春の七草

提供: 広島大学デジタル博物館
2015年1月6日 (火) 17:23時点におけるIkeda (トーク | 投稿記録)による版 (→‎春の七草の歌)
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春の七草

解説

  • 倉時代の河海抄などで「芹(せり),なづな(なずな),御形(おぎょう),はくべら,仏座(ほとけのざ),すずな,すずしろ,これぞ春の七草」として詠われる植物.一般的には,「御形」は「おぎょう(ごぎょう)」,「はくべら」は「はこべら」と呼ばれる.秋の七草が鑑賞を目的としたものであるのに対して,春の七草は食用になる種があげられている.
  • 春の七草を現在の呼び名にすると,「芹」はセリ,「なづな」はナズナ,「御形」はハハコグサ,「はくべら」はコハコベ,「仏座」はシソ科のホトケノザLamium amplexicaule L.ではなくキク科のコオニタビラコ,「すずな」はカブ,「すずしろ」はダイコンを指す.
  • 野菜のカブとダイコン以外は,いずれも春の水田雑草として見られるもので,もともとは旧暦の1月7日に七草粥として食べ,邪気を払い,無病息災を祈るものであった.いくつかの種は,農耕文化とともに中国から渡来した史前帰化植物と考えられる.

春の七草

春の七草の歌

  • せり・なずな・おぎょう・はこべら・ほとけのざ・

    すずな・すずしろ・これや七草


  • 七草を刻む時に歌う歌

「ななくさ なずな 唐土の鳥が 日本の土地へ

    渡らぬ 先に ストトン ストトン」

 現在、鳥インフルエンザが問題になっているが,これは中国大陸からの渡り鳥による伝染病である.昔の人は,「唐土」(中国大陸)から渡ってくる鳥が悪いものをもたらすことを,既に知っていた.昔の人の知恵には敬服の至りである.


古名 せり    漢字 芹   現代名 セリ
古名 なずな   漢字 薺   現代名 ナズナ
古名 おぎょう  漢字 御行  現代名 ハハコグサ
古名 はこべら  漢字 繁縷  現代名 ハコベ
古名 ほとけのざ 漢字 仏の座 現代名 コオニタビラコ
古名 すずな   漢字 蕪   現代名 カブ
古名 すずしろ  漢字 大根  現代名 ダイコン

慣用名

備考

文献(出典)


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