ヒメヤマツツジ
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ヒメヤマツツジ Rhododendron kaemperi Planch. var. tubiflorum Komatsu
シノニム
その他
分類
種子植物門 Spermatophyta > 被子植物亜門 Angiospermae > 双子葉植物綱 Dicotyledoneae > ツツジ科 Ericaceae > ツツジ属 Rhododendron
解説
- 春葉は細長い楕円形で,長さ2~3 cm,幅0.8~1.6 mmで,ヤマツツジより小さい.
- 花も小さく,径2~3 cm,横を向いたつりがね形で,花冠の裂片の先は丸い.
- 花の時には,春葉はまだ展開していない.
- 時に,ヤマツツジとの間に中間形があって,花色が連続している.
- これまで,広島県からフジツツジ(R. tosaense Makino)と報告されたもの(土井 1983,井波 1985,府中町生物実態調査団 1988,関ほか 1994,渡辺ほか 1996など)は本変種である.
- 関ほか(1975)が宮島からヤマツツジと報告した中で,花色が紅紫色のものも本変種である.
花期
- 4月中旬で,ヤマツツジより早く,コバノミツバツツジと同じ頃である.
分布・産地・天然記念物
分布
- 広島県西部の島嶼部,沿岸部から吉備高原面に分布.
産地
- 山口県と広島県西部の特産.広島県を代表する特色のあるツツジといえよう.
天然記念物
標本
- 宮島(ts-1112),極楽寺山(mt-10418),佐伯町権現山(yy-13100),広島市阿武山(zs-3621),府中町長尾(yw-4113),熊野町石岳山(mt-13388),海田町日浦山(yy-13039),黒瀬町大多田(mt-8719),呉市灰ヶ峰(mt-10259),江田島(mt-17241),野呂山(mt-8710),西能美島(yy-6447),福富町竹仁(km-5041),東広島市鏡山(mt-15017),豊栄町栄天神嶽(mt-16105),河内町義庵坊(mt-16122),安芸津町市之畑(mt-10692),川尻町海岸(mt-12188),安浦町小島(hh-7787),竹原市賀茂神社(mt-10114)
慣用名・英名・広島県方言
慣用名
英名
広島県方言
備考
- 環境庁コード: 41775
文献(出典)
- 土井(1983),井波(1985),府中町生物実態調査団(1988),関ほか(1994),渡辺ほか(1996),Yamazaki(1996),広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会(1997)
引用文献
- 土井美夫. 1983. 広島県植物目録. 148 pp. 博新館, 広島.
- 井波一雄.1985. 広島県植物図選III.100 pls. + 12 pp. 博新館,広島.
- 府中町生物実態調査団編.1988. 府中町の動植物. 130 pp. 府中町教育委員会,広島県.
- 関 太郎・中西弘樹・鈴木兵ニ・堀川芳雄.1975. 厳島(宮島)の維管束植物.天然記念物彌山原始林・特別名勝厳島緊急調査委員会編,厳島の自然-総合学術研究報告-.pp. 221-332. 宮島町,広島.
- 関 太郎・渡辺泰邦・魚坂 寛. 1994. 廿日市市の種子植物. 廿日市市教育委員会編, 廿日市市の生物, pp. 15-70. 廿日市市教育委員会, 広島.
- 渡辺泰邦・太刀掛 優・久藤広志.1996. 熊野町の種子植物.安芸熊野の自然誌編集委員会編,安芸熊野の自然誌.pp. 19-98. 安芸熊野の自然誌編集委員会,広島.
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