広島大学オオサンショウウオ保全対策プロジェクト研究センター

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広島大学オオサンショウウオ保全対策プロジェクト研究センター(Since May 1, 2023)

The Giant Salamander Conservation Project Research Center, Hiroshima University

清水則雄センター長(広島県東広島市南区 きてみんさいラボ; 撮影: 池田誠慈, May 1, 2023)

2023年(令和5年)5月1日設立.

お知らせ


プロジェクト概要

1.目的

国の特別天然記念物オオサンショウウオの保全対策を総合的に検討・実施し、広島から全国へ向けて、同種の保全と環境改善を進める調査研究を実施します。

2.背景

世界最大級の両生類であるオオサンショウウオは、国の指定する特別天然記念物であり、中国地方が分布の中心です。東広島市は、2011年〜の調査により、本種の個体群が豊富で、保全上極めて重要な自然の繁殖巣穴を保有する繁殖群であることがわかってきました。しかしながら、孵化後の幼生が生残出来ていない環境であること、堰堤により個体群が分断され、健全な繁殖が制限されていること、近年の頻発する豪雨により下流へ流出していることなど次々と問題点が明らかとなっています。


更に、2022年には広島市において外来種であるチュウゴクオオサンショウウオとの交雑種を多数発見しました。交雑種の分布は関西を中心に急拡大が続いており、最初に確認された京都市では、鴨川水系において移入から約30〜40年で約98%のオオサンショウウオが交雑種に置き換わったことが報告されているなど、国産純粋種の保全が火急の課題となっています。


このように国の特別天然記念物である本種は危機的な状況にあり、その保全対策の検討と早急な実施が求められています。そこで、広島大学では、野外調査技術とDNA鑑定、環境DNA等の技術、教育普及実績を持つ学内外の研究者を集め、その保護対策を総合的に検討・社会実装することを目指して本プロジェクト研究センターを設立しました。

3.研究計画

具体的には下記の研究・活動を実施します。

  • 広島県および全国における交雑種の分布状況の把握
  • DNA鑑定の効率的手法の開発
  • 環境DNAによる交雑種の確認手法の開発
  • 在来種個体群の分断を解決するスロープの設計、社会実装
  • 教育普及、保全対策の検討、社会実装

主な研究活動

2011年~東広島市豊栄町椋梨川、廿日市市飯山貯水池、広島市八幡川等で大学―市民―自治体が協働した野外調査を実施しています。詳細は下記の関連動画を御覧ください。

日テレNEWS

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広島大学総合博物館

主な研究成果

活動報告

  • NHK総合 ダーウィンが来た!生きもの新伝説「守れ!オオサンショウウオ 豪雨からの復活大作戦!!」2019年03月03日(日)19時30分~19時58分

https://www.nhk.jp/p/ts/96XM1R4PQR/episode/te/QZRQNMLXJ6/

  • Amazon POD(Print on Demand)の個人出版大賞|ネクパブPODアワード2020 グランプリ,『オオサンショウウオと暮らすための50のこと』株式会社インプレスR&D

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%82%A6%E3%82%AA%E3%81%A8%E6%9A%AE%E3%82%89%E3%81%99%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE50%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8-%E6%B8%85%E6%B0%B4-%E5%89%87%E9%9B%84/dp/B07PYJ3Y66/

  • 『日本のいきものビジュアルガイド はっけん! オオサンショウウオ』p107「オオサンショウウオが流される」、p124/125「研究者からのメッセージ1」、p139「東広島オオサンショウウオの会」

https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%81%84%E3%81%8D%E3%82%82%E3%81%AE%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89-%E3%81%AF%E3%81%A3%E3%81%91%E3%82%93-%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%82%A6%E3%82%AA-AZ-Relief/dp/489531751X/

研究組織及び構成メンバー

センター長 清水則雄(Norio SHIMIZU) 総合博物館准教授(動物生態学)
研究員 三浦郁夫(Ikuo MIURA) 両生類研究センター特命教授(基礎生物学、進化遺伝学)
研究員 淺野敏久(Toshihisa ASANO) 人間社会科学研究科教授(人文地理学、環境社会学)
研究員 池田誠慈(Seiji IKEDA) 総合博物館契約技術職員
客員研究員 桑原一司(Kazushi KUWABARA) 日本オオサンショウウオの会 前会長、瑞穂ハンザケ自然館 館長(博士(学術))
客員研究員 田口勇輝(Yuki TAGUCHI) 日本オオサンショウウオの会、オオサンショウウオ生態保全教育文化研究所(博士(地球環境学))
客員研究員 山﨑大海(Hiromi YAMASAKI) NPO オオサンショウウオと暮らすまちづくり会

協力:ランデス株式会社

広島市のオオサンショウウオ交雑種について

オオサンショウウオの写真ギャラリー

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