ハマゴウ 宮島の植物と自然
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ハマゴウ Vitex rotundifolia L.f.
分類
クマツヅラ科 Verbenaceae,ハマゴウ属 Vitex
解説
高さ20-70 cmの落葉低木.砂浜に群生し,幹は砂中を長く匍(は)う.枝では稜(りょう)が目立つ.葉は対生で全縁,微細毛が密生するためやや白く見える.植物体全体,とくに果実に香りがある.宮島では花期は7月上旬-8月,場所によって9月中旬.本州から四国,九州,琉球(りゅうきゅう),東・東南アジア,ポリネシア,オーストラリアまで,太平洋の西側に広く分布.
代表的な砂浜海岸の植物.夏の暑い盛りに鮮やかな紫色の花を咲かせる.果実は秋に成熟し,黒褐色(こっかっしょく)になる.乾燥させた果実は蔓荊子(まんけいし)と呼ばれ,生薬(しょうやく)として利用.不眠に効くとして枕に入れた貴族もいたとされる.一昔前まではそれほどめずらしい植物ではなかったが,瀬戸内海では埋め立てや護岸工事によって急激に減少.宮島でも,砂浜がキャンプや伐採の貯木場になったり,潮流の変化で砂浜が削られてだいぶ減少した.熱帯にはハマゴウの仲間で大木になるものもある.
「宮島の植物と自然」内のページ
「宮島の植物と自然」(広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所 2009)内で掲載されているページ.
- 108-109 pp.
文献(引用)
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