「ミシシッピアカミミガメ」の版間の差分
提供: 広島大学デジタル博物館
ナビゲーションに移動検索に移動(他の1人の利用者による、間の25版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
− | <span style="font-size:10">[http://www.hiroshima-u.ac.jp/index-j.html 広島大学] > [http://www.digital-museum.hiroshima-u.ac.jp/ | + | <span style="font-size:10">[http://www.hiroshima-u.ac.jp/index-j.html 広島大学] > [http://www.digital-museum.hiroshima-u.ac.jp/~museum/ デジタル自然史博物館] > [[メインページ]] > [[郷土の動物|郷土の動物]] > [[広島県の爬虫類]] > [[ミシシッピアカミミガメ]] | [[広島県の動物図鑑]] / [[広島県の動物図鑑/和名順/ブロック|和名順]] にもどる</span> |
− | [[ファイル: | + | |
+ | [[ファイル:20150619ミシシッピアカミミガメ(成体)三原市沼田東町池田撮影IMG_1629.JPG|200px|thumb|right|ミシシッピアカミミガメ(成体)の側頭部.和名の由来となった赤い模様が顕著.(広島県三原市沼田東町; 撮影: 池田誠慈, Jun. 19, 2015)]] | ||
+ | [[ファイル:20150602ミシシッピアカミミガメ(成体)三原市沼田東町池田撮影IMG_1217.JPG|200px|thumb|right|水面に浮かぶミシシッピアカミミガメ(成体).(広島県三原市沼田東町; 撮影: 池田誠慈, Jun. 2, 2015)]] | ||
[[ファイル: 20150716ミシシッピアカミミガメ背甲三原市明神池田撮影IMG_2292.JPG|200px|thumb|right|ミシシッピアカミミガメ(成体)の背甲.甲は緩やかなドーム状.後縁に弱い鋸歯がある.(広島県三原市明神; 撮影: 池田誠慈, Jul. 16, 2015)]] | [[ファイル: 20150716ミシシッピアカミミガメ背甲三原市明神池田撮影IMG_2292.JPG|200px|thumb|right|ミシシッピアカミミガメ(成体)の背甲.甲は緩やかなドーム状.後縁に弱い鋸歯がある.(広島県三原市明神; 撮影: 池田誠慈, Jul. 16, 2015)]] | ||
[[ファイル: 20150716ミシシッピアカミミガメ腹甲三原市明神池田撮影IMG_2293.JPG|200px|thumb|right|ミシシッピアカミミガメ(成体)の腹甲.淡黄色の地に暗緑色の複雑な斑紋が入る.(広島県三原市明神; 撮影: 池田誠慈, Jul. 16, 2015)]] | [[ファイル: 20150716ミシシッピアカミミガメ腹甲三原市明神池田撮影IMG_2293.JPG|200px|thumb|right|ミシシッピアカミミガメ(成体)の腹甲.淡黄色の地に暗緑色の複雑な斑紋が入る.(広島県三原市明神; 撮影: 池田誠慈, Jul. 16, 2015)]] | ||
+ | [[ファイル: 20150905ミシシッピアカミミガメ(オス)三原市沼田東町池田撮影IMG_4156.JPG|200px|thumb|right|黒化したミシシッピアカミミガメのオス(左).オスは前肢の爪が長くなる(黒矢印).(広島県三原市沼田東町; 撮影: 池田誠慈, Sep. 5, 2015)]] | ||
+ | [[ファイル:20180404ミシシッピアカミミガメ幼体_竹原市忠海東町_池田撮影_IMG_26735.JPG|200px|thumb|right|ミシシッピアカミミガメの幼体.甲羅が円い.(広島県竹原市忠海東町; 撮影: 池田誠慈, Apr. 4, 2018)]] | ||
+ | [[ファイル:20191008ミシシッピアカミミガメ_東広島市鏡山_岩﨑撮影_DSC_0259s.JPG|200px|thumb|right|ミシシッピアカミミガメ(オス).捕まると口を大きく開けて威嚇する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 岩﨑元道, Oct. 8, 2019)]] | ||
= ミシシッピアカミミガメ ''Trachemys scripta elegans'' = | = ミシシッピアカミミガメ ''Trachemys scripta elegans'' = | ||
17行目: | 22行目: | ||
> ミシシッピアカミミガメ ''Trachemys scripta elegans'' | > ミシシッピアカミミガメ ''Trachemys scripta elegans'' | ||
− | == 解説 == | + | ==解説== |
− | * 北アメリカから南アメリカ原産の外来種. | + | *北アメリカから南アメリカ原産の外来種. |
− | * 本州・四国・九州・沖縄島・小笠原父島に定着. | + | *本州・四国・九州・沖縄島・小笠原父島に定着. |
− | * | + | *広島県では,市街地の公園の池や堀,河川に生息している.耐塩性があり,塩分の混ざる河口域でも見られることがある. |
− | * 甲は緩やかなドーム状で,背甲には弱い1本の隆条があり,後縁には弱い鋸歯がある. | + | *甲は緩やかなドーム状で,背甲には弱い1本の隆条があり,後縁には弱い鋸歯がある. |
− | * 幼体は,頭部や四肢などの軟部と背甲がほぼ同じ黄緑色で,その地色に複雑な黄色の模様が入り,側頭部には鮮やかな赤色の斑紋が入る.そのため「ミドリガメ」と呼ばれペットショップで流通している. | + | *幼体は,頭部や四肢などの軟部と背甲がほぼ同じ黄緑色で,その地色に複雑な黄色の模様が入り,側頭部には鮮やかな赤色の斑紋が入る.そのため「ミドリガメ」と呼ばれペットショップで流通している. |
− | * 腹甲は淡黄色の地に暗緑色の複雑な斑紋が入る. | + | *腹甲は淡黄色の地に暗緑色の複雑な斑紋が入る. |
− | * 幼体の頃の鮮やかな体色は成長につれて徐々に退色・黒化し,斑紋も不明瞭になる. | + | *幼体の頃の鮮やかな体色は成長につれて徐々に退色・黒化し,斑紋も不明瞭になる. |
− | * | + | *成熟したオスは前肢の爪が長く伸びる. |
− | * | + | *オスの尾はメスに比べて太く長く,総排出腔はより尾の先端側に位置するが,尾による雌雄の区別は[[クサガメ]]や[[ニホンイシガメ]]よりも難しい. |
− | * 幼体は主に水生昆虫などの小動物を食べ,成長すると水草などの植物も食べるようになるという. | + | *幼体は主に水生昆虫などの小動物を食べ,成長すると水草などの植物も食べるようになるという. |
− | * | + | *かつて要注意外来生物に指定されており,生態系被害防止外来種リストの作成により,総合対策外来種(カテゴリ:緊急対策外来種)に指定された. |
− | |||
== 天然記念物・RDB == | == 天然記念物・RDB == | ||
− | * 日本の侵略的外来種ワースト100 | + | *[https://www.env.go.jp/press/files/jp/26594.pdf 生態系被害防止外来種リスト]:総合対策外来種(カテゴリ:緊急対策外来種) |
+ | *旧・要注意外来生物 | ||
+ | *日本の侵略的外来種ワースト100 | ||
== 慣用名・英名・広島県方言 == | == 慣用名・英名・広島県方言 == | ||
39行目: | 45行目: | ||
=== 英名 === | === 英名 === | ||
− | red-eared slider | + | * red-eared slider |
=== 広島県方言 === | === 広島県方言 === | ||
− | == | + | ==関連ページ== |
− | * [[広島県の爬虫類]] | + | *[[広島県の爬虫類]] |
+ | |||
+ | == 参考文献 == | ||
+ | * 比婆科学教育振興会(編). 1996. 広島県の両生・爬虫類. 168 pp. 中国新聞社, 広島. ISBN 978-4885172298. | ||
+ | * 千石正一(編). 原色両生・爬虫類. 206 pp. 家の光協会, 東京. | ||
+ | * 安川雄一郎. 1996. ミシシッピアカミミガメ. 日本動物大百科 5, pp. 61, 63. 平凡社, 東京. | ||
− | == | + | == インターネットリソース == |
− | * | + | *[https://www.env.go.jp/press/files/jp/26594.pdf 環境省. 我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト https://www.env.go.jp/press/files/jp/26594.pdf] |
− | + | ---- | |
− | + | <span style="font-size:10">[http://www.hiroshima-u.ac.jp/index-j.html 広島大学] > [http://www.digital-museum.hiroshima-u.ac.jp/~museum/ デジタル自然史博物館] > [[メインページ]] > [[郷土の動物|郷土の動物]] > [[広島県の爬虫類]] > [[ミシシッピアカミミガメ]] | [[広島県の動物図鑑]] / [[広島県の動物図鑑/和名順/ブロック|和名順]] にもどる</span> | |
− | |||
[[Category:動物]] | [[Category:動物]] | ||
60行目: | 70行目: | ||
[[Category:ヌマガメ科]] | [[Category:ヌマガメ科]] | ||
[[Category:広島県]] | [[Category:広島県]] | ||
+ | [[Category:標準和名]] |
2020年1月24日 (金) 16:59時点における版
広島大学 > デジタル自然史博物館 > メインページ > 郷土の動物 > 広島県の爬虫類 > ミシシッピアカミミガメ | 広島県の動物図鑑 / 和名順 にもどる
ミシシッピアカミミガメ Trachemys scripta elegans
分類
動物界 Animalia > 脊索動物門 Chordata > 脊椎動物亜門 Vertebrata > 爬虫綱 Reptilia > カメ目 Testudines > ヌマガメ科 Emydidae > アカミミガメ属 Trachemys > アカミミガメ Trachemys scripta > ミシシッピアカミミガメ Trachemys scripta elegans
解説
- 北アメリカから南アメリカ原産の外来種.
- 本州・四国・九州・沖縄島・小笠原父島に定着.
- 広島県では,市街地の公園の池や堀,河川に生息している.耐塩性があり,塩分の混ざる河口域でも見られることがある.
- 甲は緩やかなドーム状で,背甲には弱い1本の隆条があり,後縁には弱い鋸歯がある.
- 幼体は,頭部や四肢などの軟部と背甲がほぼ同じ黄緑色で,その地色に複雑な黄色の模様が入り,側頭部には鮮やかな赤色の斑紋が入る.そのため「ミドリガメ」と呼ばれペットショップで流通している.
- 腹甲は淡黄色の地に暗緑色の複雑な斑紋が入る.
- 幼体の頃の鮮やかな体色は成長につれて徐々に退色・黒化し,斑紋も不明瞭になる.
- 成熟したオスは前肢の爪が長く伸びる.
- オスの尾はメスに比べて太く長く,総排出腔はより尾の先端側に位置するが,尾による雌雄の区別はクサガメやニホンイシガメよりも難しい.
- 幼体は主に水生昆虫などの小動物を食べ,成長すると水草などの植物も食べるようになるという.
- かつて要注意外来生物に指定されており,生態系被害防止外来種リストの作成により,総合対策外来種(カテゴリ:緊急対策外来種)に指定された.
天然記念物・RDB
- 生態系被害防止外来種リスト:総合対策外来種(カテゴリ:緊急対策外来種)
- 旧・要注意外来生物
- 日本の侵略的外来種ワースト100
慣用名・英名・広島県方言
慣用名
- みどりがめ
英名
- red-eared slider
広島県方言
関連ページ
参考文献
- 比婆科学教育振興会(編). 1996. 広島県の両生・爬虫類. 168 pp. 中国新聞社, 広島. ISBN 978-4885172298.
- 千石正一(編). 原色両生・爬虫類. 206 pp. 家の光協会, 東京.
- 安川雄一郎. 1996. ミシシッピアカミミガメ. 日本動物大百科 5, pp. 61, 63. 平凡社, 東京.
インターネットリソース
広島大学 > デジタル自然史博物館 > メインページ > 郷土の動物 > 広島県の爬虫類 > ミシシッピアカミミガメ | 広島県の動物図鑑 / 和名順 にもどる