東広島キャンパスから出土した遺物/陣ヶ平西遺跡
提供: 広島大学デジタル博物館
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古墳時代
3号窯跡出土須恵器
3号窯跡は1号窯跡に先行して造られた須恵器焼成窯ですが、軟弱な地盤に築かれたためか短期間で放棄されています。したがって、須恵器の生産量はわずかで窯跡の内外から出土した須恵器はあまり多くはありません。出土の須恵器には、蓋付坏、坏、高坏、坩(つぼ)、甕、大甕などがあります。高坏は脚の長いもの(写真中央奥)と脚の低いもの(写真中央手前右)がありますが、後者が主体です。
1号窯跡出土須恵器
1号窯跡は3号窯跡の廃絶直後に造られ、かなりの期間継続して操業していることから、窯の内外から焼き損じの須恵器が多量に出土しました。出土の須恵器には、蓋付坏(ふたつきつき)、坏、高坏(写真中央は大甕で、その周囲を取り巻くのが高坏)、坩(つぼ、写真中央左)、壷、横瓶(よこべ)、甕、大甕などがあり、3号窯跡に比べて多くの器種を確認することができます。また、高坏はいずれも脚の低い形態です。蓋付坏や坏に比べて出土量が多いがこの窯跡の特徴です。
奈良時代
陣ヶ平西遺跡では奈良時代の須恵器焼成窯跡(2号窯跡)が見つかっています。2号窯跡は操業期間が短かったようで、窯跡の内外でほとんど須恵器が出土しませんでした。出土の須恵器は、坏身、坏蓋があります。蓋付坏以外の器種はほとんど焼かれていなかったものと思われます。坏身は口縁部に屈曲部はなく、底部から口縁部にかけて直線的に伸びています。蓋は破片ですが、中央部につまみをもち、口縁端部が内側へ直角に屈曲する形態と思われます。