「東広島キャンパスの生き物」の版間の差分

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ファイル: 20210618クロシタアオイラガ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_220140s.jpg|250px|thumb|right|クロシタアオイラガの成虫.[[アオイラガ_広島大学東広島キャンパス|アオイラガ]]や[[ヒロヘリアオイラガ_広島大学東広島キャンパス|ヒロヘリアオイラガ]]に比べ小型(開翅長は30 mmに満たない).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 18, 2021)|link=クロシタアオイラガ_広島大学東広島キャンパス
 
ファイル: 20210618クロシタアオイラガ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_220140s.jpg|250px|thumb|right|クロシタアオイラガの成虫.[[アオイラガ_広島大学東広島キャンパス|アオイラガ]]や[[ヒロヘリアオイラガ_広島大学東広島キャンパス|ヒロヘリアオイラガ]]に比べ小型(開翅長は30 mmに満たない).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 18, 2021)|link=クロシタアオイラガ_広島大学東広島キャンパス
 
ファイル: 20210612ムラサキイラガ交尾_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_222903s.jpg|250px|thumb|right|交尾中のムラサキイラガ.翅と腹部が直角になるようなとまり方をする.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 12, 2021)|link=ムラサキイラガ_広島大学東広島キャンパス
 
ファイル: 20210612ムラサキイラガ交尾_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_222903s.jpg|250px|thumb|right|交尾中のムラサキイラガ.翅と腹部が直角になるようなとまり方をする.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 12, 2021)|link=ムラサキイラガ_広島大学東広島キャンパス
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初夏の間にしか鳴き声を聞くことができないバッタ類の紹介をします.[[ナキイナゴ_広島大学東広島キャンパス|ナキイナゴ]]は[[ススキ]]などが茂る丘陵の草地に多く,オスは日中脚と翅をこすり合わせて「ジキジキジキ...」と鳴きます.[[キンヒバリ_広島大学東広島キャンパス|キンヒバリ]]は[[生態実験園]]や[[ふれあいビオトープ]]の湿地に多く,主に夜間「リッリッリッリーー」と高い声で鳴きます.[[コガタコオロギ_広島大学東広島キャンパス|コガタコオロギ]]は空き地や荒地の物陰で「ビー!!」と鳴き,意識すると夜の広大通りやブールバールでよく鳴いているのがわかります.
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ファイル: 20210617ナキイナゴ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_219731s.jpg |250px|thumb|right|ナキイナゴの成虫(オス).メスより黄色く,翅が長い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2021)|link=ナキイナゴ_広島大学東広島キャンパス
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ファイル: 20210615キンヒバリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_219067s.jpg|250px|thumb|right|葉の裏から身を乗り出して鳴くキンヒバリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2021)|link=キンヒバリ_広島大学東広島キャンパス
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ファイル: 20210618コガタコオロギ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影IMG_220049s.jpg |250px|thumb|right|求愛するコガタコオロギ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 18, 2021)|link=コガタコオロギ_広島大学東広島キャンパス
 
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2021年6月21日 (月) 22:37時点における版

広島大学 > デジタル自然史博物館 > メインページ > 広島大学の自然 > 東広島キャンパスの動物 > 東広島キャンパスの生き物

キャンパスで現在見られる動物の情報です.名前や写真をクリックすると解説ページに移動します(黄色く反転しているリンクは作成中のページです).

2021

6月

2021.06.13-18 東広島キャンパスではゲンジボタルが舞っています.主に小川や渓流を生息地とし,日本産ホタルの中でも大型種で光もよく目立ちます.かつてはキャンパス内の湿地でヘイケボタルも多く見られましたが,アメリカザリガニの侵入などとともに激減し,現在では数年に一度目撃されるのみになってしまいました.これらの2種に加え,キャンパス内ではオオマドボタルオバボタルムネクリイロボタルの計5種が確認されています.後3種は昼行性で,強く発光することはありません.ここではオオマドボタルを除いた4種の写真を掲載します.

アラカシアベマキなどのブナ科から染み出す樹液に多くのクワガタムシが集まるようになりました.スジクワガタコクワガタは同所的に見られ酷似していますが,スジクワガタの大型個体(オス)では大顎の内歯が二股に分かれて2本に見え,一方コクワガタの大型個体(オス)では大顎の内歯が1本だけであることで識別できます.しかし,メスやオスの小型個体では当てはまらないため要注意です.ネブトクワガタは他の甲虫が集まらない樹種(モミケンポナシなど)に集まっていることが多いです.

個性的な甲虫たちです.アカガネサルハムシはヤマトタマムシのような赤と緑の金属光沢が美しいハムシで,主にノブドウの周囲で観察されます.ゴマダラオトシブミは揺り籠(葉で巻いた産室)を切り落とさないタイプのオトシブミで,ブナ科植物(主にクリ)の葉上で見られます.キノコゴミムシアベマキの樹液や硬質菌(カワラタケなど)で覆われた枯れ木などに見られるゴミムシで,ヨツボシケシキスイオオキノコムシ類に似た斑紋を有します.

梅雨期はイラガ科の蛾をよく見かけます.多くの種で幼虫がデンキムシと呼ばれる有毒の派手なケムシですが,成虫は無毒です.ヒロヘリアオイラガクロシタアオイラガアオイラガなどのアオイラガ類は緑と褐色を基調としており,やや同定が難しいグループです.

初夏の間にしか鳴き声を聞くことができないバッタ類の紹介をします.ナキイナゴススキなどが茂る丘陵の草地に多く,オスは日中脚と翅をこすり合わせて「ジキジキジキ...」と鳴きます.キンヒバリ生態実験園ふれあいビオトープの湿地に多く,主に夜間「リッリッリッリーー」と高い声で鳴きます.コガタコオロギは空き地や荒地の物陰で「ビー!!」と鳴き,意識すると夜の広大通りやブールバールでよく鳴いているのがわかります.

6月の上旬~中旬にかけては,アカシジミウラナミアカシジミなど樹状性のシジミチョウであるゼフィルスを観察することができました.夕方になると活性が高まり,コナラアベマキの周囲を飛翔する姿が見られます.ゴイシシジミは成虫がササ類につくアブラムシ(ササコナフキツノアブラムシ)の分泌液を吸うため,ササの茂る環境で観察されます.

  • 2021.06.5-06.12 田植えが終わった生態実験園の水田では、ケラが泳ぐ姿を観察することができました.基本地中に生息している本種ですが,水面を滑るように泳ぐこともできます.ケラの多い湿地にはミイデラゴミムシも多く見られます.つままれたりすると,腹部の先端から高温のガスを噴射しますがその音が「プーッ!!」とおならのような音であることから「へっぴり虫」と呼ばれてきました.


梅雨時期に見られる蛾を紹介します.シンジュサンはヤママユ科の大型種で,夜に外灯の周りをゆったりと飛翔する姿が見られます.翅には4つの三日月状斑があるのが特徴です.アケビコノハは年に数回成虫が出現します.この時期はビロードイチゴなどのキイチゴ類の汁を吸うようです.ゴマケンモンは地衣類のような模様が特徴で,ケンモンミドリキリガに似ていますが,本種は梅雨時期にのみ現れ,ケンモンミドリキリガは晩秋にのみ現れます.

  • 2021.05.24-06.07 発見の小径ではハルゼミがさかんに鳴いています.本種は幼虫成虫ともにマツ類への依存が強く,基本的にマツ林でしか見られません.また,小径でニホンアナグマを観察することができました.視力がよくないためか撮影者の近くまで寄ってきましたが,シャッター音に驚いて逃げていきました.湿地ではトノサマガエルが鳴いている様子も見られます.

小川でキイロサナエが発見されました.砂泥が堆積した緩やかな川に生息します.同属で類似種のヤマサナエとの識別はオスではやや難しいですが,胸のL字斑の形の違いや,尾端付属器の長さの違いなどを総合的に判断して識別します.同じ川ではグンバイトンボの産卵も観察することができました.

ベニボタルがキャンパスでよく見られる季節になりました.本種は体内に毒をもっているとされ,赤紫色の翅で天敵にアピールしています.そしてこの甲虫にベイツ型擬態(害のある虫に自らの姿を似せる擬態)をしている昆虫がキャンパスでも多く見られます.ベニカミキリは花によく集まるカミキリムシで,幼虫は枯れた竹材を食べます.セグロベニトゲアシガは蛾でありながら甲虫のベニボタルによく似ており,幼虫はササ類につくアブラムシを食べます.すでに出現時期が終わりましたが,アカハネムシベニボタルに似た色と姿形をしています.

タマムシ類の紹介です.アオマダラタマムシは,サクラソヨゴなどの伐採木に集まり,山中池で多く見られます.ヒラタチビタマムシクズノチビタマムシは小型のタマムシで,前者はナガバモミジイチゴビロードイチゴなどのキイチゴ類を食草とし,後者はクズを食草とします.

5月

雨が続いているのでキノコや陸生貝類が観察しやすくなっています.セトウチマイマイコベソマイマイはキャンパスで広く見られますが,大型種のイズモマイマイは生息地が非常に限られています.ヤマナメクジはかなりの大型種で,キノコを食べている姿を観察できます.コツチグリスジオチバタケは林縁部で観察できました.

スズメガ科の蛾です.ウンモンスズメアキニレケヤキを食草とし,緑色の斑紋と桃色の後翅が美しい昆虫です.コウチスズメスノキを食草とし,後翅の眼状紋が特徴です.ホソバスズメヌルデを食草とし,黄褐色で細長い体をしています.


昆虫以外の節足動物です.サワガニマメザトウムシは冷涼湿潤な沢沿いに多く見られます.サワガニは体色の変異が見られます.トビズムカデは森や草地など様々な環境に見られ,建物の周辺でもよく出現します.

クモには甲殻類の名を冠した種やグループが存在します.その一部を紹介します.ワカバグモはカニグモ科のクモで,体が扁平で第1歩脚と第2歩脚が長いその姿はたしかに蟹を彷彿とさせるものがあります.キンイロエビグモはエビグモ科に属し,カニグモに比べやや縦長な印象です.ヤドカリグモはエビグモ科ヤドカリグモ属に属しますが,外見にヤドカリの要素はほとんどありません.これらに加え,キャンパスではエビグモ科シャコグモ属に分類されるシャコグモも生息します.

4月

キャンパスで見られた夏鳥や,春を告げる鳥たちです.キビタキクロツグミは代表的な夏鳥で,前者はキャンパスでもしばしば鳴き声を聞きます.そのほかセンダイムシクイエゾムシクイなどのムシクイ類やヤブサメの鳴き声を聞くことができました. キジヒバリセグロセキレイは農耕地で見られます.

4月に観察されたトンボです.トラフトンボは今年キャンパスでの発生数が多く,山中池などでも観察できました.シオヤトンボは例年通りふれあいビオトープ生態実験園で見られました.タベサナエフタスジサナエは前者がアカデミック地区に多く,後者が山中池などのアカデミック地区から少し外れたため池で観察できます.ホソミオツネントンボは越冬明けの青い個体が多く見られ,アサヒナカワトンボは山中谷川で今年も発生しています.

春を告げるクモを紹介します.アオオニグモは春の代表的なオニグモ類で,民家の庭などでも観察できる身近な種類です.ビジョオニグモという類似種も存在しますが,本種は春から初夏にかけて成体が出現するのに対し,ビジョオニグモは秋から初冬にかけて成体が見られます.サガオニグモはやや暗い森林に見られる縦長のオニグモで,コガネグモ類に類似した「隠れ帯」という装飾を巣の中央につけます.ネコハエトリも身近なハエトリグモの一種で,オスの成体は春だけ観察することができます.

マルハナバチやクマバチは,春にフジやツツジの周りで簡単に観察することができます.羽音が大きく怖いという印象を持たれがちですが,むやみに触らなければ基本的に人に危害を加えることはありません.

マルハナバチと同様にハナムグリ類も花に集まっている様子が観察できます.身近な種としてコアオハナムグリアオハナムグリナミハナムグリが生息し,いずれもよく似ていますが色彩や大きさ,毛深さなどから識別可能です.

シャクガ科の幼虫といえばいわゆる細長い「シャクトリムシ」がイメージされますが,中には大変奇妙な姿をしているものもいます.クロモンキリバエダシャクの幼虫は背面に二股に分かれた突起を持ちます.オカモトトゲエダシャクの幼虫はコブが多く,鳥の糞のような色の体をしています.クロスジアオシャクはブナ科の若芽に似た突起の多い体をしています.

青い翅が美しいチョウ目の昆虫です.アオスジアゲハは日中活発に飛翔し,様々な花の蜜を吸っていきます.オオミズアオオナガミズアオはやや識別の難しい大型蛾です.詳しい解説はそれぞれの個別ページをご覧ください.

3月

  • 2021.03.01-14 日中は気温が上がるようになってきました.春の陽射しを浴びて昆虫たちが活動を始めています.

夜間の湿地では孵化したニホンアカガエルの幼生を狙ってか,捕食者のアカハライモリやアメリカザリガニが顔を出していました.

ニホンカナヘビの姿を見ることができました.東広島キャンパスでの個体数は多く,素早く逃げていく様子をよく目にします. ニホントカゲと比べてほっそりとした光沢のない体つきと,長い尾が特徴です.

2月

  • 2021.02.13-28 上旬~中旬に産まれたニホンアカガエルの卵塊が孵化しています.現在湿地にはたくさんのオタマジャクシが泳いでいます.

早春の蛾が出現しています.オカモトトゲエダシャクは静止時に翅を折り畳むのが特徴ですが,類似種のクワトゲエダシャクも同時期に出現するので同定には注意が必要です.トビモンオオエダシャクは大型のシャクガで,2月-3月にかけて比較的多くの個体を観察することができます.シロトゲエダシャクはメスの翅が退化しているフユシャクガの一種です.

今年の東広島キャンパスにおける飛来数の多かった冬鳥は,トラツグミマヒワでした.トラツグミはやや薄暗い林縁の落ち葉溜まりや草地に降り立ち,ミミズやアオドウガネなどのコガネムシ類の幼虫を捕食する様子が観察されます.マヒワは「クチュクチュ・チュイーン」などと鳴きながら群れで飛翔し,ヤシャブシの実を食べることが多いです.ベニマシコヨモギなどが茂る草地で「フィッ・フィッ・ホッ」と鳴いています.

植物が密に茂っている藪の中にはミソサザイが潜んでいることがあり,ウグイスに似た声で「チャッ・チャッ」と鳴きながら素早く動き回ります.ハイタカはオスがメスより一回り小型で,樹間を敏捷に飛翔し,小鳥などを狩ります.ルリビタキジョウビタキに比べるとやや薄暗い林縁部などに多く,成熟したオスは美しい瑠璃色をしています.

留鳥や比較的観察しやすい冬鳥の一覧です.アオジは薄暗い林縁や薮を好み,やや鋭い声で「チッ・チッ」と鳴きます.ジョウビタキは開けた場所の枝や杭にとまり,尾を振りながら「ヒッ・ヒッ」と鳴きます.ヒヨドリは畑や草地で野菜や野草を食べ,スズメは群れで集まって棒にとまる様子が見られました.ハクセキレイは雪が薄く積もった道を歩いていました.

ががら山でサンショウクイの亜種であるリュウキュウサンショウクイを観察することができました.近年分布を北に拡大しており,東広島市では冬鳥のようです.時折「リーーー!!」という鳴き声を発しながら飛翔します.トビノスリは生息環境が似ており見間違えやすい猛禽類ですが,前者は一回り大型で尾羽の先が直線的,かつ翼に一対の白斑があります.一方,後者は腹に茶色い帯があり,翼に一対の茶色い斑があります.

1月30日にトモエガモの目撃情報がありました.数羽の群れで入ってきたようです.ホシハジロハシビロガモも観察することができました.

ががら山でコゲラミヤマホオジロなどを観察することができました.各講義棟ではイソヒヨドリを見かけることがあります.

常緑広葉樹の葉裏や広葉樹の小枝,冬芽には昆虫が越冬していたり,擬態していたりします.

1月

アキサンショウウオは広島県と愛媛県にのみ分布する止水性のサンショウウオです.従来カスミサンショウウオとされていた種ですが,近年9種に再分類された内の一種です.(Matsui et al. 2019)

東広島キャンパスでトラツグミを観察することができました.黒い鱗のような模様に覆われている大型のツグミですが,林床などではほとんど目立ちません.頭を動かさず体だけを揺する特徴的な動作を見せることもあります.シロハラが越冬中のシュレーゲルアオガエルを捕らえる様子や,ハシブトガラスネズにとまる様子を観察することができました.

ヤシャブシハンノキの木が多く生えている場所ではマヒワの群れを観察することができました。オスは頭頂が黒く,体の黄色みが強いのが特徴です.「クチュクチュクチュ・チュイーン」と鳴きます.セイタカアワダチソウヨモギの生える開けた草地ではベニマシコを観察することができました.オスの成鳥は薄紅色をしています.「ピポ・ピポ」と鳴きます.エナガはカラ類やメジロとしばしば混群を形成しており,学内でもよく見かけます.

キャンパスで1月に見られた主な猛禽類です.ミサゴは学内のため池の上空を飛んでいることが多いです.

  • 2021.01.01 あけましておめでとうございます.

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