宮島/社会貢献/モロコシソウの保全活動
提供: 広島大学デジタル博物館
ナビゲーションに移動検索に移動広島県宮島のモロコシソウの域外保全活動
広島県宮島のモロコシソウについて
- モロコシソウはサクラソウ科の多年生草本です.
- 広島県廿日市市宮島町は広島県内の唯一の自生地があります.現在,宮島の地域個体群の絶滅が危惧されています.
- 生物多様性とくに遺伝的多様性に最大限配慮するため,宮島島内の種子に由来した苗を育成し,域外保全を行う予定です.また,ゴミ拾いなどを行い,自生地の環境改善にも務めます.
- 種子集めおよび種苗育成は毎年行い,10年程度をかけて保護活動を行う予定です.
- 宮島島内では植物の採集に許可が必要ですが,この活動では広島森林管理署の理解を得た上で実施しております.
- ご賛同の方は,一般の方の宮島島内での採集はできませんし,遺伝的多様性の保全のため宮島島外からの種子も不要です.種子の採集や採集場所の選定は専門家が行っています.宮島の自然に負荷をかけることになりますので,くれぐれも種子を送付してこないでください.現在活動資金が不足しておりますので,活動を支援されたい方は資金面や物質面でのサポートを頂ければ幸いです.問合せ先:0829-44-2025(広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所,坪田).また,計画に関して関係機関から許可が出た場合,種苗が生育する3-5年後に宮島島内の生育適地への植栽を開始いたします.その際,労働面でのサポートでも構いません.
- 計画では広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所が中心になって計画を行い,種子集めや苗の育成は宮島学園が中心となり活動を行う予定です.また,一般社団法人宮島ネイチャー構想推進協議会が中心となり計画全体の実施支援を行う予定です.
活動状況
2023年
- 2023年5月,広島県RDBのための現状調査を現地で行いました.
- 2023年2月22日,広島森林管理署と共同で現地で現状確認のための調査を行いました.
2022年
- 2022年12月,広島県のモロコシソウの現状について論文が出版されました.
- 2022年9月26日,現状把握のための調査を行いました.
- 2022年9月13日,現状把握のための調査を行いました.
- 2022年8月31日,宮島学園の宮島文化部が宮島島内のモロコシソウ自生地を訪れ,現状の調査と開花状況の観察,光環境測定および域内保全のため自生地の清掃を行いました.
- 確認された株数が,2019年度よりも減少していました.また,多くの株で開花が確認されましたが,開花がほぼ終わっていました.
- 今回も発泡スチロールやプラスチック,空き缶その他の漂着物を集め,多くのゴミ(4袋分と少し)を拾うことができました.
2019年
- 2019年8月5日,宮島学園の宮島文化部が宮島島内のモロコシソウ自生地を訪れ,現状の調査と開花状況の観察,光環境測定および域内保全のため自生地の清掃を行いました.広島森林管理署佐伯事務所も参加頂きました.
- 生育が確認された株数が,昨年度よりも増加していました.また,多くの株で開花が確認されましたが,開花終盤でした.
- 今回も発泡スチロールやプラスチック,空き缶その他の漂着物を集め,多くのゴミ(4袋分と袋に入らない大型漂着物4つ)を拾うことができました.
- 2019年1月4日,2017年に試験移植したモロコシソウについて,室浜地区のものは生育が確認されました.いずれの場所でも果実が成熟した後,種子が散布されていました.一部の株で新しいシュートがではじめていました.
2018年
- 2018年12月19日,2017年に試験移植したモロコシソウについて,室浜地区のものは生育が確認されました.
- 2018年9月26日,2017年に試験移植したモロコシソウについて,室浜地区のものは生育が確認されました.
- 2018年8月31日,宮島学園の宮島文化部が宮島島内のモロコシソウ自生地を訪れ,現状の調査と開花状況の観察,光環境測定および域内保全のため自生地の清掃を行いました.広島森林管理署佐伯事務所も参加頂きました.
- 生育が確認された株数が,昨年度よりも増加していました.また,ほとんどの株で開花が確認されました.
- 今回も発泡スチロールやプラスチック,空き缶その他の漂着物を集め,多くのゴミ(70Lの袋で11袋)を拾うことができました.
- 2018年5月18日,2017年に試験移植したモロコシソウについて,室浜地区のものは生育が確認されました.
- 2018年4月,冬期の寒さで2016年に発芽したモロコシソウが枯れてしまいました.
2017年
- 2017年9月2日,多々良地区の試験植栽地がイノシシに掘り返されていました.
- 2017年7月10日,宮島学園の9年生(中学校3年生)の環境教育の一環として,宮島島内のモロコシソウ自生地に行き,現状の調査と開花状況の観察,光環境測定および域内保全のため自生地の清掃を行いました.今回も発泡スチロールやプラスチック,空き缶その他の漂着物を集め,多くのゴミ(70Lの袋で10袋以上)を拾うことができました.
- 2017年7月10日,宮島島内のモロコシソウ自生地を訪れ,株数調査と清掃を行いました.
- 2017年6月11日,広島県廿日市市で域外保全しているモロコシソウが開花しています.
- 2017年6月2日,2016年に発芽したモロコシソウの苗を広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所の敷地内(多々良地区)に試験移植しました.1か所に合計1株を定植しました.
- 2017年5月31日,2016年に発芽したモロコシソウの苗を広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所の敷地内(室浜地区)に試験移植しました.環境の異なる4か所に合計7株を定植しました.
- 2017年5月,2016年に発芽したモロコシソウにつぼみがついています.また,宮島島内の生育地の保全について森林管理署に相談しました.
- 2017年4月,2016年に発芽したモロコシソウが根際から分枝して,新しいシュートがではじめました.
2016年
- 2016年12月3日,第2回小中一貫教育小規模校全国サミット in 宮島が開催され,活動状況が報告されました.
- 2016年11月9日,宮島学園の文化祭でモロコシソウの保護活動について発表しました.
- 2016年10月18日,2016年10月17日に行ったモロコシソウの保護活動が中国新聞に掲載されました.
- 2016年10月17日,宮島島内のモロコシソウ自生地を訪れ,生育場所の光環境測定と清掃を行いました.
- 2016年10月12日,宮島学園9年生にモロコシソウとその保全について,広島大学の教員による解説がありました.
- 2016年10月11日,宮島文化部が宮島自然植物実験所を訪れ,域外保全を行っている株から種子を採集しました.危険分散のため,宮島自然植物実験所の敷地内で発芽した株を宮島学園に移動させました.
- 2016年9月30日,危険分散のため,宮島自然植物実験所の敷地内で発芽した株を広島市植物公園に移動させました.
- 2016年9月16日,発芽したモロコシソウを観察しました.
- 2016年7月25日,宮島島内のモロコシソウ自生地を訪れ,株数調査と清掃を行いました.
- 2016年5月,発芽したモロコシソウを順次鉢に植え付けています.
- 2016年5月17日,モロコシソウが発芽し始めました.
- 2016年4月,笹川科学研究助成(公益財団法人日本科学協会)を受けました.
- 2016年4月,宮島学園で種子植え付け.
- 2016年3月,宮島学園で種子植え付け.
- 2016年2月27日,宮島学園が第2回広島県ユネスコESD大賞を受賞しました.
- 2016年1月15日,宮島学園で種子植え付け.
- 2016年1月-,宮島学園での種子発芽実験.発芽条件の検討.
2015年
- 2015年12月,宮島学園での形態測定と植え付け準備.
- 2015年11月26日,広島大学が域外保全を行っている株から種子を採集.
- 2015年10月-,種子集め開始
- 2015年8月,一般社団法人宮島ネイチャー構想推進協議会設立.社団法人によるモロコシソウ保護活動のサポート開始.
- 2015年7-8月,宮島島内のモロコシソウ自生地調査の結果,モロコシソウの個体数の極端な減少を確認.坪田ほか(2015)で公表.
- 2015年,ユネスコスクールの活動の一環として,広島大学と共同で計画開始
- 2015年,宮島学園のユネスコスクール加盟
2014年
- 2014年,宮島の自然の持続可能な利用と教育・普及活動に関する勉強会発足.
2013年以前
- 2010年7月,宮島島内のモロコシソウ自生地調査の結果,モロコシソウの個体数の減少を確認.平原ほか(2011)で公表.
- 1998-1999年,宮島島内のモロコシソウ自生地調査の結果,モロコシソウの自生地を再発見.向井ほか(1999)で公表.
関係機関
- 広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所(活動の計画・実施)
- 宮島学園(宮島小学校・中学校)(活動の実施)
- 一般社団法人宮島ネイチャー構想推進協議会(実施支援)
- 広島森林管理署
- 環境省宮島パークボランティア
- 中国醸造株式会社
外部資金・サポート・資材・資金提供等
- 笹川科学研究助成(2016年度)
- 大新土木株式会社(地域貢献事業):スコップや一輪車等の提供
- 一般社団法人宮島ネイチャー構想推進協議会
関連ページ
- モロコシソウ
- 広島県宮島のモロコシソウの保全活動
- 小山克輝・ファン=クイン=チ・内田真治・中原-坪田美保・坪田博美. 2022. 広島県のモロコシソウの生育状況について―2022年時点の状況―. Hikobia 18: 265-272.
- 坪田博美・池田誠慈・井上侑哉・内田慎治・向井誠二. 2015. 広島県のモロコシソウLysimachia sikokiana Miq.の現状について. Hikobia 17(1): 81-88. [Tsubota, H., Ikeda, S., Inoue, Y., Uchida, S. & Mukai, S. 2015. Current status of Lysimachia sikokiana Miq. (Primulaceae) in Hiroshima Prefecture, SW Japan. Hikobia 17(1): 81-88.]
- 平原友紀・久保晴盛・木村茉南美・向井誠二・坪田博美. 2010(2011). 広島県植物誌(1997)以降に広島県廿日市市宮島から報告された種子植物. 広島大学総合博物館研究報告 2: 57-63.
- 向井誠二・坪田博美・中原美保・関太郎・豊原源太郎・出口博則. 1999. 広島県におけるモロコシソウ(Lysimachia sikokiana Miq.)の現状とその保護について. Hikobia 13: 31-34.[Mukai, S., Tsubota, H., Nakahara, M., Seki, T., Toyohara, G. & Deguchi, H. 1999. Habitat of Lysimachia sikokiana Miq (Primulaceae) in Hiroshima Prefecture, Western Japan. Hikobia 13: 31-34.]