モロコシソウ

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モロコシソウ Lysimachia sikokiana Miq.

シノニム

その他

分類

種子植物門 Spermatophyta > 被子植物亜門 Angiospermae > 双子葉植物綱 Dicotyledoneae > サクラソウ科 Primulaceae > オカトラノオ属 Lysimachia

解説

  • 林内に生育する多年生草本.
  • 黄色の花を下向きにつけ,全体にやや紫色を帯びる.
  • 茎は開花する時期には直立するが,花期後の観察では果実が成熟する時期に倒臥する傾向がある.
  • 山崎(1981)およびIwatsuki et al.(1993)の記載では30-80 cmという草丈が示されているが,広島県産のものは高さ20-40(-50) cmでやや小型であり,葉がやや幅の広い卵形である.
  • 広島県内の産地では8-10月に開花.3月頃球形で長い花柄の先に果実をつける.
  • 果実は成熟とともに灰白色に変わり,二裂してその黒い種子を散布する.
  • 花柄は2.5-4 cmで,果実が灰白色となる形質など他の形質は,山崎(1981)およびIwatsuki et al.(1993)の記載と一致.
  • 広島県版レッドデータブック(広島県 1995)では,絶滅危惧種(endangered species)として扱われている.
  • 最近では,向井ほか(1999)で調査が行われている.

花期

  • 広島県内の産地では,8-10月に開花.

19990817lysimachiasikokiana.jpg

分布・産地・天然記念物

分布

  • 日本国内では関東地方以西の暖地に分布している(Horikawa 1976, 山崎 1981, Iwatsuki et al. 1993).
  • 広島県では宮島にのみ分布している.本種の北限に近い.

産地

天然記念物

標本

  • 宮島(yy-4398)

慣用名・英名・広島県方言

慣用名

  • ヤマクネンボ

英名

広島県方言

備考

  • 広島県RDBカテゴリ: 絶滅危惧Ⅱ類(VU)
  • 環境庁コード: 42930
  • 県RDB

文献(出典)

  • 加藤(1939),関ほか(1975),Horikawa,Y.(1976),環境庁(1988),広島県(1995),広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会(1997)

引用文献

  • 広島県. 1995. 広島県の絶滅のおそれのある野生生物. 437 pp. 広島県環境保健協会, 広島.
  • Horikawa, Y. 1976. Atllas of the Japanese Flora II. pp. 501-862. Gakken, Tokyo.
  • Iwatsuki, K., Yamazaki, T., Bofford, D. E. & Ohba, H. 1993. Flora of Japan. Volume IIIa. 482 pp. Kodansha, Tokyo.
  • 向井誠二・坪田博美・中原美保・関太郎・豊原源太郎・出口博則. 1999. 広島県におけるモロコシソウ(Lysimachia sikokiana Miq.)の現状とその保護について. Hikobia 13: 31-34.
  • 山崎 敬.1981. サクラソウ科.佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎・亘理俊次・富成忠夫編, 日本の野生植物 草本III.pp. 16-25. 平凡社,東京.

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