデー11_池田撮影_PB066480s.JPG|250px|thumb|right|キャンパス・スチューデント・レンジャーのポスター展示
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ファイル: 20211106東広島植物園ホームカミングデー12_池田撮影_PB066481s.JPG|250px|thumb|right|コケ観察コーナー
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ファイル: 20211106東広島植物園ホームカミングデー13_池田撮影_PB066482s.JPG|250px|thumb|right|コケに霧吹きをかけると形が変わるものがあります.
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===南西諸島の植物===
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入り口には南西諸島の植物が生育しています.
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ファイル: 20211112オキナワウラジロガシ_東広島植物園_池田撮影_IMG_64759s.JPG|250px|thumb|right|オキナワウラジロガシ.日本最大のどんぐりがなる樹です.|link=オキナワウラジロガシ_植物園・生態実験園
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ファイル: 20211112アコウ_東広島植物園_池田撮影_IMG_64760s.JPG|250px|thumb|right|アコウ.幹や枝にイチジクに似た花をつけます.
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ファイル: 20211112セイシカ_東広島植物園_池田撮影_IMG_64758s.JPG|250px|thumb|right|セイシカ(ヤエヤマセイシカ)のつぼみ.花期は3月.|link=セイシカ_植物園・生態実験園
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ファイル: 20211112リュウキュウツワブキつぼみ_東広島植物園_池田撮影_IMG_64761s.JPG|250px|thumb|right|リュウキュウツワブキ(つぼみ).渓流に適応して葉が円くなっています.|link=リュウキュウツワブキ_植物園・生態実験園
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*[[日本の植生と亜熱帯林について]]
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===陸上植物の系統===
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近年の分子生物学的研究で植物の分類も大きく変わりました.それを反映した展示も行いました.
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ファイル: 20211106東広島植物園ホームカミングデー14_池田撮影_PB066483s.JPG|250px|thumb|right|植物の陸上進化の流れも展示していました.これはヒカゲノカズラ植物です.
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ファイル: 20211106東広島植物園ホームカミングデー16_池田撮影_PB066485s.JPG|250px|thumb|right|狭義(狭い意味)でのシダ植物や裸子植物
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ファイル: 20211106東広島植物園ホームカミングデー15_池田撮影_PB066484s.JPG|250px|thumb|right|現生の裸子植物を集めたコーナーです.
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*[[植物/被子植物の分類体系について|被子植物の分類体系について]]
  
 
==脚注==
 
==脚注==
 
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===大学祭===
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2023年4月8日 (土) 05:11時点における最新版

広島大学の自然 > 東広島植物園 > 2021年度ホームカミングデー

2021年度ホームカミングデー

2021.11.06 東広島植物園の施設公開を行いました.

樹木クイズ解説

  • 回答の樹木の解説を載せています.
  • 問題に使用した植物は広島大学内にあるものを使っています.

入門編

木の実ではないものも含まれています.

カキ

  • 標準和名はカキノキ
  • 果実は多肉の液果となっています.
  • 西条柿は東広島市西条町寺家が原産地の渋柿です.完全渋柿に属し,軟熟するまで完全に渋が抜けず,果肉に褐斑ができません.

キウイ

  • マタタビ科のつる性木本.オニマタタビという呼び方もあります.

③トウモロコシ

  • イネの仲間で,穎果は多数つき,肉質.
  • 唐唐黍が名前の意味で,唐黍,モロコシキビは蜀黍のことで,これに唐を加えてトウモロコシとなりました.
  • トウモロコシキビの略が名前の由来です.

④サツマイモ

  • 一般に塊根が食べられていますが,葉や茎も食されることもあります.
  • 果実は蒴果で,暖地ではまれに見ることができます.


イチジク

  • 無花果という名前は花のうから来ています.
  • 花のうの内部には無数の花があります.
  • 雄花と雌花の区別はあるものの,日本には雄花はない.
  • 本来であれば受粉には小さなハチ(イチジクコバチ)が必要ですが,日本のものはほとんど受粉を必要としない単為結果性品種です.

カリン

  • 果実は木質のため,生食できません.
  • 陰干ししたものは咳止め薬になり,のど飴などにも使われることがあります.


ザクロ

  • 果実は球形.
  • 果皮が割れ,淡紅色の種子が現れます.外種皮は酸っぱいが食べることができます.
  • 名前の由来は石榴の音に基づいたものです.

フェイジョア

  • 別名パイナップルグァバ.

ヤマノイモ

  • 蒴果は平たく丸い羽根を持っています.種子は幕質翼を持ちます.
  • 葉腋にムカゴができます.
  • ジネンジョウとも呼ばれますが,それは自然生のイモの意味から来ています.


ケンポナシ

  • 核果は球形.
  • 冬の初めに花序の枝が肉質に太くなり,甘い.
  • 広島県では天然記念物に指定されているものもありますが,自生ではありません.

発展編

ヤブツバキ

  • よくツバキと呼ばれる植物.
  • 蒴果をつけ,その中から2から3つの種子が出てきます.
  • 種子からは椿油がとれ,その材は建材にも用いられることもあります.
  • その果実はツバキシギゾウムシという口吻が長い昆虫が利用することもあります.

アメリカヤマボウシ

コブシ

  • 果実は袋果.その袋果が開裂すると赤色の種子が出てきます.実は噛むと,辛みがあります.
  • 名前の由来は拳から.和名である「コブシ」が学名になりました(Magnolia kobus).

クロガネモチ

  • 小さい核果をつけます.
  • 和名のクロガネモチは黒みがかった枝や葉の様子に基づいて名づけられました.また,葉は乾くと黒色になります.
  • 公園などでよく見かけることができます.
  • 鳥類に食べられて散布されています.

トチノキ

  • 果実は3裂します.
  • 種子は食べることができ,すりつぶして栃餅にすることがあります.
  • よく街路樹として見かけることができます.

サルトリイバラ

  • 紅色の丸い実をつけます.種子は黄褐色.
  • 名前はトゲがあって猿が引っかかるということから猿捕りいばら(サルトリイバラ)というのが由来です.
  • 西日本では柏餅を包む葉に使われています.また,根茎は民間薬になるといわれています.

イロハモミジ

  • 翼果をつけます.(風によって散布されます.)
  • カエデという呼び方は蛙手から来ています.
  • モミジと呼ぶのは紅葉が他のものより優れていることからです.
  • 7裂する葉をイ,ロ,ハ,ニ...と7つ数えたからイロハモミジの名がつきました.
  • 元々カエデ科に属していたが分類体系が新エングラー体系からAPG体系に変わって,ムクロジ科になりました.

モミジバフウ

  • 集合果をつけます.
  • 漢字では紅葉葉楓と書き,葉はカエデの仲間によく似ているが,葉の付き方や果実の形態がカエデの仲間と異なっています.(本種はフウ科で,カエデの仲間はムクロジ科)
  • 特徴として枝にコルク質の翼がつくことがあります.
  • 街路樹としてよく見かけます.

ツノハシバミ

  • 堅果をつけるが,総苞によって包まれている.その総苞の先端が弓なりに曲がる.
  • 曲がり,角のように見える総苞が名前の由来.
  • 食用とされることもある.
  • ヘーゼルナッツの仲間(同じ属でハシバミ属).

ドイツトウヒ

  • 球果をつけます.
  • トウヒの仲間で最大の球果.
  • トウヒという名前は唐風のヒノキに見立てたことから来ています.
  • 東広島キャンパスでは学生宿舎付近に植栽されています.

挑戦編

堅果とはどんぐりのことで殻斗とはどんぐりの帽子の部分のことです.

アベマキ

  • 球形の堅果をつける.堅果のみではクヌギと見分けることは困難.
  • 殻斗は大型でおわん型,線形の長い鱗片が密生してます.
  • クヌギと見分けるには葉の裏の毛の有無や,樹皮が参考になります.
  • アベマキの「アベ」は岡山県の方言である「アバタ」から来ており,樹皮のコルク層発達による凹凸からつけられました.
  • 広島県ではアベマキが自生しています.

クヌギ

  • 球形の堅果をつけます.
  • 殻斗は大型でおわん型,線形の長い鱗片が密生しています.
  • アベマキの葉よりやや細いです.
  • 名前の由来は国木から.
  • 広島県に自生はないと思われます.

コナラ

  • 楕円形もしくは円柱状の楕円形の堅果をつけます.
  • 殻斗は皿状で,縁は薄ですい.
  • 葉の特徴は先端寄りで最大の幅になることです.

クリ

  • 堅果は1から3つ集まって,トゲのある総苞に包まれています.
  • 名前の由来は黒実,クロミから来ています.
  • 葉はクヌギに似ているが鋸歯の先端が緑色という点で区別するころができます.

ウバメガシ

  • 楕円形または紡錘状楕円形で先端がとがった堅果をつけます.
  • 果実は食べることができます.
  • 殻斗(どんぐりの帽子の部分)はおわん型で縁は薄く,瓦状の鱗片が重なった形をしています.
  • とても材が堅いため備長炭の材に用いられます.

マテバシイ

  • 堅果は堅く,長楕円形もしくは楕円形.
  • 翌年の秋に熟します.
  • 殻斗(どんぐりの帽子の部分)は皿状で鱗片は瓦状に並びます.
  • 種子は食べることができるが味は良くありません.
  • マテバシイという名前の「マテ」は九州の方言で意味は不明.

スダジイ

  • 円錐状卵形の堅果をつけます.
  • 表面に横線上に並んだ小さな突起がある総苞が堅果を包んでます.
  • 白色の子葉をもった種子は食用になります.
  • スダジイの「スダ」の由来は不明.
  • よく似た種にツブラジイ(コジイ)があるが,ツブラジイの方が葉が薄いです.

ナラガシワ

  • 楕円形の堅果をつけます.
  • 殻斗はおわん型で,縁は厚く,外側に小鱗片が接着しています.

シラカシ

  • 堅果は広楕円形.
  • 殻斗は浅いおわん型で,外側は横輪模様になっています.
  • 名前の由来は白かしで,材が白いことから来ています.
  • 広島大学理学部のシンボルツリー.

アラカシ

  • 球状楕円形の堅果をつけます.
  • 殻斗はおわん型で,外側は横輪模様になっています.
  • 広島県の山でよく見かけます.
  • 材の利用は様々にわたり,木炭に適しています.
  • 枝や葉が粗いことからアラカシとなったと,推測されます.
  • カシの由来は堅木で樫と読ませることから.

木の実についてもっと知る

クイズのあとは

当日の様子


大温室公開

今回のホームカミングデーには広島大学総合博物館公認学生ボランティア,「キャンパス・スチューデント・レンジャー(CSR)」が活躍してくれました.

CSRの展示

南西諸島の植物

入り口には南西諸島の植物が生育しています.

陸上植物の系統

近年の分子生物学的研究で植物の分類も大きく変わりました.それを反映した展示も行いました.

脚注

大学祭


広島大学 > 広島大学デジタルミュージアム > キャンパスまるごと博物館 > 広島大学の自然 > 東広島植物園 > 2021年ホームカミングデー