「東広島キャンパスの生き物」の版間の差分

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トンボの紹介です.水草の豊富な池では[[ムスジイトトンボ_広島大学東広島キャンパス|ムスジイトトンボ]]が見られます.[[オオイトトンボ_広島大学東広島キャンパス|オオイトトンボ]]によく似ており,細かな違いを確認する必要があります.[[オオルリボシヤンマ_広島大学東広島キャンパス|オオルリボシヤンマ]]は過去のトンボ相調査(青山ほか 2014)でも記録がなく,キャンパス内で毎年発生した個体かどうかは不明です.浅くなった泥地では[[マユタテアカネ_広島大学東広島キャンパス|マユタテアカネ]]の連結産卵が見られます.
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トンボの紹介です.水草の豊富な池では[[ムスジイトトンボ_広島大学東広島キャンパス|ムスジイトトンボ]]が見られます.[[オオイトトンボ_広島大学東広島キャンパス|オオイトトンボ]]によく似ており,細かな違いを確認する必要があります.[[オオルリボシヤンマ_広島大学東広島キャンパス|オオルリボシヤンマ]]は過去のトンボ相調査(青山ほか 2014)でも記録がなく,キャンパス内のため池で発生した個体かどうかは不明です.浅くなった泥地では[[マユタテアカネ_広島大学東広島キャンパス|マユタテアカネ]]の連結産卵が見られます.
  
 
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2020年10月1日 (木) 12:36時点における版

広島大学 > デジタル自然史博物館 > メインページ > 広島大学の自然 > 東広島キャンパスの動物 > 東広島キャンパスの生き物

キャンパスで現在見られる動物の情報です.写真や名前をクリックすると解説ページに移動します(黄色く反転しているリンクは作成中のページです).解説ページの写真はクリックすると拡大します.

2020

9月

  • 2020.09.13-28 東広島キャンパスでコガタノゲンゴロウを観察することができました.コガタノゲンゴロウは1950年代以降大きく数を減らしたゲンゴロウの一種で絶滅が心配される種でしたが,近年急激に分布を拡大しており,個体数も回復しています.マルチビゲンゴロウは微小なゲンゴロウ類で,こちらは近年減少傾向にあり環境省RDBで準絶滅危惧種に選定されています.トガリアメンボは東南アジア原産の外来種で,その高い飛翔性から分布を拡大しています.
コガタノゲンゴロウの成虫(メス).東広島市内でも目撃情報が絶えない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 26, 2020)
マルチビゲンゴロウの成虫.2mmほどしかない微小なゲンゴロウ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)
トガリアメンボの成虫.体長は4mmほどで,敏捷に泳ぐ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 28, 2020)

様々なヘビの幼体(幼蛇)を観察することができました.シマヘビジムグリは幼蛇と成蛇で色彩が異なります.一方,シロマダラは模様の変化が小さいです.

シマヘビの幼蛇.幼蛇はアズキヘビとも呼ばれる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 10, 2020)
ジムグリの幼蛇.赤地に黒の斑紋が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 29, 2020)
シロマダラの幼蛇.成蛇に比べると体の白みが強い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 21, 2020)

東広島キャンパスは鳥の秋の渡りシーズンに入り,エゾビタキコサメビタキなどが見られます.エゾビタキは胸から腹にかけての縦斑紋が特徴的で,コサメビタキにはこれがありません.この二種はしばしば「フライキャッチ(空中で羽虫を捕らえる)」をする様子を観察することができます.森林内ではオオムシクイの姿を見ることができます.外見でメボソムシクイやコムシクイといった類似種と識別するのは難しく,鳴き声によって同定することが求められます.

エゾビタキ.胸から腹にかけては白地で,明瞭な縦斑紋をもつ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)
コサメビタキ.胸や腹に目立った斑紋はない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)
オオムシクイ.野外において,メボソムシクイやコムシクイとは鳴き声以外での識別が困難.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)

セミや鳴く虫の紹介です.セイタカアワダチソウクズの生える乾いた草地では,ヒロバネカンタンが鳴いています.カンタンとは異なり,「リー・リー」と音を引き延ばします.アカマツ林の樹上ではチッチゼミが鳴いています.小型種で高枝にいることが多いため姿の観察は困難ですが,「チッチッチッチ...」という鳴き声はよく聞くことができます.生態実験園ではミンミンゼミアキニレの枝に産卵する様子が見られました.

クズの葉裏から身を乗り出して鳴くヒロバネカンタンの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)
アカマツの高枝で鳴くチッチゼミの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 15, 2020)
アキニレの枝に産卵するミンミンゼミの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 13, 2020)

ササキリの仲間です.ササキリはやや薄暗い林縁部で「ジリジリジリジリ…」と鳴きます.複眼が真っ黒なのが特徴です.ホシササキリウスイロササキリは明るい草地で「シリリリリリ…」と鳴く,ともに似たササキリです.ホシササキリは乾燥した草地に多く,翅の側面に黒斑を有します.ウスイロササキリはやや湿った草地を好み,翅が長く目立った斑紋もありません.

鳴くササキリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)
ホシササキリの成虫(オス).東広島キャンパスでは多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)
ウスイロササキリ成虫(メス).東広島キャンパスでは少ない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 23, 2020)

クマスズムシは畑地や林床などに見られるコオロギで,「シュリシュリシュリ…キーーーーーン」という独特な声で鳴きます.カネタタキは樹上で「チン・チン・チン」と鳴きます.ツユムシは明るい草地で見られ,「ピチッ・ピチッ」と小さく鳴きます.

鳴くクマスズムシの成虫(オス).「シュリシュリシュリ…」という前奏から始まり,次第に「キーーーーーン」という高音に変化する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 21, 2020)
鳴くカネタタキの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)
ツユムシの成虫(オス).明るく開けた草地に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 23, 2020)

セスジツユムシは発見の小径で最も見られるツユムシで,オスは主に夜間,「チチチチチ…ジーチョ・ジーチョ」と鳴きます.サトクダマキモドキヤマクダマキモドキは落葉広葉樹林の林縁部に多く見られます.両種はよく似ていますが,サトでは前脚が緑色の個体が多く,ヤマでは前脚が赤く色づきます.

鳴くセスジツユムシの成虫(オス).「チチチチチ…」という前奏から始まり,「ジーチョ・ジーチョ」という音で終わる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)
サトクダマキモドキの成虫(オス).前脚の腿節が赤褐色にならない個体が多い(稀に色づく個体もいるため注意).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 23, 2020)
ヤマクダマキモドキの成虫(オス).前脚の腿節が赤褐色に色づく.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)

9月に見られた主なチョウです.ナガサキアゲハは黒を基調とした大型のアゲハで,メスは前翅の基部に赤い斑紋があり,後翅には白い斑紋が並びます.ウラギンシジミはオスの翅表の斑紋が赤褐色であり,メスとの識別点になります.ツマグロキチョウは食草のカワラケツメイの減少とともに全国的に減っていますが,東広島では毎年安定して観察することができます.

静止するナガサキアゲハの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 13, 2020)
秋型のウラギンシジミの成虫(オス).やや前翅頂が尖る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)
ブタナで吸蜜するツマグロキチョウの成虫(秋型).後翅裏に黒い筋が入る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 28, 2020)

トンボの紹介です.水草の豊富な池ではムスジイトトンボが見られます.オオイトトンボによく似ており,細かな違いを確認する必要があります.オオルリボシヤンマは過去のトンボ相調査(青山ほか 2014)でも記録がなく,キャンパス内のため池で発生した個体かどうかは不明です.浅くなった泥地ではマユタテアカネの連結産卵が見られます.

ムスジイトトンボの成虫(オス).オオイトトンボに似るが,複眼は青みが強く,後眼紋が小さい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 13, 2020)
オオルリボシヤンマの成虫(オス).東広島キャンパスでは過去に目撃例がない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)
連結飛翔するマユタテアカネ.産卵行動も見られた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)
ルリクチブトカメムシの成虫.瑠璃色の金属光沢が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 3, 2020)
ミソハギに飛来するナミルリモンハナバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 1, 2020)
ノブドウで吸蜜するオオセイボウの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 8, 2020)

他の虫に擬態していると考えられる生き物を紹介します.ホソヘリカメムシの若齢幼虫は非常にアリに似た姿形をしていますが,鋭い口吻があるのでカメムシであることがわかります.キボシマルウンカは様々な植物につく6-7mmほどの昆虫で,テントウムシに酷似しますが,ウンカに近縁な昆虫です.オドリハマキモドキは翅を立たせながら葉上をせわしなく動き回ります.前翅の先端に並ぶ黒い斑紋がハエトリグモの目のように見え,小刻みに跳ねながら動くさまもそっくりです.

ホソヘリカメムシの幼虫.カメムシである証拠として,口吻がある(矢印).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 3, 2020)
交尾中のキボシマルウンカ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 31, 2020)
オドリハマキモドキの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 31, 2020)

広義のバッタ類です.クルマバッタは東広島キャンパスでは限られた草地でしか観察することができません.クルマバッタモドキトノサマバッタに似ていますが,胸部背面がやや盛り上がること,飛ぶとき後翅に黒い輪っか模様が確認できること,翅の模様など総合的に見ると識別可能です.アシグロツユムシは林縁部などで見られるツユムシの仲間で,「ジキ・ジキ...」と目立たない声で鳴きます.アオマツムシは明治頃に帰化したとされる外来種です.街路樹や雑木林などの樹上で「チリー・チリー!」と騒がしく鳴きます.

緑色型のクルマバッタの成虫(メス).胸部背面が盛り上がる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 9, 2020)
アシグロツユムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 1, 2020)
鳴くアオマツムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 9, 2020)


カマキリ類も発生しています.ハラビロカマキリは樹上で見られるカマキリで,昨年キャンパスで確認された外来種のムネアカハラビロカマキリとの競合が懸念されます.チョウセンカマキリオオカマキリに酷似しますが,やや開けた草地などの環境を好みます.詳しい解説はそれぞれの個別ページをご覧ください.コカマキリは地表付近で見られるカマキリで,前脚の脛節の内側の斑紋が特徴です.

褐色型のハラビロカマキリ成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 8, 2020)
チョウセンカマキリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 10, 2020)
コカマキリの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)


キャンパス内の小川ではハグロトンボがよく見られます.翅がすべて黒く,オスは腹部が金緑色に輝くので大変印象的です.アジアイトトンボはため池や湿地で見られ,アオモンイトトンボに似ていますが一回り小さいです.オニヤンマは日本最大のトンボで,ゆったりと飛翔するさまは圧巻です.

山中谷川のハグロトンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 10, 2020)
湿地のアジアイトトンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 10, 2020)
オニヤンマの成虫(メス).産卵管がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 10, 2020)

8月

鳴くスズムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 25, 2020)
鳴くマツムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 25, 2020)
クズの葉の隙間から鳴くカンタンの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
エンマコオロギの成虫(オス).オスも丸みを帯びた頭部をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
ミツカドコオロギの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
鳴くツヅレサセコオロギの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 28, 2020)
ヤマトヒバリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 25, 2020)
クサヒバリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
鳴くオナガササキリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
マツムシモドキの成虫(オス).鳴かない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 28, 2020)
ウスグモスズの成虫(オス).鳴かない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
クマスズムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)

ヤママユは大型の蛾で,晩夏から初秋にかけて出現します.ヤホシホソマダラは胴体が青く輝く美しい昼行性の蛾で,キャンパスでは6-7月と9-10月に開けた草地で観察することができます.ヒメクロホウジャクも昼行性で,ミソハギの花に訪花していました.

ヤママユの成虫(メス).翅の色には変異がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 25, 2020)
ヤホシホソマダラの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 28, 2020)
ヒメクロホウジャクの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)

トンボの仲間は,アカネ属のマユタテアカネヒメアカネマイコアカネの未成熟個体をため池や湿地の周辺で観察することができます.アオイトトンボコバネアオイトトンボは既に成熟しており,林縁部の草本にとまる姿が見られます.カトリヤンマなどのヤンマは日中は不活発ですが夕方になると活発に飛翔します.

マイコアカネの成虫(未成熟オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 28, 2020)
ヒメキンミズヒキにとまるアオイトトンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
カトリヤンマの成虫(オス).日中は薄暗い林内で休んでいることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
  • 2020.08.11 ががら山の麓のススキ群落でカヤキリを観察することができました.カヤキリは日本最大の鳴く虫かつ日本最大級のキリギリスで,丈の高いススキヨシが茂る草原で「ジーーーー」という大きな声で鳴きます.また,成虫になったオオカマキリを観察することができました.
ススキにとまるカヤキリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)
カヤキリの成虫(オス).頭頂はやや尖るが,クビキリギスほどではない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)
羽化したばかりのオオカマキリの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)

山地に生息する傾向の強いハサミツノカメムシを観察することができました.オスの腹部の先には赤い鋏状の突起(生殖節)が見られますが,メスでは見られません.ヒゲナガサシガメは幼虫で越冬するサシガメで,樹上や山際の手すりでよく見られます.アオバハゴロモは広葉樹や草本の枝や茎についている様子がよく見られ,キャンパスでの個体数も多いです.

ハサミツノカメムシの成虫(メス).胸部の両端が赤い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)
ヒゲナガサシガメの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)
アオバハゴロモの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)

東広島キャンパスで見られるコガネグモ類です.キャンパスではコガネグモは草地や森林が接するような環境で,ナガコガネグモはやや湿った草地で,ムシバミコガネグモは林縁の人工物の周辺で見られることが多いです.初夏にはふれあいビオトープを中心にチュウガタコガネグモが,これからの季節は薄暗い林縁部ではコガタコガネグモが観察できます.

コガネグモの成体(メス).林縁部や草地などで見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)
ナガコガネグモの成体(メス).草地に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)
ムシバミコガネグモの成体(メス).林縁部に見られた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)
  • 2020.07.30-08.07 東広島キャンパスでマメイタイセキグモカトウツケオグモを観察することができました.両種とも全国的に記録の少ない種です.マメイタイセキグモはいわゆるナゲナワグモであり,湿度の高い夜間にススキ原などで粘球を振り回し,小型の蛾を誘因して捕らえます.カトウツケオグモも,何らかの手段でハエを誘引しているのではないかという説がありますが,詳しいことは分かっていません.
マメイタイセキグモの成体(メス).粘球がついた糸を振り回し,小型の蛾に付着させて捕らえる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
蛾を捕らえたマメイタイセキグモの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 4, 2020)
カトウツケオグモの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2020)

東広島キャンパスではアキノタムラソウが咲いており,チョウやハチの仲間が訪花します.今回はナミルリモンハナバチとその寄生対象とされるスジボソコシブトハナバチ,さらにシロスジコシブトハナバチを観察することができました.

アキノタムラソウに訪花するナミルリモンハナバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)
アキノタムラソウに訪花するシロスジコシブトハナバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)
アキノタムラソウから吸蜜するスジボソコシブトハナバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)


角脇調整池の岸辺ではツチガエルのオスが鳴いています.「ギュー、ギュー」という低く濁った音が特徴です.(広島県のツチガエルのページもご覧ください.)また,カエルやミミズを狙ってか50cmを超えるヒバカリの成蛇も現れました.学内の山の林床では空色が美しいキノコのソライロタケを観察することができました.

ソライロタケ.林床で見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2020)
鳴くツチガエルの成体(オス).「ギュー、ギュー」という音を発する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 4, 2020)
ヒバカリの成蛇.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)

東広島キャンパスのため池にはギンヤンマショウジョウトンボなど,多様なトンボが見られます.ここでは3種取り上げたいと思います.チョウトンボは青い光沢感のある翅が特徴的で,ヒシガマなどの水生植物が豊富な富栄養池に見られます.富栄養池を好むトンボにはウチワヤンマタイワンウチワヤンマがいます.タイワンウチワヤンマは元々九州などに分布していましたが,温暖化の影響で北上しているとされています.両種とも腹部先端のうちわ(団扇)が特徴です.

チョウトンボの成虫(オス).西条では大変個体数が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)
ウチワヤンマの成虫.団扇の中に黄斑がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)
タイワンウチワヤンマの成虫.団扇の中に斑紋はないため,全体が黒い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)

晩夏に野外観察をする上で気を付けたいのはイラガ(幼虫)の存在です.イラガの仲間はカキノキクリなど広葉樹の葉を食べ,多くの種が派手な色彩とトゲだらけの見た目をしていますが,葉裏にいることが多く中々存在に気づくことが難しいです.刺されると電気が走るような痛みを伴うことから「デンキムシ」の俗称があります.ここではイラガアオイラガアカイラガヒメクロイラガヒロヘリアオイラガテングイラガの6種を紹介します.

イラガの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
アオイラガの幼虫.ヒロヘリアオイラガの幼虫に似るが,背面中央の青帯は一様に色がついている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
アカイラガの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
カキノキを食べるヒメクロイラガの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
ヒロヘリアオイラガの幼虫.背面中央の青帯は斑状になっている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)
テングイラガの幼虫.10mmほどの大きさ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)

東広島キャンパスの朝から夕方にかけてはセミやキリギリス(ニシキリギリス)が鳴いています.キャンパスで夏に確認できるセミとしては,アブラゼミクマゼミニイニイゼミミンミンゼミツクツクボウシヒグラシの6種です.日が暮れると,秋の鳴く虫が鳴いています.この時期に多いのはハヤシノウマオイで,「スィーッチョン」と鳴きます.バッタの仲間も見られます.

ニイニイゼミの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2020)
ヒグラシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 30, 2020)
ニシキリギリスの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2020)
ハヤシノウマオイの成虫(オス).「スィーッチョン」とゆっくりとしたテンポで鳴く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)
タンボコオロギの成虫(オス).初夏に多いコオロギで休耕田などの湿った場所で見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
ツマグロバッタの成虫(オス).翅の先や後脚の関節部が黒い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)

7月

東広島キャンパスではカブトムシやクワガタムシが見られるようになりました.ミヤマクワガタノコギリクワガタは大型のクワガタムシで,アベマキアラカシなどの樹液に集まります.カブトムシは7月中旬以降によく見られるようになり,樹液を独占していることが多いです.

ミヤマクワガタの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 21, 2020)
ノコギリクワガタの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2020)
カブトムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 9, 2020)

夜の雑木林ではほかの昆虫も観察できます.コロギスは樹上性で,触ると激しく威嚇します.シロスジカミキリアラカシの樹幹で見られるほか,ムクゲコノハは樹液を吸っていることが多いです.

威嚇するコロギスの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 9, 2020)
シロスジカミキリの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2020)
ムクゲコノハの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 12, 2020)

東広島キャンパスではまだ梅雨が続いており,林縁部や草地では多くのキノコを観察することができます.クロハツモドキクロハツにはヤグラタケが寄生している場合が多く,キャンパスでもそれらの老菌から発生している様子が見られます.また,昆虫に寄生する冬虫夏草の一種であるトガリスズメバチタケオオスズメバチから発生している様子が見られました.林縁部には,大型のタマゴタケであるハマクサギタマゴタケ(仮称)アイタケムラサキホウキタケモドキなどが生えています.草地ではベニセンコウタケを観察できました.

クロハツモドキから生じるヤグラタケ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 16, 2020)
トガリスズメバチタケ.オオスズメバチから生じている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2020)
ハマクサギタマゴタケ(仮称).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2020)
アイタケ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2020)
ムラサキホウキタケモドキ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2020)
ベニセンコウタケ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2020)

カマキリ以外の,前脚に鎌状構造をもつ昆虫を紹介します.キカマキリモドキはハチのような色彩とカマキリのような頭部,前脚が特徴的ですが,どちらの仲間でもなくウスバカゲロウと同じアミメカゲロウ目に属します.ミズカマキリはカメムシ目の昆虫で,獲物を咀嚼せず口吻を突き刺し,消化液を流して溶けた肉を吸い取ります.アシナガサシガメは地表に見られる細長いカメムシで,トゲの生えた鎌状の前脚を持っています.

キカマキリモドキの成虫(オス).カマキリとは前脚の構え方が異なる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 1, 2020)
ヒメアメンボを捕食するミズカマキリの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 2, 2020)
林床を歩くアシナガサシガメの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 12, 2020)


山地に生息する傾向の強い昆虫もキャンパスで見られます.エゾハサミムシは細長い尻鋏をもち,飛翔することができるハサミムシです.エゾシモフリスズメはキャンパスでの個体数は少なく,今回が初確認になります.

エゾハサミムシの成虫(オス).キャンパスでも生息域は限られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 14, 2020)
エゾシモフリスズメの成虫.シモフリスズメに似るが,翅にある各条線が太い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 21, 2020)


夏に見られる昆虫にはハネナガウンカという独特なグループが存在します.クワヤマハネナガウンカアヤヘリハネナガウンカマエグロハネナガウンンカは湿度の高い森林の樹幹や葉裏に見られます.キスジハネビロウンカは林縁部の下草などで観察することが多いです.アカハネナガウンカススキジュズダマの茂る草地などで植物の汁を吸っていることが多く,独特な顔つきのため愛好家からの人気が高い種です.

クワヤマハネナガウンカの成虫.記録の少ない種.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 26, 2020)
アヤヘリハネナガウンカの成虫.翅脈が赤い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 1, 2020)
マエグロハネナガウンカの成虫.ウスマエグロハネナガウンカに似る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2020)
キスジハネビロウンカの成虫.ハネナガウンカ類としては小型で,翅の幅が広い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17 2020)
アカハネナガウンカの成虫.キャンパスでの個体数は少ない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 21, 2020)


東広島市キャンパスで見られるチョウです.オオヒカゲはスゲ類の生える湿地の近くなどで見られます.アサマイチモンジは通常年三化性で,長い期間にわたって観察することができます.イチモンジセセリは後翅の一列に並んだ白斑が特徴です.

夜のオオヒカゲの成虫(メス).東広島キャンパスでは広く見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2020)
アジサイにとまるアサマイチモンジの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 15, 2020)
ヒメジョオンで吸蜜するイチモンジセセリの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 16, 2020)

東広島キャンパスで7月に見られた主な蛾類です.

オナガミズアオの成虫(メス).メスは翅形が丸く,オオミズアオとの識別がやや難しくなる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2020)
ウスイロギンモンシャチホコの成虫.幼虫はコナラなどを食べて育つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 20, 2020)
コヒサゴキンウワバの成虫.オオヒサゴキンウワバに似るがやや小型.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 20, 2020)
シロシタバの成虫.幼虫はウワミズザクライヌザクラを食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2020)
樹液を吸うキシタバの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 14, 2020)
樹液を吸うコシロシタバの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2020)

その他の虫です.

ヤブガラシで吸蜜するスギハラクモバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 16, 2020)
ミミズクの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 20, 2020)
ヒメギスの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 2, 2020)
ミツオホシハナノミの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 12, 2020)
オオヨツスジハナカミキリの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 16, 2020)
キマダラミヤマカミキリの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 16, 2020)
オオヨツボシゴミムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 12, 2020)
ハイイロチョッキリの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 3, 2020)
ヤマトゴキブリの成虫(メス).メスは翅が短い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 9, 2020)

6月

生態実験園の水田では田植えが完了し,ホウネンエビハイイロゲンゴロウの姿が見られるようになりました.ホウネンエビは夏の水田で仰向けになって泳ぐ鰓脚綱の一種で,地域によってはアジアカブトエビやカイエビなどとともに見られます.ハイイロゲンゴロウは敏捷に泳ぐ小型のゲンゴロウで,都市の公園などでも見られる普通種です.イネミズゾウムシはアメリカ原産の外来種で,水稲の害虫とされています.水中に入ると脚を小刻みに動かして遊泳することができます.

抱卵しているホウネンエビの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 23, 2020)
ハイイロゲンゴロウの成虫(メス).東広島キャンパスでは水田に水が入っていない時期にはほとんど見られない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 25, 2020)
遊泳するイネミズゾウムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 23, 2020)

梅雨入りしたことで,東広島キャンパスでは各所でキノコを観察することができました.総合科学部棟周辺ではキタマゴタケが,教育学部棟周辺ではアカヤマドリが,山中池周辺ではタマゴテングタケモドキの子実体が出ていました.

キタマゴタケ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 26, 2020)
アカヤマドリ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 26, 2020)
タマゴテングタケモドキ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 27, 2020)

樹液や灯火にはクワガタムシが集まっています.スジクワガタコクワガタに酷似していますが,大アゴの内歯の突起が一つ多いのが特徴です.ヒラタクワガタは西日本に多いクワガタで,挟む力が大変強力です.ネブトクワガタはブナ科の樹液にはあまり集まらず,クワやモミなどの樹液に寄ってくることがあります.

スジクワガタの成虫(オス).コクワガタより個体数は少ない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 19, 2020)
ヒラタクワガタの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 8, 2020)
ネブトクワガタの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 25, 2020)

ホタルといえば清流に生息するゲンジボタルや水田に生息するヘイケボタルのイメージが強いですが,東広島キャンパスにはそれ以外の陸生ホタルも見られます.オバボタルオオマドボタルなどがその例です.後者は幼虫の腹部先端が光りますが,目立ちません.幼虫は陸生貝類などを食べる雑食性で,コハクオナジマイマイもその獲物の一つであると考えられます.

オオマドボタルの成虫(オス).クロマドボタルに似るが,胸部の中心部が赤い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 27, 2020)
オオマドボタル(幼虫).夜間は腹部の先端が発光する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 24, 2020)
コハクオナジマイマイ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 27, 2020)

野外での散策は虫刺されがつきもので,東広島キャンパスでは特に蚊に刺されることが多いです.藪や森林の中,湿地,家屋内外など様々な環境に蚊は現れます.対策としては長袖長ズボンを着用して肌を覆ったり,虫よけスプレーをふったりなどが効果的です.

吸血中のヒトスジシマカの成虫(メス).東広島キャンパスでは最も刺される機会が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 16, 2020)
吸血するキンパラナガハシカの成虫(メス).口吻が長く,頭部が鮮やかな青色をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 16, 2020)
吸血中のヤマトヤブカの成虫(メス).ががら山などで多く見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 23, 2020)

東広島キャンパスで見られた生き物について,情報提供がありました.2019年10月29日にはぶどう池の周辺でノゴマが観察され,2020年4月29日には,バードウォール周辺でオオキンカメムシが見つかったとのことです.いずれも貴重な記録です.

オオキンカメムシ.アブラギリに寄生する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 永冨由佳, Apr. 29, 2020)
ノゴマ(オス).喉が鮮やかな赤色.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 永冨由佳, Oct. 29, 2019)
  • 2020.06.12-19 東広島キャンパスの山中谷川や角脇川ではゲンジボタルが舞っています.6月下旬までが見頃です.
生態実験園に舞うゲンジボタル.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2020)
発光するゲンジボタルの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2020)
  • 2020.06.02-12 東広島キャンパスでシロマダラヒバカリを観察することができました.シロマダラは東広島キャンパス周辺でも個体数が多いですが,夜行性のため人目につくことが少ないです.ヒバカリは薄暗い時間帯(早朝や夕方)に,湿地の周りに見られることがあります.また,キャンパス内ではありませんが,周辺地区で模様と色彩が変異したニホンマムシが見られました.広島県内では度々目撃されています.
雨天の深夜に植物の上を移動中のシロマダラ(成蛇).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2020)
ヒバカリ(幼蛇).成蛇に比べて黒っぽい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 5, 2020)
ニホンマムシ(成蛇).色彩・模様が変異している.(発見者:上岡佑玄)(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 2, 2020)

東広島キャンパスの沢で青いサワガニを観察することができました.青いサワガニは全国各所で見られますが,東広島キャンパスでは稀に見つかるようです.また,ニホンヒキガエルの成体を観察することができました.広島県のニホンヒキガエルのページもご覧ください.

サワガニの成体(メス).青白い体色の個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2020)
青いサワガニの成体(メス).威嚇している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2020)
ニホンヒキガエルの成体(メス).(発見者:吉野僚)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 8, 2020)

東広島キャンパスでハッチョウトンボが出現しています.ハッチョウトンボはトンボ亜目(不均翅亜目)では世界最小種とされており,広島県では絶滅危惧II類に指定されている希少な昆虫です.そのほかコオニヤンマが発生しているのを確認したり,山の水たまりでヤブヤンマを観察したりすることができました.

ハッチョウトンボの成虫(オス).体長は20mm前後.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 2, 2020)
コオニヤンマの成虫(未成熟).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 8, 2020)
ヤブヤンマのヤゴ.胸部背面に鮮やかな斑紋が見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2020)

東広島キャンパスで観察することができたハエトリグモです.ミスジハエトリは家屋内で見られることの多いハエトリグモで,オスは赤い帯が特徴的です.建物の中で見られるハエトリグモにはほかにアダンソンハエトリチャスジハエトリがいます.林床にはヨダンハエトリが見られます.鮮やかなハエトリグモで,成熟したオスは特に目立ちます.ヒトリコゲチャハエトリは河原や石垣で見られるハエトリグモで,家の垣根などでも観察することができます.

ミスジハエトリの成体(オス).同じ環境で見られるアダンソンハエトリチャスジハエトリと比べると小型.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 5, 2020)
ヨダンハエトリの成体(オス).オスは成熟すると額の赤帯が目立つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 2, 2020)
ヒトリコゲチャハエトリの成体(オス).石垣の上などで見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 2, 2020)

鳴く虫といえば初夏のイメージがありますが,初夏にも鳴き声を聞くことができます.日中のイネ科群落ではナキイナゴが「ジキ・ジキ・ジキ」と鳴いています.日が暮れると,湿地ではキンヒバリが「リッリッリッリーーー」と美しい声で鳴いています.乾いた草地ではコガタコオロギが「ビー!!」と間を置いて鳴きます.本種はアカデミック地区の草地であればどこでも鳴き声を聞くことができますが,姿はやや見つけにくいです.クビキリギスやシブイロカヤキリは以前ほど鳴き声を聞かなくなってしまいました.

ナキイナゴの成虫(オス).脚をこすらせて「ジキ・ジキ・ジキ」と鳴く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 2, 2020)
キンヒバリの成虫(オス).湿地に見られるヒバリモドキで,「リッリッリッリーーー」と鳴く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 3, 2020)
コガタコオロギの成虫(オス).初夏に出現するコオロギで,「ビー!!」と鳴く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 3, 2020)

6月になり,シンジュサンが見られるようになりました.大変大きなガで,三日月のような模様が特徴的です.オナガミズアオオオミズアオは酷似していますが,触角の色や翅端の形,眼状紋の形,前翅前縁の色の違いなどを総合的に確認して同定することができます.

シンジュサンの成虫(オス).それぞれの翅には三日月状の模様が入る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 8, 2020)
オナガミズアオの成虫(オス).オオミズアオに酷似しており,識別点を総合的に判断して同定する必要がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 8, 2020)
オオミズアオの成虫(オス).オナガミズアオよりも個体数は多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2020)

5月

ニホンアカガエルの幼体(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, May 22, 2020)
ニホンイシガメ(成体).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 2, 2020)
ヌマガエルの成体.背中線が入っている個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 8, 2020)

5月に見られた生き物です.ががら山でコルリクロツグミオオムシクイを観察することができました.コルリは薮がちなところに見られ,「チッチッチッチ…ピルルルン」と囀ります.クロツグミは早朝や夕方であればキャンパス内の草地でも観察することができました.オオムシクイは「ジジロ・ジジロ」とやや濁った声で囀ります.

コルリ(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 2, 2020)
クロツグミ(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 佐藤大規, May. 6, 2020)
オオムシクイ(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2020)

タマムシの仲間がたくさん見られました.アオマダラタマムシは赤や青などの金属光沢が特徴のタマムシで,サクラやウメなどの材に集まります.オオムツボシタマムシは比較的大型のタマムシで,同属のムツボシタマムシよりも一回り大型です.クロナガタマムシは危険を感じると敏捷に飛翔します.

アオマダラタマムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 2, 2020)
コナラ材の上で産卵場所を求めるオオムツボシタマムシの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 28, 2020)
クロナガタマムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2020)

フジヤマフジの咲く時期にはキムネクマバチのオスがホバリングしながらメスを待つ姿が見られました.クロムネアオハバチは淡い緑色の体色が特徴で,幼虫はササ類を食べることが知られています.ホリカワクシヒゲガガンボはハチのような奇抜な色彩から危険なイメージがありますが,ガガンボ類のため毒針を持たず,無害な虫です.

キムネクマバチの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 22, 2020)
クロムネアオハバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 2, 2020)
ホリカワクシヒゲガガンボの成虫(メス).ベッコウガガンボに似る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2020)

春~初夏に羽化する蛾類が見られました.オオミズアオはヤママユガ科の大型蛾で,青白い翅と尾状突起が特徴的です.シロスジトモエオオトモエはともにトモエガ亜科のガで,色や模様がよく似ていますが,大きさが一回りほど異なります(オオトモエのほうが大型).

オオミズアオの成虫(オス). オナガミズアオに似る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2020)
シロスジトモエの成虫.オオトモエに似るが一回りほど小型.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2020)
オオトモエの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2020)

トンボ類では,ムカシヤンマがキャンパスで広域に観察することができます.樹林地の周辺を歩くと見られることが多いです.サラサヤンマは湿地をゆったりと飛翔する小型のヤンマで,生態実験園ふれあいビオトープのいずれの場所でも観察することができます.グンバイトンボは広島県の準絶滅危惧種に指定されており,中脚と後脚の脛節が軍配状に広がります.

ムカシヤンマの成虫.翅の縁紋が細長い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2020)
グンバイトンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 27, 2020)
ぶら下がるサラサヤンマの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 28, 2020)

上旬~中旬にかけては日当たりの良い草地でキバネツノトンボが見られました.去年に引き続いての確認ですが,今年の個体数は少ないようです.タイリククロスジヘビトンボはキャンパス内の外灯に飛来していることが多いです.コマダラウスバカゲロウは地衣類を身に纏い,獲物を待ちます.

キバネツノトンボの成虫(メス).後翅の鮮やかな黄色が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 8, 2020)
タイリククロスジヘビトンボの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 19, 2020)
コマダラウスバカゲロウの幼虫.レプラゴケを身に纏い獲物を待つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2020)

5月に観察されたカメムシ目の一覧です.

アカスジキンカメムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2020)
ヨコヅナツチカメムシの成虫.体長20mmほどでツチカメムシ科としては大型.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 26, 2020)
セスジナガカメムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 22, 2020)
オオメナガカメムシの成虫.体長は5mmほど.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 22, 2020)
ヤスマツアメンボの成虫(オス).コセアカアメンボと同様薄暗い湿地で見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 4, 2020)
カタビロクサビウンカの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2020)


個性的なテントウムシの仲間を観察することができました.

カメノコテントウの成虫.体長は12mmほどで大型.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2020)
シロジュウシホシテントウの成虫.キジラミ類を捕食する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 8, 2020)
アミダテントウの成虫.アオバハゴロモの幼虫を食べるとされる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 27, 2020)


ザトウムシとハエトリグモの仲間です.これらのザトウムシは湿度の高い林床などで見られます.ニホンアカザトウムシオオアカザトウムシは触肢が鎌状になっている特徴的なザトウムシで,後者の方が大型で,触肢脛節の形状が異なります.マメザトウムシは苔むした倒木上などを歩き回ります. カタオカハエトリは乾いた裸地などで見られ,ヤマトシロアリの生殖虫を捕食している姿を観察することができました.ヤサアリグモアリグモより小型のハエトリグモで,林床の草木の上などに見られます.

ニホンアカザトウムシ(成体).触肢脛節にトゲはほとんどない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 5, 2020)
オオアカザトウムシ(成体).触肢脛節にトゲが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 5, 2020)
マメザトウムシ(成体).小さいザトウムシ類で、眼丘が発達している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 26, 2020)
カタオカハエトリの成体(オス).ヤマトシロアリの生殖虫を捕食している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2020)
ヤサアリグモの成体(オス).上顎を開いている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2020)
巣穴から体を出すキノボリトタテグモの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 5, 2020)

そのほかの甲虫類です.

スキバジンガサハムシの成虫.ヒルガオの葉上で見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2020)
エゴツルクビオトシブミの成虫(オス).オスは首が長い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 8, 2020)
アシナガオトシブミの成虫(メス).コナラアベマキの葉でゆりかごを作る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2020)
交尾中のミヤマオビオオキノコムシ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 5, 2020)
シロテンハナムグリの成虫.赤みが強い個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 22, 2020)
オオゾウムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 4, 2020)

4月

  • 2020.04.29-30 ががら山でセンダイムシクイエゾムシクイアオゲラを観察することができました.センダイムシクイエゾムシクイは形態がよく似ており見た目だけでの識別は困難ですが,前者は「チヨチヨビー」と囀り,「焼酎一杯ぐいー」と聞きなしされます。後者は「ヒーツーキー,ヒーツーキー」と囀り,「日、月」と聞きなしされます.アオゲラは「キョッ,キョッ」と鳴いたり,繁殖期には「ピョー,ピョー」と大きい声で鳴くので目立ちます.
センダイムシクイ(オス).チヨチヨビーと囀る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 29, 2020)
エゾムシクイ(オス).ヒーツーキー,ヒーツーキーと囀る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 30, 2020)
アオゲラ(メス).メスは赤い羽毛が後頭部にのみ生じる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 30, 2020)

開けた地面や林道ではハンミョウニワハンミョウが駆け回っています.人の気配を察知すると飛翔して前方へ逃げるので,「ミチオシエ」の名があります.また,広葉樹の若葉を見ていると筒状に巻かれた葉っぱが目につくことがありますが,それらはオトシブミやチョッキリゾウムシと呼ばれる昆虫のしわざです.これらの虫はメスが葉っぱを丁寧に巻いて,その中に産卵します.今回はファウストハマキチョッキリヒゲナガオトシブミを観察することができました.また,体から鹿の角のような突起が伸びるクロモンキリバエダシャクや自分の抜け殻をトーテムポールのように頭部に積み重ねるリンゴコブガの幼虫など,変わったイモムシを観察することができました.

ハンミョウの成虫(オス).脚にはダニが寄生している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 29, 2020)
ニワハンミョウの成虫.鞘翅の縁や脚は赤く輝く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 30, 2020)
ゆりかごを作るファウストハマキチョッキリの成虫(メス).2,3枚のコナラの葉を脚や口吻を用いて綴じ合わせていく.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 30, 2020)
ヒゲナガオトシブミの成虫(メス).コブシなどを産卵床にする.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 29, 2020)
クロモンキリバエダシャクの幼虫.一対の突起が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 29, 2020)
正面から見たリンゴコブガの幼虫.頭部脱皮殻を頭上に積み重ねるという奇妙な生態をもつ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 29, 2020)
オオルリ(オス).キャンパス内では個体数が少なく,観察する機会は少ない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 26, 2020)
キビタキ(オス).東広島キャンパスでは人の往来が多いエリアでも観察することができる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 26, 2020)
囀るヤブサメ(オス).「シシシシシシ…」と大変高い音で囀る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2020)
コサメビタキ.東広島キャンパスでは春・秋に渡り途中の個体を観察することができる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2020)
キジ(オス).繁殖期には肉垂(顔を覆う赤い肉質の塊)が発達する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 16, 2020)
エナガ(幼鳥).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2020)
カワラヒワの親子(左:成鳥,右:幼鳥).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 24, 2020)
桜の花の蜜を吸うメジロ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 9, 2020)
虫を食べるウグイス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 11, 2020)
ツバメ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 9, 2020)
コシアカツバメ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 21, 2020)

4月に観察されたヘビです.シマヘビは東広島キャンパスでは個体数が多く,縞模様が目立たない個体も見られました.

アオダイショウの成蛇.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 15, 2020)
シマヘビ(成蛇).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 9, 2020)
シマヘビ(成蛇).縞模様が目立たない個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2020)

4月に見られたトンボです.オツネントンボホソミオツネントンボは成虫で越冬するトンボです.後者は春になると体色が青くなります.トラフトンボシオヤトンボフタスジサナエアサヒナカワトンボは春に出現するトンボで,いずれも東広島キャンパスではよく見られます.

オツネントンボの成虫(オス).複眼がわずかに青みがかっている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 16, 2020)
ホソミオツネントンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 8, 2020)
トラフトンボの成虫(オス).羽化してから日が浅い(テネラル)ため,体色が薄い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 16, 2020)
シオヤトンボの成虫(未成熟メス).羽化後間もない内は雌雄ともに体色が黄色いので,腹部末端を見て識別するのがよい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2020)
アサヒナカワトンボの成虫(無色翅型オス).山中谷川に生息している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 24, 2020)
フタスジサナエ成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 24, 2020)

4月に見られた,湿地や沢の周辺で見られる小さい生き物です.ナミウズムシはいわゆるプラナリアで,サワガニ同様「きれいな水」の指標生物とされています.コシビロダンゴムシの仲間は,明治時代頃に帰化したと考えられているオカダンゴムシとは異なり在来種であり,湿度の高い林床などで見られます.エサキヒメコシボソガガンボは脚が白と黒の斑状になっており,脚を広げてふわふわと飛び回ります.

ナミウズムシ.東広島キャンパスでは山中谷川の石などをめくると見つけられる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 21, 2020)
Spherillo sp.シッコクコシビロダンゴムシと呼ばれている種類で,在来種.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 21, 2020)
エサキヒメコシボソガガンボの成虫.湿地などで見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2020)

4月に見られたチョウです.トラフシジミコツバメより少し遅れて出現するシジミチョウで,東広島キャンパスではウツギの咲く頃によく見られます.コミスジは山道などをひらひらと舞い,翅を広げてとまります.越冬から覚めたクロコノマチョウ生態実験園の林床をさかんに飛んでいます.

トラフシジミの成虫.翅表は角度によって鮮やかに輝く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2020)
コミスジの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2020)
林床のクロコノマチョウの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 16, 2020)

4月に見られた好蟻性昆虫とアリです.トガリムネトゲアリヅカムシは主にヤマアリ類の巣で見られ,西日本では普通に見られるアリヅカムシとされています.サトアリヅカコオロギトビイロシワアリの巣で見られ,アリの幼虫や卵などを食べるとされています.ミカドオオアリは光沢の強いオオアリの仲間で,夜活動することが多いです.

トガリムネトゲアリヅカムシの成虫.ハヤシクロヤマアリの巣の内部で見られた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 10, 2020)
サトアリヅカコオロギ.トビイロシワアリの巣に特異的に寄生する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 24, 2020)
ミカドオオアリ(働きアリ).薄暗い林の中では日中でも活動していることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2020)

コナラやクワ,桜などの若葉が芽吹く時期には,それらを餌としたり,産卵床とする昆虫が現れます.ナナフシモドキムシクソハムシヨツモンクロツツハムシコナラの葉を食べます,セモンジンガサハムシはサクラの葉を食べ,クワコはクワの葉を食べます.モモチョッキリはウメやモモの実に穴を穿ち,その中に産卵します.

ナナフシモドキの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2020)
ムシクソハムシの成虫.イモムシの糞のように見えるものが本種.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 24, 2020)
ヨツモンクロツツハムシの成虫.クリやコナラの若葉の上でよく見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 26, 2020)
セモンジンガサハムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2020)
クワコの幼虫.初齢幼虫には毛がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 24, 2020)
モモチョッキリ.ウメの実に開いた穴は本種によるもの.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 24, 2020)

3月

イボタガの成虫.英名の「owl moth」が指すように,独特の模様はフクロウに似る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 30, 2020)
エゾヨツメの成虫(オス).後翅の青い眼状紋が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 29, 2020)
トビイロトラガの成虫.後翅は鮮やかな黄色.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 23, 2020)

キャンパスではシュレーゲルアオガエルに続いてトノサマガエルの繁殖期が始まろうとしています.トノサマガエルは一昨年から生態実験園での繁殖が確認されています.また,アキサンショウウオの幼生が孵化しています.

抱接中のシュレーゲルアオガエル.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 27, 2020)
トノサマガエルの成体(オス).成熟したオスは繁殖期に体が黄土色になる(婚姻色).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 30, 2020)
孵化してから日が浅いアキサンショウウオの幼生.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 27, 2020)

晴れた日中には越冬明けのルリタテハヒオドシチョウなどのタテハチョウやスプリング・エフェメラルのコツバメなどを観察することができます.

テリトリーを張るヒオドシチョウの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 24, 2020)
アセビの花から吸蜜するルリタテハの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 25, 2020)
コツバメの成虫.春のわずかな間だけ見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 24, 2020)

ため池のほとりでハチジョウツグミを,上空をミサゴが滑空するのを観察することができました.また,ニホントカゲもよく見られます.

ハチジョウツグミ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 25, 2020)
ミサゴ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 25, 2020)
ニホントカゲの幼体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 25, 2020)
カンムリセスジゲンゴロウの成虫.不安定な水場に現れる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 13, 2020)
ハスオビエダシャクの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 13, 2020)
ヒロバトガリエダシャクの成虫(オス).メスに比べて有色部が広い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 12, 2020)

生態実験園ふれあいビオトープシュレーゲルアオガエルが鳴いています.オスは穴を掘ってその中に潜むため姿を観察しにくいです.その他アカハライモリアキサンショウウオが見られました.アカハライモリアメリカザリガニの影響を大きく受けており,個体数が減っています.また,ニホンカナヘビニホントカゲが活動していました.

シュレーゲルアオガエルの成体(オス).環境に応じて体色を変化させる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 9, 2020)
アカハライモリの成体(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 8, 2020)
アキサンショウウオの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 8, 2020)
ニホンカナヘビの成体(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 11, 2020)
ニホントカゲの幼体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 12, 2020)
シュレーゲルアオガエルの成体(オス).繁殖期のオスは喉が黒くなる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 9, 2020)

ぶどう池ヒクイナを,発見の小径ミヤマホオジロを観察することができました.ヒクイナは広島県で絶滅危惧II類に指定されています.ハヤブサが建物で休む姿も見られました.

ヒクイナ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 9, 2020)
ミヤマホオジロ(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 11, 2020)
建物にとまるハヤブサ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 13, 2020)

成虫越冬していた昆虫や,春に孵化または羽化する昆虫を観察することができました.主にスプリング・エフェメラルの一つであるビロードツリアブや翅表に美しい光沢をもつムラサキシジミルリタテハナナホシテントウなどが見られます.また,早くもオオカマキリの幼虫が孵化していたり,キアシナガバチの女王が飛び回っていたりします.

ビロードツリアブの成虫(オス).オスは複眼同士が接する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 岩崎元道, Mar. 12, 2020)
ムラサキシジミの成虫(オス).メスに比べて有色部が広い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 岩崎元道, Mar. 12, 2020)
ルリタテハの成虫.見晴らしのよい場所で翅を広げて静止する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 9, 2020)
交尾中のナナホシテントウ.オスは精子を渡す際に体を左右に震わせる(ボディシェイキング).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 13, 2020)
オオカマキリの幼虫.通常東広島キャンパスでの孵化期は4~5月である.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 11, 2020)
越冬から覚めたキアシナガバチ(女王).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 13, 2020)

2月

カワセミのオス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 23, 2020)
エナガ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 26, 2020)
ネズにとまるキクイタダキ.名前の由来となった黄色の冠羽が見える.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 24, 2020)
アカマツの立ち枯れをつつくアカゲラ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 23, 2020)

東広島キャンパスでは春を告げる虫が出現しています.トビモンオオエダシャクに似たチャオビトビモンエダシャクは愛好家から珍種として扱われており,トビモンオオに比べると小型です.ギフダイミョウガガンボは翅の模様が美しく,類似種が複数存在することが知られています. 越冬から覚めた虫も見られ,ネコハエトリぶどう池の手すりで活動していたり,ヨコヅナサシガメアカマツの樹皮上を歩いていたりしました.

チャオビトビモンエダシャクの成虫(オス).静止時はトビモンオオエダシャクほど翅が横に広がらない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 26, 2020)
トビモンオオエダシャクの成虫(メス).オスに比べると大型で翅の模様が不明瞭.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 27, 2020)
ギフダイミョウガガンボの成虫.春と秋の二度に渡り,短い期間出現する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 26, 2020)
カニグモの仲間を捕食するネコハエトリの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 24, 2020)
越冬明けのヨコヅナサシガメの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 24, 2020)

東広島キャンパスの夜では野生動物が活動している姿が見られます.ホンドギツネが採餌する姿やヤマシギがテニスコートの周辺を歩きまわる姿を観察することができました.

東広島キャンパスのホンドギツネ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 27, 2020)
ヤマシギ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 27, 2020)

カクレミノタラノキなどウコギ科の枝には越冬中のタテジマカミキリが掴まっていることがあります.タテジマカミキリはウコギ科の枝を齧って削り,その凹みに身を寄せて擬態します.キンヒバリは湿地に見られ,幼虫で越冬して春に成虫になります.トサカグンバイアセビの葉裏で越冬しており,胸部が大きく盛り上がるのが特徴です.

タテジマカミキリの成虫.触角を真っ直ぐ伸ばし,枝の一部に溶け込んでいる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 24, 2020)
キンヒバリの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 22, 2020)
トサカグンバイの成虫.冬はアセビの葉裏でよく見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 19, 2020)

クロテンフユシャクホソウスバフユシャクの交尾態を観察することができました.学内で観察可能なフユシャク亜科のInurois属は全種ががら山で観察することができます.また,クロガネモチの葉にはシンジュサンの繭を確認することができました.

交尾中のクロテンフユシャク.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 24, 2020)
交尾中のホソウスバフユシャク.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 23, 2020)
シンジュサンの繭.常緑樹の葉や枯葉を合わせてその中に繭をつくるのが特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 24, 2020)
  • 2020.02.18-21 東広島キャンパスで新たにハヤブサの幼鳥を観察することができました.先週紹介した成鳥は体の下面に密な黒い横縞模様が並びます.一方,幼鳥は体の下面に黒い縦縞模様が並びます.その他ノスリコゲラなどを観察することができました.
ハヤブサの幼鳥.幼鳥は胸の模様が縦斑.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 21, 2020)
飛翔中のノスリ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 18, 2020)
コゲラ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 20, 2020)

早春の蛾が次々と出現しています.トビモンオオエダシャクは大型のシャクガで,オスは紫がかった褐色の翅が特徴です.シロテンエダシャククロモンキリバエダシャクなども早春のエダシャクで,大学ではいずれも個体数が多いです. 冬尺蛾も晩冬~初春の種として,シロフフユエダシャクホソウスバフユシャク,冬夜蛾ではスモモキリガも見られます.

トビモンオオエダシャクの成虫(オス).春先に出現する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 21, 2020)
シロテンエダシャクの成虫(オス).学内の山林では非常に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 19, 2020)
クロモンキリバエダシャクの成虫.特徴的な黒斑が並ぶ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 19, 2020)
シロフフユエダシャクの成虫(オス).ブナ科植物が多い雑木林で見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 21, 2020)
ホソウスバフユシャクの成虫(オス).斑紋が不明瞭な個体が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 19, 2020)
スモモキリガの成虫.クリーム色で翅の端の方に黒斑が並ぶ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 20, 2020)
  • 2020.02.10-14 東広島キャンパスでは今季,大規模なツグミの群れが渡ってきており,山中池~生態実験園にて移動中の群れを見ることができます.また,そのようなツグミを狙ってか,山中池では多くの猛禽類が現れます.主な種類はノスリハイタカですが,最近ではキャンパス初記録となるハヤブサの姿が見られます.ハヤブサは上昇した後,高速で水平飛行をしたり,急降下したりして獲物を追い詰めます.他には留鳥のカワウや冬鳥のシロハラを観察することができました.
ハヤブサ.頬に太い黒斑があることが特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 11, 2020)
カワウ.頭部が白く変化している(婚姻色).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 14, 2020)
枝にとまるシロハラ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 11, 2020)

ががら山でコミミズクが越冬している姿を観察することができました.コミミズクはヨコバイ科の昆虫で,扁平で細長い体が特徴です.幼虫はコナラやハンノキ類などの冬芽の付け根に密着して越冬します.また,一時的な暖かさのせいか早春に見られる昆虫が見られました.テングチョウは成虫で越冬し,春には目覚めた本種が林道を飛翔する姿が見られます.オカモトトゲエダシャクは春を告げる蛾で,静止するときは翅を折り畳むので「T」字の独特な見た目になります.

コミミズクの幼虫.コナラなどの枝先に密着し,越冬する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 10, 2020)
テングチョウの成虫.春先,晴れて暖かい日には活動している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 11, 2020)
オカモトトゲエダシャクの成虫(オス).翅を折り畳んで静止する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 13, 2020)
  • 2020.02.03-09 東広島キャンパスでは,現在レンジャク科のヒレンジャクと、少数のキレンジャクを観察することができます.両種は混群を形成しており,飛翔時に「ヒーヒー」,「ピリリリリ」と高い声で鳴くのが特徴です.キャンパスでは主に熟れた柿の実を食べる姿がよく見られ,ツグミヒヨドリハシボソガラスメジロも柿に集まってきます.キジバトは枝で休む様子を観察することができました.
ヒレンジャク.赤い矢印が指す黒い模様(過眼線)は冠羽の後ろまで到達する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 9, 2020)
熟れた柿を食べに飛来したヒレンジャク.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 9, 2020)
熟れた柿を食べに飛来したキレンジャク.尾羽の先が黄色い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 8, 2020)
柿の枝にとまるツグミ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 8, 2020)
熟れた柿を食べるヒヨドリ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 9, 2020)
柿のヘタを咥えて投げ捨てるハシボソガラス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 7, 2020)
熟れた柿を食べに現れたメジロ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 7, 2020)
喉を膨らませ「デーデー ポッポー」と鳴くキジバト.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 8, 2020)

成虫で越冬するクサカゲロウ類を灯火や看板で観察することができました.アミメクサカゲロウはクサカゲロウ科でも大型の種で,常緑樹の葉裏などで見られます.ヤマトクサカゲロウスズキクサカゲロウは姿形がよく似た種ですが,ヤマトクサカゲロウの越冬型は体が淡褐色になり,スズキクサカゲロウは冬も緑色をしています.また,クサカゲロウ類は頭部の黒斑の形状が種ごとに異なり,そこが同定のポイントになります.

アミメクサカゲロウの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 3, 2020)
ヤマトクサカゲロウの成虫.越冬型の体は淡褐色.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 29, 2020)
スズキクサカゲロウ(成虫)の頭部.黒斑は複眼に接しない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 4, 2020)

1月

アキサンショウウオの成体(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 27, 2020)
アキサンショウウオの成体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 27, 2020)
飛翔するミコアイサのオス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 25, 2020)

冬の水辺では両生類の繁殖だけでなく,越冬中の水生昆虫を観察することができます.

越冬中のミズカマキリの成虫.数匹で群がっていることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 30, 2020)
越冬中のコオイムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 31, 2020)
越冬中のコマツモムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 31, 2020)
マメゲンゴロウの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 30, 2020)
オシドリのオス.ブナ科樹木に囲まれたため池に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 18, 2020)
オシドリのメス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 18, 2020)
アカゲラ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 23, 2020)
アオジのオス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 23, 2020)
木にとまるハイタカのメス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 21, 2020)
ノスリ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 18, 2020)

ニホンアカガエルの繁殖がピークを迎えていました.激しい蛙合戦を観察することができました.

多数のニホンアカガエルのオスが一匹のメスをめぐって争う様子.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 23, 2020)
生態実験園の田んぼで待機するニホンアカガエルの成体たち(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 23, 2020)
産卵・放精中のニホンアカガエル.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 柳拓明, Jan. 22, 2020)

東広島キャンパスの建物近くの土からホタルミミズを得ることができました.ホタルミミズは刺激を受けると肛門などから発光物質を出すという生態が知られています.今回はその様子を写真に収めることができました.庭や畑で見られる普通種とされていますが,冬期以外では見つけづらいと言われています.また,広葉樹の枯れ木から生えるエノキタケを観察することができました.

ホタルミミズ.平常時はほとんど光ることはない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 22, 2020)
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ホタルミミズ.刺激を受けると肛門から発光物質を出す.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 22, 2020)
広葉樹の枯れ木に密生するエノキタケ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 23, 2020)

冬尺蛾の仲間も12月の下旬に見られたものとは異なる種を観察することができました.水辺ではホソクロマメゲンゴロウオニヤンマのヤゴも見られました.

クロバネフユシャクの成虫(メス).シロオビフユシャクのメスに比べ体色が暗い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 17, 2020)
シモフリトゲエダシャクの成虫(オス).冬尺蛾類では大型種.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 20, 2020)
クロテンフユシャクの成虫(オス).類似種のウスバより遅れて出現する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 17, 2020)
ホソクロマメゲンゴロウの成虫.湿地や水たまりに見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 23, 2020)
オニヤンマの幼虫(ヤゴ).緩やかな細流に見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 23, 2020)
ニホンアカガエルの成体(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 14, 2020)
抱接中のニホンアカガエル.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 14, 2020)
東広島キャンパスで今冬初確認のニホンアカガエルの卵塊(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Jan. 17, 2020)

山中池ではオオバンヨシガモを観察することができました.

オオバン.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 9, 2020)
ヨシガモのオス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 9, 2020)

フユシャク亜科の一種であるウスモンフユシャクや越冬中のホソミオツネントンボトゲヤドリカニムシなどを観察することができました.

交尾中のウスモンフユシャク.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 9, 2020)
越冬中のホソミオツネントンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 9, 2020)
トゲヤドリカニムシの成体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 16, 2020)

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