宮島の貴重な植物 シバナ 宮島の植物と自然

提供: 広島大学デジタル博物館
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宮島の貴重な植物 シバナ

絶滅危惧種シバナと汽水環境

シバナTriglochin maritima L.はシバナ科の多年草で、汽水域の泥地に生え、小さな花が9月頃に咲きます。葉は肉厚で柔らかく、先が丸くて明るい緑色で、他の植物と容易に区別できます。

和名シバナは、塩場菜しおばなが転じたもので、塩場は塩田のことです。

シバナが生育するのは、汽水域とよばれる海水と淡水が混じる環境です。汽水域は潮位の変化によって塩分濃度が変わり、保全が難しい場所です。この池は汽水環境になっており、チャボイやカワツルモとともにシバナが生育しています。

現在、シバナは環境省および広島県の絶滅危惧種に指定されています。昔は北海道から鹿児島まで広く分布していて、瀬戸内海沿岸にも多くの生育地がありましたが、海岸開発や自然の変化などで育つ環境が減り、各地で激減しています。現在、広島県内で生育が確認できるのは数か所になっています。

宮島ではシカがシバナを好んで食べるため、この池では金網で保護しています。平成14(2002)年から、旧宮島町・広島大学宮島自然植物実験所・有志のみなさんが保全した結果、数株だったシバナは5年後には100株を超えるまでになりました。その後も保護活動を継続してシバナを守っています。

シバナ(包ヶ浦の旧看板の説明)

この池には、淡水と海水が混じった汽水域に生育する植物の代表種であるシバナが生えています。シバナは、シカの大好物なので、食べられないよう金網で保護しています。

平成14年から、旧宮島町・広島大学宮島自然植物実験所・有志のみなさんが取組んできた保護活動の結果、数株だったシバナは100株を超えるまでになりました。現在、増えた株を他の湿地に移植して増殖に取組んでいます。

シバナは塩場菜(しおばな)が転じたもので、塩場は塩田のことです。泥地に生える多年草で、小さな花が9月頃に咲きます。葉は肉厚で柔らかく、先が丸くて白緑色ですから、他の植物と容易に区別できます。

昔は、瀬戸内海沿岸に生育場所がたくさんありました。しかし、埋立や土地造成で減少し、現在、広島県内で確実にシバナが生育している場所は、宮島のほか1~2か所になりました。

分布は、北海道から鹿児島まで広いのですが、神奈川や静岡では絶滅状態で、絶滅のおそれのある野生生物として、環境省絶滅危惧II類、広島県絶滅危惧I類に指定されています。

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